がじぇっとりっぷではちょくちょくノートPCのレビューをしていますが、予算の都合上、安価な製品や中古品が中心です。
これはこれでいいのですが、ベンチマークデータの蓄積という観点からGPU搭載ノートのレビューも必要だなぁと思っており、思い切って購入してみました。
それが今回のレビュー対象であるASUS「FX504GD-I5H1OP」です。
下の記事でちょろっと取り上げています。
「型落ち品じゃねーか!」というツッコミの声が聞こえそうですが、そこは予算の都合なのでご容赦ください。
FX504GD-I5H1OP
GoodPoint
✔ 軽量ゲームなら問題なし
✔ HDD+Optaneで意外と高速
✔ サラウンドの効いたスピーカー
BadPoint
✖ 負荷時のファンがうるさい
✖ 吸気口が小さい
✖ 貧弱なインターフェース
スペック
メーカー | ASUS |
名称 | FX504GD-I5H1OP |
発売日 | 2018/07 |
定価 | 119,800円(i5) |
実売価格 | 64,500円 |
価格条件 | |
CPU | Core i5-8300H |
グラフィック | GeForce GTX 1050(2GB) |
チップセット | HM370 |
メモリ | 8GB |
メモリ規格 | DDR4-2666 |
メモリ増設 | 最大32GB |
2.5inch | 1TB HDD |
M.2 | Optane 16GB |
画面 | 15.6インチ |
解像度 | 1920*1080 |
ベゼル幅 | 18mm |
表面 | |
タッチ対応 | × |
光学ドライブ | – |
USB2.0 | 1 |
USB3.0 | 2(Gen1) |
USB3 Type-C | – |
USB PD | × |
HDMI | 1.4 |
DisplayPort | × |
LANポート | 1GbE |
wi-fi | 802.11ac wave2 |
Bluetooth | 4.1 |
office | × |
カードリーダー | × |
Webカメラ | 92万画素 |
赤外線カメラ | × |
NFC | × |
指紋センサー | × |
Windows Hello | × |
オーディオジャック | ○ |
マイク | ○ |
スピーカー | 2W+2W |
スピーカー位置 | 側面 |
サウンド | DTS Headphone:X |
キーピッチ | 19mm |
キーストローク | 1.8mm |
キーボードバックライト | 赤 |
バッテリー | 48WHr |
稼働時間 | 5.9Hr |
ACアダプタ | 120W |
充電時間 | 2.2Hr |
急速充電 | |
幅 | 384mm |
奥行き | 262mm |
高さ | 25mm |
重量 | 2.3kg |
開口角度 | 140度 |
カラー | ブラック |
その他特徴 | TFT液晶 |
外観
「FX504GD-I5H1OP」はゲーミングノートなので、箱からしてそんな感じの雰囲気を漂わせています。
製品ラベルは側面についています。
中には本体と電源アダプタ、マニュアルとチラシが入っていました。
バッテリーは19V@6.32Aということで、120Wです。
流石に結構な大きさがあり、iPhone4よりふたまわりくらい大きいです。
インターフェースは左に偏っています。USBは2つがUSB3.0、ひとつがUSB2.0です。
白くはみ出しているのはディスプレイ保護用の不織布です。
底面よりの大きく空いた穴に見える部分はスピーカーです。
背面は排気口が左右に並んでいます。
ヒンジ部はディスプレイ側が一部欠けた形になっていて、LEDが見えるようになっています。
キーボードです。
英字モデルなのでキーが少ないです。
スペースキーの形がかっこいいですね。
キーは平面的で、キーボードバックライトは単色です。
ディスプレイはノングレアで、映り込みはあまりありません。
カメラ部です。
Windows Hello用のIRカメラや、プライバシーシャッターのたぐいは付いていません。
ベゼル幅は約18mmです。
後継機の「FX505GD」から狭額縁になります。
ディスプレイを最大に倒した状態では、約140度になりました。
背面はゲーミングノートらしいカッティングデザインとなっています。
このくらいのロゴならあっても気にならないですね。
底面は吸気口が小さめです。
分解
「FX504GD」の分解は、見えているネジを外すだけで行えます。
底面中心部のネジだけシールされています。
衝撃的だったのが、吸気口の小ささです。
分解するまで全体にスリットが入っているものと思い込んでいました。
こんなに小さな吸気口で冷却しきれるんだろうか・・・
内部全景です。
内部は余裕があり、左の2割位は何もありません。バッテリーとOptane Memoryの間も実質的に隙間です。
バッテリーは11.4Vなので3セルでしょうか。容量は48WHrです。
メモリは2スロットあり、片方だけ挿入されています。
ストレージは2.5インチHDD+Optane Memoryの構成です。
多分、M.2 SSDに換装できるとは思いますが、今回は行いませんでした。
Wi-fiカードはM.2で、換装可能です。
