2019年10月23日、「Orange Pi AI Stick Lite with PLAI Model Transformation Tools」を19.9ドルで発売しました。
販売サイト:aliexpress
スペック
モデル名 | Orange Pi AI Stick Lite |
メーカー | Xunlong |
発売日 | 2019/10 |
価格 | 19.9ドル |
NPU | Lightspeeur SPR2801S |
接続 | USB2.0/3.0 Type-A |
対応OS | Ubuntu 16.04 ARM Linux Android |
対応フレームワーク | Caffe Pytorch (TensorFlow) |
消費電力 | 5V 200mA |
サイズ | 66.5×20.5×10.8mm |
その他 | read:68.00 MB/s write:84.69 MB/s |
特徴
「Orange Pi AI Stick Lite」は既存のデバイスにNPUを増設する、いわゆるAIアクセラレーターにあたります。
この手のもので有名なのはIntelの「Neural Compute Stick 2」でしょうか。
「Neural Compute Stick 2」に搭載されていたのはIntelプロセッサ専用の「Movidius Myriad X」でしたが、「Orange Pi AI Stick Lite」に搭載されているのはgyrfalcon社のCNN(convolutional neural network、畳込みニューラルネットワーク)アクセラレータチップ「Lightspeeur® SPR2801S」です。
「Lightspeeur® SPR2801S」は独自の技術である2次元MPE(Matrix Processing Engine)のAPiM(AI Processing in Memory、メモリでのAI処理)機能により、高速な演算処理と低消費電力を両立しています。
演算は28000並列で稼働周波数は100MHz、性能は5.6TOPSで消費電力は600mWです。省電力モードでは300mWで2.8TOPSとなります。
説明に出てきたCNNとはなんぞやというと、ニューラルネットワークに「畳み込み」という操作を加えたもので、すごく大雑把に言うと、画像を点の集合ではなく領域の集合としてとらえた上で特徴パラメータを抽出する手法です。
特徴パラメータ(CNNでは特徴マップと呼びます)はある程度丸められた情報となっているので、対象の位置のズレに対して強くなります(移動不変性)。
わかりやすく言うと、写真のどこに人物が映っていても、人としての大雑把な特徴を持っていれば検出できる、ということです。
これは音量や周波数を特徴とすることで音声認識に使うこともできます。
細かい仕組みなどは下記サイトが分かりやすいです。
「Orange Pi AI Stick Lite」に話を戻すと、見た目は完全にUSBメモリです。
おしりの辺りなんかはシリコンパワーのUSBメモリに似ています。
ストレージは持たず、本体デバイスのストレージを利用する形になるようです。
転送速度はリード68MB/s、ライト84.69MB/sなので、できるならUSB3.0接続にしたほうが良さそうです。
対応するフレームワークはPyTorchとCaffeで、将来的にはTendorFlowにも対応する予定です。
イメージファイルやSDKなど、必要なものはだいたいダウンロードページに揃っています。
また、PytorchをベースとしたPLAI(People Learning Artificial Intelligence) training toolsが無料で用意されていますが要問い合わせとなっています。
SDKについてはチップメーカーのgyrfalconでも用意されています。
まとめ
「Orange Pi AI Stick Lite」の対応デバイスはAllwinner製SoCを搭載するOrange Piシリーズとなっていますが、別のところではLinux(x86、ARM)&Android(ARM)となっています。
価格は19.9ドルで、すでにaliexpress内の公式ショップで販売されています。実のところ、「Orange Pi AI Stick Lite」は2018年11月に「Orange Pi AI Stick 2801」という名で登場していて、中身はまったく同じです。当時は69ドルで、training toolsも149ドルとなっていました。
一気に値下げをしてきたわけですが、このくらい安ければ気軽に試せますね。
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