2019年1月9日、ASRockからAMD CPU向けのmini-STXプラットフォームのベアボーン「DeskMini A300」が発表されました。
スペック
メーカー | ASRock |
型番 | DeskMini A300 |
価格 | |
発売日 | |
幅 | 155mm |
奥行き | 155mm |
高さ | 89mm |
容量 | 1.92L |
CPU | Socket AM4(〜65W) |
CPU世代 | Raven Ridge, Bristol Ridge |
チップセット | A300 |
メモリインターフェイス | SO-DIMM DDR4-2933(Ryzen) SO-DIMM DDR4-2400(Aシリーズ) |
メモリスロット | 2 |
メモリ最大 | 32GB |
ECC対応 | × |
ストレージ | × |
SATAポート数 | 2 |
M.2 | 2(2280) |
mSATA | × |
USB2.0(内部) | 1 |
USB2.0(外部) | Rear x 1 |
USB3.0(内部) | × |
USB3.0(外部) | Front x 1(Gen1) Rear x 1(Gen1) |
USB type-C | Front x 1(Gen1) |
SDカード | × |
LAN | 1Gb x 1 (Realtek RTL8111H) |
Wi-fi | M.2 E-key(2230) |
Bluetooth | – |
D-Sub | Rear x 1 |
DVI | × |
HDMI | Rear x 1(2.0) |
4K対応 | 4K/60Hz |
DisplayPort | Rear x 1 |
シリアルポート | × |
S/PDIF | × |
オーディオジャック | Front x 2(Headset/Mic) |
サウンドチップ | Realtek ACL233 |
光学ドライブ | × |
PCI-Eスロット | × |
eSATA | × |
赤外線 | × |
Optaneメモリ対応 | × |
最大消費電力 | |
電源 | 120W/19V |
ノイズレベル | |
VESA | オプション |
付属品 | SATAケーブル x 2 |
その他 |
特徴
「DeskMini A300」のスタートは2018年9月26日のこのツイートからでした。
弊社DeskminiのAPU搭載版ほしい(2400Gとか乗る製品)というか担当もあったらマジで欲しい開発と技術部に猛プッシュしてみるでござる。欲しいと思う人 #拡散RTお願いします RTカウンターが回ればこれだけほしい人いるって話を、マーケティングにもプッシュできますので、ご協力よろしくお願い致します!
— ASRock Japan (@AsrockJ) September 26, 2018
それから一ヶ月後の2018年10月25日、開発決定の報がツイートされました。
🎉【速報】Desk mini APU版開発決定🎉 #拡散RTお願いします
— ASRock Japan (@AsrockJ) October 25, 2018
さらに一ヶ月後の2018年11月20日、テストサンプル版完成のツイート。
【Deskmini続報!】ラボに製品版に限りなく近いテストサンプル版が出来上がってます。今日から細部まで検証及び負荷テスト開始です!(※日本のユーザーのみなさんのために特別に写真撮ってもらいました) pic.twitter.com/Cq6OZ0bGzy
— ASRock Japan (@AsrockJ) November 21, 2018
そして一ヶ月半後の2019年1月9日に正式発表と、相当なスピード感で開発が行われました。
そんな高速開発が行われた「DeskMini A300」ですが、PCIeスロットがない関係上、搭載できるのはSocket AM4かつiGPU(内蔵グラフィック)があるCPU(TDP65Wまで)に限られています。
公式サイトには”Bristol RidgeとRaven Ridge”とあるので、Ryzenだけでなく第7世代AシリーズAPUも搭載できます。
チップセットについては記載がありません。CES 2019でのAMDの発表を見る限り、BIOS更新で第3世代Ryzenにも(GPU搭載モデルが出ればですが)対応するんじゃないかと思いますが、現時点でははっきりとしたことは分かりません。
2019年1月11日追記:チップセットはそのままズバリ、A300でした。チップセットごとのスペックはAMDのサイト参照。
