SBC(シングルボードコンピューター)メーカーの一つであるPINE64が2019年1月29日に自社フォーラム内で発表していた「Pine H64 Model B」が、2019年3月1日、SBC専門通販サイトのameridroid.comで発売されました。
スペック
※「Pine H64(Model Aに相当)」のスペックを併記します。
model | Pine H64 Model B | Pine H64(Model A) |
メーカー | PINE64 | |
発売日 | 2019/02 | 2018/01 |
価格 | 38.95ドル(2GB) 48.95ドル(3GB) | $25.99(1GB) $35.99(2GB) $45(3GB) |
価格(日本円) | ||
CPU | Allwinner H6(1.5GHz 4コア) (1.8 GHz A53 x4) | |
GPU | Mali-T720 MP2 | |
メモリー | 1〜3GB LPDDR3 | |
サポートOS | Android Linux | |
有線LAN | 1GbE x 1 | |
Wi-fi | 802.11b/g/n | × |
Bluetooth | 4.0 | × |
チップ | RTL8723BS | RTL8211 |
ストレージ | 128MB SPI Flash microSDXC eMMCソケット | |
USB | 3.0 x1 2.0 x 2 | |
GPIO | 40pin x 1 | |
映像 | HDMI(2.0a 4K/60Hz HDR) | |
カメラ | ||
オーディオジャック | ○ SPDI/F x 1 | ○ |
その他インターフェース | SDIOソケット(Wi-Fi用) IR receiver mini-PCIe connector | |
消費電力 | ||
電源 | DC 5V | DC 5V/3A |
幅 | 85mm | 133mm |
奥行き | 54mm | 80mm |
高さ | 19mm | |
その他 |
特徴
「Pine H64 Model B」は、2018年1月に発売された「Pine H64」(“Model B”発表時より”Model A”と呼ぶようになりました)をベースに、小型化および機能追加を行ったSBCとなります。
CPU(SoC)は”Model A”と同じ「Allwinner H6」を搭載しています。
性能的にはローエンド寄りのミドルクラスで、ベンチマークの一つであるAntutuでは40000〜45000程度になります。
メモリはLPDDR3で1GB/2GB/3GBがラインナップされており、今回発売されたのは2GBと3GBになります。
SoCが同じなため、インターフェースも”Model A”とほぼ共通で、USB3.0×1、USB2.0×2、HDMI 2.0に40pin GPIO、ストレージはeMMCソケットとmicroSDXCソケットとなっています。
スペック表にはSPDI/Fコネクタがあるとなっているのですが、それらしいのは真ん中の3pinでしょうか?
カメラインターフェース(MIPI-CSIなど)が搭載されていないのも共通しています。
“Model A”と違うのはここからで、外付けだったWi-fiがオンボードになりました。
また、”Model A”が133mm×80mmとクレジットカード2枚分のサイズだったのに対し、”Model B”はほぼ半分の85mm×54mmとなっています。
このサイズは「Rock64」と共通で、インターフェースの並びも「Rock64」と同じにしているため、ケース等が使い回せます。
なお、「Rock64」に搭載される「Rockchip RK3328」は同じCortex-A53のクアッドコアですがGPUはMali-450MP2となり、グラフィック性能は「Allwinner H6」の半分程度となります。
そのためAntutuが35000程度と、グラフィックの分「Allwinner H6」より低い数値となります。
もともとAllwinnerはグラフィックに強みがあり、中国系のTV Boxなどでの採用実績が豊富なSoCなので、CPU部が同程度で、グラフィック面で有利というスコアには納得の行くところです。
ボードサイズが変わったため、miniPCIeソケットも削除されています。
このため、「Allwinner H6」が持つPCIeについては使用することができなくなりました。
殆どの端子やチップは表側に実装されています。
eMMCはソケットのみで、別売となっています。
裏側にはmicroSDスロットくらいしかありません。
miniPCIeソケットくらい置けそうな感じなのですが…
まとめ
スペックそのままに小型化と機能追加が果たされた「Pine H64 Model B」は、「Rock64」のグラフィック強化機と言えるものになりました。
想定価格もほぼ同等で、1GBモデルが24.95ドル(約2,800円)、2GBモデルが34.95ドル(約3,900円)、3GBモデルが44.95ドル(約5,000円)となっています。
3GBではなく4GBだったら「Rock64」と全く同じですね。
またこの価格は先代の「Pine H64 Model A」より僅かに安くなっています。
現在は公式サイトでの販売は開始されておらず、ameridroid.comでの実売価格は2GBモデルが38.95ドル、3GBモデルが48.95ドルと4ドル上乗せされています。
がじぇっとりっぷでよく取り上げるRK3399搭載機の半分程度の性能ながら値段もほぼ半分というのはコストパフォーマンスも悪くないと思います。
これで4GBモデルが登場すれば言うことなしなのですが、高望みというものでしょうか。
関連リンク
FOSDEM 2019 Blog! Pinebook Pro, PinePhone Dev Kits and much more! – PINE64 forum
PINE H64 Model B – ameridroid.com
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