ラズパイ対抗? SinoVoip「Banana Pi BPI-M4」は珍しいRealtek製SoCを搭載した38ドルのSBC

2019年6月13日、SBCメーカーのSinoVoipがRealtekのSoC「RTD1395」を搭載した「Banana Pi BPI-M4」を、中国のショッピングサイトAliExpressで発売いたしました。

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スペック

model Banana Pi M4
メーカー SinoVoip
発売日 2019/06
価格 38ドル
価格(日本円)
CPU Realtek RTD1395
(A53 x 4)
GPU Mali-470 MP4
メモリー 1〜2GB DDR4
サポートOS Android
Linux
有線LAN 100MbE x 1
Wi-fi 802.11ac
Bluetooth 4.2
チップ RTL8821
ストレージ 8GB eMMC
microSD(最大256GB)
USB 2.0 x 4
2.0 x 1(Type-C)
GPIO 40pin x 1
映像 HDMI
カメラ
オーディオジャック
その他インターフェース M.2 E-key
Boot SEL Switch
PoE connecter
消費電力
電源 DC 5V/2A
PoE
92mm
奥行き 60mm
高さ
その他 重量:48g

特徴

SBC(シングルボードコンピューター)界隈ではSoC(System on Chip)としてRockchip、Allwinner、Amlogicあたりを使うのが主流なのですが(もちろん例外はいっぱいあります)、「BPI-M4」はちょっと珍しい、RealtekのSoCを採用しています。

「BPI-M4」に搭載された「Realtek RTD1395」は、2018年9月に発表された比較的新しいSoCで、TV Box向けに開発されたもののようです。
Relatekの公式ページでも「4K UHD MULTIMEDIA SOC」と謳われています。

「RTD1395」の構成は、CPUに4コアのCortex-A53、GPUにMali-470 MP4となっています。

4コアのCortex-A53というのは「AllWinner H5/H6」や「Amlogic S905」シリーズ、「Snapdragon 425」のほか、「Raspberry Pi 3」の「BCM2837/BCM2837B0」も同じ4コアのCortex-A53です。
性能的にはローエンドよりのミドルクラスくらいの位置づけとなり、動作周波数の違いがそのままベンチマークスコアの差となります。

GPUのMali-470は2015年10月に発表されたGPUで、ウェアラブルデバイス向けの超省電力仕様となっています。MP4は4コアということです。

4K/60Hz出力が可能ですが、OpenGL ESは2.0までの対応となります。
Mali-400系は旧アーキテクチャで、Mali-470は(現在のところ)最終モデルとなります。
前世代となるMali-450は「AllWinner H5」や「Amlogic S905」が採用していますが、Mali-470の採用例はほとんど見当たらず、性能面が不明です。
Mali-450 MP4がだいたいMali-T720 MP2のちょっと下くらいの性能なので、Mali-470はMali-T720 MP2よりちょっと上といったところでしょうか。

調べてもいまいち全体性能がつかめませんでしたが、まとめてみると「RTD1395」は同クラスのSoCと同程度の性能を保ちながら省電力な、ワットパフォーマンスに優れたSoCとなるようです。
この省電力性はボードにも現れています。

上が「BPI-M4」のインターフェース図ですが、なんかこう、部品数が少ないです。
パーツが少なければその分消費電力も少ないということで、「BPI-M4」の電源は5V@2Aとなっています。「Raspberry Pi 3」が5V@2.5Aなので、ちょっと下がってますね。

一方、残念だなぁと思うのが、USBが2.0しかない点です。
供給電力からするとUSB3.0が厳しいことは分かるのですが、USBメモリくらいなら負担にもならないので、是非欲しかったところ(とはいえSoCが対応していないのですが…)。

もう一つ残念なのが、現在発売されているのがメモリ1GBであるということです。
SBCでは未だにDDR3が主流であるところ、DDR4となったのは(性能的にも電力的にも)いいことなのですが、絶対的な容量はやっぱり重要なので…一応2GBモデルもあるようですが、今のところ販売されていませんし、価格も上がってしまいます。

Wi-fi/BTは無印のRTL8821です。Wi-fiは802.11ac対応で最大433Mbpsとなります。
RTL8822だったら最大866Mbpsだったのですが…
LANも100MbEまでとなっています。

このクラスのSBCではあまり見ないのが、M.2スロットです。Key Eとなっており、PCIe2.0(レーン数は不明)に対応、Wi-fiカードなどを取り付けることができます。

上記の通り、内蔵するWi-fiは最大433Mbpsな上に、もちろん技適なんかありませんので、技適取得済みのWi-fiカードを挿すのもいいかもしれません。

また、「BPI-M4」はPoE給電に対応しており、「Raspberry Pi」用のPoE HATを使用することができます。

あと、見落としてはならないのが、裏面にある「BOOT SEL Switch」です。
がじぇっとりっぷは事あるごとに言っているのですが、やっぱり物理的にブートメディアを選択できるってのはいいですね。

まとめ

「BPI-M4」の初出は2019年2月の公式Wikiでの登場です。当時はスペックやボードの詳細は公開されたものの、ソフトウェア面(イメージファイルなど)は空白のままでした。以来、4ヶ月以上音沙汰がなく、このまま立ち消えになるのかなぁと心配していた折の発売開始となりました。

ラズパイ互換インターフェースと38ドル(約4,100円)という価格から、製品的な立ち位置は明らかに「Raspberry Pi 3 Model B+」を狙ったものになります。

35ドル前後の攻防というものは前々からあって、他所からは「Pine H64 Mobel B(Allwinner H6)」や「Orange Pi 3(AllWinner H6 V200)」、「NanoPi K1 Plus(AllWinner H5)」などが35ドル前後で発売されています。
SinoVoipの製品でこれまでこの位置にあったのは「BPI-M2 Berry」だったのですが、2017年6月発売と実に2年前の製品で、「BPI-M4」の登場でこれが更新された形になります(間の「BPI-M3」は一つ上の価格帯となります)。

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ただ、ほかの製品はメモリ2GBだったり1GbEだったりとするので、ちょっと劣る感はあるのが残念なところですが。
おそらくですが、35ドルというラインを先に引いて、あれこれ削っていった結果なのかもしれません(それでも38ドルですが)。
そう考えると、発売が発表からだいぶ遅れたのは、一番コストのかかるメモりの価格が下がるのを待っていたからなのかなぁと(勝手な想像ですが)。

ちなみに次世代の「Raspberry Pi」は2020年とCEOが明言しているので、もうひとつふたつくらいは35ドル前後の製品が出てきそうな気はします。

A must-buy for makers, hobbyists and tech enthusiasts everywhere, the Raspberry Pi 4 features a faster processor, more RAM and 4K video output.

関連リンク


Raspberry Pi 3 Model b+ BOXセット

Banana Pi BPI-M4 – BPI Wiki
Banana Pi BPI M4 Realtek RTD1395 ARM 64 bit Board – aliexpress