バッテリー左横のスピーカーは、サイドに音が出るような、変な構造をしています。
コーンの大きさは15mmくらいです。
システム
起動前にまずはBIOSです。
めっちゃグラフィカルです。
バックアップは恒例の「Macrium Refrect Free」です。
バックアップサイズは34.04GBでした。
バックアップを取ったところでようやく起動です。
壁紙はおそらくアメリカ・アリゾナ州のアンテロープキャニオンです。
アイコンはゴミ箱とEdgeブラウザのみとシンプルです。
ASUSアカウント登録の案内が表示されました(スキップしました)。
起動直後のストレージとメモリの使用量です。
あまり余計なものは動いていないのか、比較的少なめです。
CrystalDiskInfoで見たストレージ情報です。
型番からしてSeagateのHDDですね。
CPU-Zでみた、CPU・GPU・メモリのシステム情報です。
メモリの製造がHyundaiになっていて「ん?」となりましたが、現SK hynixのことだと思います。
デバイスではストレージがOptane+HDDとなっています。
有線LANはRealtekチップで、PCIeからの変換のようです。
バッテリー情報です。
なんでか最初から容量がちょっと少なくなっています。
今までレビューしてきたノートは設計容量通りだったので、気になります。
少し使ってみた
キーボードについて
がじぇっとりっぷが購入したのは英字配列なので、キー配列については今回は言及しません。
キーは平たい四角で、縁は丸くなっています。
入力時に引っかかったり、縁の角が当たるるような感覚はないのですが、Lenovoのキーボードに慣れていると、平坦なことに違和感を感じます。
あと、使用感とは関係ないのですが、これまでゲーミングノートを触ったことがなかったので、赤いバックライトというのに慣れないです。
色彩心理としては赤には交感神経を刺激し、活力・興奮をもたらすなどの正作用があるのでゲーミング向きなわけですが、夜中に一人黙々とベンチマークをとっていると、ちょっと疲れました。
音質について
※音質については完全に個人の感想となります。
「FX504GD」のスピーカー径は15mmくらいで、上面が塞がれています。
構造とサイズから低音は強くなさそうだなぁと思っていましたが、予想通り低音は薄っぺらい音で、クラシックのような重厚な音楽を聞くのには向いていないでしょう。
逆に高音域はどうかというと、こちらはこちらで軽い音です。
一方で中低音〜中高音は比較的しっかりした音が出ていてヴォーカルの音域はだいたいカバーできており、アカペラなどは結構いい感じに聞けます。
言ってしまえばスピーカー径から想像される通りの音ということですね。
音質については微妙ですが、音の広がりはかなりいいです。
流石に後ろはないですが、左右2chのはずなのに正面左右と奥行きがはっきりしています。
スピーカーは2つしかなかったよね?と耳を当てて(中を見たはずなのに)他に無いか探してしまいました。
ただ、ゲームをプレイする分には音質よりもファンの音が気になるんじゃないかと。そのくらいファンがうるさいです。
USBについて
ベンチマークアプリは予めダウンロードしておいたものをUSBメモリ経由で「FX504GD」に移しています。
その際の転送速度を測ったところ、120MB/s前後まで速度が出ました。
ベンチマーク
対象アプリ一覧
CrystalDiskMark 6.0.2
PassMark 9.0
Geekbench 4.4.2
Geekbench 5.0.1
CrystalMark 2004R7 v0.9.200.452
CINEBENCH R15.0
PCMark 10
3D Mark v2.0.6762
DQ X ベンチマーク v1.51
FF XIV 紅蓮の解放者
FF XV v1.2
BBench
※ベンチマーク条件
DQ X、FF XIV、FF XVは1280×720・標準、および1920×1080・最高品質の2種類
BBenchはキーストローク&Web巡回、FF XIVループの2種類
結果一覧
メーカー | ASUS | |
モデル名 | FX504GD | |
CPU | Core i5-8300H | |
GPU | UHD 630 GeForce GTX 1050 | |
メモリ | 8GB | |
ストレージ | 1TB HDD+Optane | |
PassMark | Total | 3137.8 |
CPU Single | 2410 | |
CPU Multi | 8593.9 | |
2D | 658 | |
3D | 4576.8 | |
Memory | 2018.8 | |
Disk | 1321.9 | |
GeekBench4 | Single | 4675 |
Multi | 14970 | |
OpenCL | 17194 | |
OpenCL(dGPU) | 72410 | |
GeekBench5 | Single | 1088 |
Multi | 3755 | |
OpenCL | 4209 | |
OpenCL(dGPU) | 18094 | |
CrystalMark | Mark | 374163 |
