2019年9月3日、台湾QNAPはデュアルポート10GBase-Tを備えたNIC「QXG-10G2T-107」を発表・発売しました。
スペック
メーカー | QNAP |
モデル名 | QXG-10G2T-107 |
価格 | 207ドル |
コントローラー | Aquantia AQtion AQC107S |
コネクタ | NBASE-T(RJ45) |
PCIeインターフェイス: | PCIe Gen 2.0 x4 |
伝送率 | 10Gbps/5Gbps/2.5Gbps/1Gbps/100Mbps |
対応オペレーティングシステム | QTS Windows(ドライバーが必要) Linux(ドライバーが必要) |
対応QNAP NAS | PCIeスロット付きモデル (1つの空きスロットが必要) |
ブラケット | ロープロファイルのブラケットが取付け済み。 フルハイトと専用ブラケットが同梱されています。 |
ポートとケーブル | RJ-45。カテゴリー6クラスケーブル |
特徴
「QXG-10G2T-107」は、PCIe Gen2.0(x4)接続のデュアル10ギガビットLANカードです。
デュアル10GBase-T NICといえば、Intelの「X540-T2」「X550-T2」が有名です。
他にもTehuti TN4010とMarvell 88X3110のデュアルチップセットを搭載したStarTech「ST10GSPEXNDP」などがありますが、どの製品もPCIe Gen2.1(x8)接続となっています。
がじぇっとりっぷが知る限りでは、x4接続のNICは初めてじゃないでしょうか。
PCIe(PCI Express)は世代(Gen)とレーン数(x○で表示される部分)で転送速度を知ることができます。
Gen2(Gen2.1)だと1レーンあたり片方向0.5GB/s、双方向1.0GB/sです。
4レーンだと片方向2.0GB/s、双方向4.0GB/s、NICの表記に合わせると片方向16Gbps、双方向32Gbpsとなるので、ぎりぎりなんとかなるかなぁといったところですね。
一般向けではいいでしょうが、シビアな動作が要求されるサーバー用途には向いてなさそうです。
コントローラーはAquantiaの「AQC107S」で、10/5/2.5/1Gbpsと100Mbpsに対応しています。
これはThunderbolt3 to 10GbE LANアダプター「QNA-T310G1T」に使われているものと同じコントローラーとなります。
おそらくはコントローラーもデュアルだとは思いますが、ヒートシンクを外した画像がないため、正確なところは分かりません。
また、消費電力についても記述がありません。
「QNA-T310G1T」ではシングルポートでも20Wくらい使っていた(データ転送に伴うCPU負荷も含む)ので、デュアルポートだと40Wくらい行きそうです。
発熱についても同じことが言えます。
Intel「X540-T2」「X550-T2」は爆熱で知られていますが、「QNA-T310G1T」での発熱を考えると、「QXG-10G2T-107」も結構発熱しそうです(ファンも付いていますし)。
実際に使う場合は筐体内のエアフローを考慮したほうがいいでしょう。
ブラケットはフルハイトとロープロファイルの2種類が用意されています。
対応デバイスはQNAP製NAS(QTS 4.3.6以降)のほか、Windows/Linuxにも対応しています。
Windows/Linuxで利用する場合はAquantiaのサイトからドライバをダウンロードする必要があります。
まとめ
全長が短くなって小さいケースでも収まるようになった「QXG-10G2T-107」はすでに公式ショップで発売されており、価格は207ドル(約22,000円)です。
シングルポート製品でも1万円弱くらいが相場なので、新製品の割には結構割安ですね。
なお、当たり前ですがLANケーブルも対応するものが必要となります。具体的にはCat6以上のケーブルです。Cat5eでは5Gbpsに制限されるので注意してください(今どきCat5eケーブルも少ないですが)。
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