なお、CPUクーラーの高さは46mm以下となっています。
メモリは速度がそのまま性能に直結するのですが、第7世代APUではDDR4-2400まで、RyzenではDDR4-2933まで対応となっています。
3200MHz以上までオーバークロックできるようですが、実行するのは自己責任ですね。
グラフでは3200MHz駆動時には2133MHz比で20%ほどスコアが上昇しています。
ストレージについては155mm四方、幅89mmというサイズながら、2.5インチHDD/SSDを2基とM.2 SSDを2基搭載することができます。
Intel CPU用の「DeskMini 310」は2.5インチ×2+M.2×1なので、M.2スロットが一つ多くなっています。
そのM.2 SSDスロットは、片方はPCIe3.0 x4接続ですが、もう片方はAthlon 200GE搭載時にはPCIe3.0 x2接続となります(それ以外ではx4接続)。
ここからは外観です。
基本はIntel CPU用の「DeskMini 310」と同じです。
正面は電源ボタンとUSB Type-A/Type-C(どちらもUSB3.1 Gen1)、ヘッドセットジャックとmic-inがあります。
背面は電源とDisplayPort、HDMI、D-Sub、USB2.0/3.1 Gen1、LANポートと、こちらも「DeskMini 310」と同じ構成になっています。
「DeskMini 310」と違うのは、「DeskMini 310」では3つのディスプレイ出力の内、同時出力できるのは2つまでだったのに対し、「DeskMini A300」では3ポートの同時出力、つまりトリプルディスプレイが可能となっていることです。
背面にオーディオ出力がありませんが、オプションでピンから引っ張ってくることができます。
Wi-fiはオンボードでなくM.2 E-keyスロットの形で提供されます。
そのため「DeskMini A300」にはIntel® AC-3168 Wi-Fi Kitがセットとなった「DeskMini A300W」が用意されています。
VESAマウンタは同梱ではなくオプションとなっています。
だいたい2000〜3000円で販売されています。
まとめ
「DeskMini」シリーズはこれまでに「DeskMini 110」と「DeskMini 310」が発売されています。小型PCベアボーンの豊富なIntel CPU用にもかかわらず、どちらもヒットを飛ばしました。
AMD向けの小型PCは記事執筆時点では「ThinkCentre M715q Tiny」くらいしかありません。CES 2019にてECSが205mm x 176mm x 33mmの「SF110-A320」を発表しましたが、こちらはTDP35Wまでとなります。
※2019年1月22日追記:記事公開当初、MSIと記載していましたが、正しくはECSでした。
TDP65WまでとCPU選択の幅が広い「DeskMini A300」はAMD派待望の製品となるのでヒットは間違いなさそうです。
なお価格については公表されていませんが、CESで取材したtom’s HARDWAREによると、2019年2月に119ドルで発売されるとのこと。
※2019年1月11日追記:ASRockの代理店であるCFD販売株式会社より1月下旬発売のアナウンスがありました。想定価格は税別18,480円前後となります。
ちなみに
こんな裏話もありました。
DeskminiA300(開発秘話)
担当「どうにかしてRyzenDeskminiつくって」
技術「VRMの設計含めて結構むずかしいよ」
担「スペースないですもんね。」
一番偉い技術「フェーズ数乗っけられないなら最上級パーツ使おう!」
技「了解」
担「コンポーネント暴力ぅ!!」
続く— ASRock Japan (@AsrockJ) January 10, 2019
技「できた」(OCFやTaichiで使っている最上位チョークコイル)(高級制御IC)(タンタルコンデンサ)
担「(ΦωΦ)!!!」
技「偉い人はASRockの名前決めた偉い人、変態製品は全部彼から生まれた」
担「はえ~その人も手掛けたDeskminiなのか」
技「総動員でやった」
担「だから、早くできたわけか」— ASRock Japan (@AsrockJ) January 10, 2019
コメント
SF110-A320、MSIじゃなくてECSさんじゃないでしょうか
ご指摘ありがとうございます。
おっしゃるとおり、MSIではなくECSでしたので修正いたしました。