もうひとつの第10世代。Intelのモバイル向け新CPU「Comet Lake」は14nmプロセスな代わりに6コア12スレッドも

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2019年8月21日、IntelはノートPC向けの第10世代Coreプロセッサ、UシリーズとYシリーズ合わせて8製品を発表しました。

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スペック(Comet Lake-U)

プロセッサーナンバーコア数(スレッド数)標準クロック最大クロック(1コア)最大クロック(全コア)L3キャッシュ内蔵グラフィックEU数GPU最大クロックTDP
Core i7-10710U6 (12)1.1 GHz4.7 GHz3.9 GHz12MB
UHD
24
1150 MHz
15W
Core i7-10510U
4 (8)
1.8 GHz4.9 GHz4.3 GHz8MB
Core i5-10210U1.6 GHz4.2 GHz3.9 GHz6MB1100 MHz
Core i3-10110U2 (4)2.1 GHz4.1 GHz3.7 GHz4MB231000 MHz

スペック(Comet Lake-Y)

プロセッサーナンバーコア数(スレッド数)標準クロック最大クロック(1コア)最大クロック(全コア)L3キャッシュ内蔵グラフィックEU数GPU最大クロックTDP
Core i7-10510Y
4 (8)
1.2 GHz4.5 GHz3.2 GHz8MB
UHD
24
1150 MHz
7W
Core i5-10310Y1.1 GHz4.1 GHz2.8 GHz
6MB
1050 MHz
Core i5-10210Y
1.0 GHz
4.0 GHz
2.7 Ghz
Core i3-10110Y2 (4)3.4 Ghz4MB1000 MHz

特徴

モバイル向けの第10世代Coreプロセッサは、2019年8月1日に10nmプロセスの「Ice Lake」が発表されています。

AIにグラフィックに新インターフェース! Intelの第10世代CPU「Ice Lake」は新要素がいっぱい

「Ice Lake」では新要素が盛り沢山だったのに対し、「Comet Lake」はどちらかというと第9世代の「Whiskey Lake-U」「Amber Lake-Y」をアップデートして機能を付け足したくらいになります。

命名規則も「Whiskey Lake-U」「Amber Lake-Y」、というか旧来の命名規則に沿ったものとなっています。

以下が「Ice Lake」、「Comet Lake」、「Whiskey Lake-U」「Amber Lake-Y」を比較した表になります。

Ice Lake-UComet Lake-UWhisky Lake-U
製造プロセス10nm14nm
コア/スレッド4コア/8スレッド
2コア/4スレッド
6コア/12スレッド
4コア/8スレッド
2コア/4スレッド
4コア/8スレッド
2コア/4スレッド
2コア/2スレッド
GPUGen11
max 64EU
Gen9.5?(max 24EU)
UHD XXX
Gen9.5(max 24EU)
UHD 610 / 620
メモリDDR4-3200
LPDDR4/x-3733
DDR4-2666
LPDDR4/x-2933
LPDDR3-2133
DDR4-2400
LPDDR3-2133
最大メモリ64GB
グラフィック出力HDMI2.0b
DP1.4
eDP1.4b
HDMI1.4
DP1.2
eDP1.2
グラフィック入力16Mp
4カメラ
RGB+IRカメラ
×
AI×
USB3.2 Gen2
Thunderbolt3×
PCIe不明16レーン
Wi-fiWi-fi 6Wi-fi 6Wi-fi 5
TDP15W / 28W15W15W

Ice Lake-YComet Lake-YAmber Lake-Y
製造プロセス10nm14nm
コア/スレッド4コア/8スレッド
2コア/4スレッド
4コア/8スレッド
2コア/4スレッド
2コア/4スレッド
GPUGen11
max 64EU
Gen 9.5?(max24EU)
UHD XXX
Gen 9.5(max24EU)
UHD 615 / 617
メモリLPDDR4/x-3733DDR3L-1600
LPDDR3-2133
DDR3L-1600
LPDDR3-1866
最大メモリ32GB16GB
グラフィック出力HDMI2.0b
DP1.4
eDP1.4b
HDMI1.4
DP1.2
eDP1.2
グラフィック入力16Mp
4カメラ
RGB+IRカメラ
13Mp
4カメラ
AI×
USB3.2 Gen23.2 Gen1
Thunderbolt3×
PCIe不明10レーン
Wi-fiWi-fi 6Wi-fi 6Wi-fi 5
TDP9W7W5W / 7W

「Ice Lake」は別物ってくらいに違いが多いです。

「Comet Lake-U」と「Whiskey Lake-U」の違いは、6コア12スレッドが追加されたこと(これは現在の「Ice Lake」にもない要素です)、対応メモリにLPDDR4xが加わったこと、Thunderbolt3対応、Wi-fi6対応といったところです。

特に2つは大きい要素です。

一方でグラフィック面は変わっていません。Intel UHD Graphicsのバージョンは明らかになっていませんが、UHD 610/620のままか、UHD 615/625みたいなマイナーアップデートレベルにとどまると予想できます。

「Comet Lake-Y」、「Amber Lake-Y」の違いは2コア4スレッドだけだったのが、4コア8スレッドが追加されました。
また、「Comet Lake-U」と同じくThunderbolt3対応、Wi-fi6対応となる一方でグラフィックは変わっていません。

TDPは5Wがなくなり、全て7Wとなりました。
ちなみにIntel Ark上ではなぜか「Comet Lake」ではなく「Amber Lake Y」に分類されています。

製品の開発コード名 Amber Lake Y – Intel
製品の開発コード名 Comet Lake – Intel

まとめ

以前に紹介したロードマップの通り、「Comet Lake」が発表されたわけですが、ロードマップよりちょっと早いですね。

10nmプロセスがようやく。 インテルの2021年までのCPUロードマップがリーク

「Comet Lake」の発表時には「2019年末(の年末商戦)までに90以上の第10世代CPU搭載製品が登場する」と書かれているのですが、「Ice Lake」発表時には「年末商戦までに登場するだろう」くらいの感じ(実際、現時点では4モデルしか予告されていない)だったので、大部分が「Comet Lake」搭載製品だと思われます。

この辺りも「Ice Lake」の”limited”通りですね。

今後はおそらくUMPCも「Comet Lake-Y」にアップデートされていくとは思いますが、TDPが上がった分、冷却・排気能力が確保できる8インチ以上から登場するんじゃないかなぁと。
UMPCでThunderbolt3、熱いですね。

関連リンク

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ニュースリリース – Intel
解説スライド – Intel ※PDF

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