ALU | 116211 | |
FPU | 96941 | |
MEM | 65099 | |
HDD | 38942 | |
GDI | 15066 | |
D2D | 4397 | |
OGL | 37507 | |
CINEBENCH R15 | OpenGL | 94.04fps |
CPU(S) | 170cd | |
CPU(M) | 819cd | |
PCMark | ALL | 3757 |
Essensial | 7105 | |
Productivity | 5240 | |
DigitalContent | 3865 | |
3DMark | NightRaid | 4385 |
Grapihics | 4367 | |
CPU | 4495 | |
TimeSpy | 1853 | |
Graphics | 1725 | |
CPU | 3204 | |
CloudGate | 18009 | |
Graphics | 39094 | |
Phisics | 6237 | |
FireStrike | 5512 | |
Graphics | 6210 | |
Phisics | 8750 | |
Combined | 2299 | |
SkyDiver | 15865 | |
Graphic | 20185 | |
Phisics | 7714 | |
Combined | 15558 | |
IceStorm | 73674 | |
Graphics | 88512 | |
Phisics | 46432 | |
IceStormEX | 78482 | |
Graphics | 97280 | |
Phisics | 46819 | |
IceStormUnlimited | – | |
Graphics | – | |
Phisics | – | |
DQ(1280・標準) | 8569 | |
DQ(1920・最高) | 3937 | |
FFXIV(1280・標準) | 12042 | |
FFXIV(1920・最高) | 6380 | |
FFXV(1280・標準) | 5281 | |
FFXV(1920・最高) | 2230 | |
bbench | 軽度(web) | 9057(2.5Hr) |
強度(FF XIV) | 3860(2.1Hr) |
結果画像
Optane+HDDは初めてでしたが、うまくキャッシュ(Optane Memory)にのると、かなり高速になります。
一方でキャッシュの効かないライト処理はHDDの速度そのままです。
まぁ、ゲームなんかは読み込みが中心なので、読み込みが早ければOKです。
Geekbechはv4とv5でスコアが違いますが、UHD 620とGTX 1050は4.2〜4.3倍差とだいたい同じ結果となっています。
しかし、v4でのCPUのマルチスレッドスコアが15,000弱とか、Uシリーズとは文字通り桁が違いますね。
CINEBENCHは複数回ベンチを回しているとサーマルスロットリングが発生し、動作周波数を2.3GHzまで落とし、スコアは480、消費電力は39W前後となりました。
冷却・消費電力
ベンチマーク中の消費電力はだいたい以下のようになりました。
消費電力測定はRATOC Systems「REX-BTWATTCH1」を使用しています。
Bluetooth接続でスマホでリアルタイムデータが見れるので楽です。
アイドル時 | 11.2W |
スリープ時 | 0.5W |
充電中(アイドル) | 58.0W |
充電中(OFF) | 46.0W |
CINEBENCH(S) | 32W |
CINEBENCH(M) | 83W |
最大 | 103W |
最大(Charge) | 119W |
最大値はバッテリー5%からの充電中にFF XVベンチマークを動かした時の値です。
電源アダプタ(120W)の限界まで出ています。
CPUは最高80度に達しています。
吸気口が小さく、冷却面で不安だった予想が的中しています。
前述の通り、サーマルスロットリングも発生しているので、吸気口はもっと大きくないとダメですね。
まとめ
実のところ、この「FX504GD」は型落ち品ということもあって、送料込みで64,500円という、結構な格安価格で手に入れています。
後継の「FX505GD」は、スペックは変わらず狭額縁となりましたが、11万円台後半と5万円以上の差があります。
DQ Xなどのライトゲームから、FF XIVのようなミドルクラスまでならプレイに耐えられますし、エントリーモデルのゲーミングノートとしては十分使えるので、ベゼルの太ささえ気にならなければコスパのいいモデルだと思います。
ただ、繰り返し書いているように吸気口が小さく、その分ファンの回転数を上げてつじつまを合わせようとするので、フル稼働させるとファンの音が結構うるさくなりますし、サーマルスロットリングも発生します。
吸気口を広げるなどの加工をすれば、快適性はかなり変わると思います。
あとはまぁ、赤いキーボードバックライトに慣れるかどうかですね。
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