2019年11月8日、SBC(シングルボードコンピューター)メーカーのFriendlyElec(FriendryARM)が60mm角サイズでSoCが選べてデュアルGbEを備えた「NanoPi R1S」を発売しました。
販売サイト:FriendlyElec
スペック
model | NanoPi R1S-H3 | NanoPi R1S-H5 |
メーカー | FriendlyElec | |
発売日 | 2019/11 | |
価格 | 19.99ドル | 22.99ドル |
価格(日本円) | ||
CPU | Allwinner H3 (4コア) (A7 x4) | AllWinner H5 (4コア) (A53 x4) |
GPU | Mali-400 MP2 | Mali-450 |
NPU | – | |
メモリー | 512MB DDR3 | |
サポートOS | Ubuntu Core OpenWrt Armbian | |
有線LAN | 1GbE x 2 | |
Wi-fi | 802.11b/g/n | |
Bluetooth | ||
チップ | RTL8153B RTL8211E | |
ストレージ | microSD(〜128GB) | |
USB | 2.0 x 1 2.0 x 1(micro) | |
GPIO | × | |
映像 | × | |
カメラ | × | |
オーディオジャック | × | |
その他インターフェース | serial(pin) | |
消費電力 | ||
電源 | microUSB DC 5V/2A | |
幅 | 55.6mm | |
奥行き | 52mm | |
高さ | ||
その他 | 76.38g1(ケース込) ケース:60×60×29.5mm |
特徴
「NanoPi R1S」の第1の特徴は、SoCが選べるという点でしょう。SoCが選べるって地味になかった気がします。
基板構成は同じながら、Cortex-A7アーキテクチャのAllwinner H3か、Cortex-A53アーキテクチャのAllwinner H5が選べます。
「H3」と「H5」は比較的近い構造で、ピンマップも変わらないので代替ができるようです。
ブロックダイアグラムで見ても、内容が近いことが分かります(上がH3、下がH5です)。
「NanoPi R1S」はタイトル画像にもあるように、ケース付きとなります。
ケース外観から見たインターフェースです。
USBが一つとmicroSD、デュアルLANポート、電源兼microUSB、リセットボタンがアクセスできる全てです。
ちなみに底面はこんな感じになっています。4つ脚がジタバタしているみたいでなんだか可愛いですね。側面に顔でも描くといいかもしれません。
デュアルLANポートは第2の特徴で、前世代にあたる「NanoPi R1」では1GbE+100MbEでしたが、「NanoPi R1S」ではデュアル1GbEになりました。
とはいっても、片方は「Raspberry Pi 3 Model B+」と同じくUSB2.0からの変換なので、フルスピードは出ません。
具体的な実測値です。中身が多少違うのか、「H3」と「H5」では「H5」の方が数値が高くなっています。
WANポートでは900Mbps以上ですが、LANポートでは330Mbps程度になっています。
とはいえ、100MbEよりは遥かに速いので、使いみちは十分に広がったと言えます。
内部インターフェースです。
画像は「H3」のものですが、「H5」もSoC以外はまったく同じです。
ブロックダイアグラム図ではUSB2.0 Type-Aが2ポートあるのですが、1ポートはどこにいったんだろう…
「NanoPi R1」では裏側にSoCが配置されていましたが、「NanoPi R1S」では表側に来ています。
これにもちゃんと理由があります。
ヒートシンクをつけたところです。
「NanoPi R1S」は幅をわずかに増やし、インターフェース配置を整理したことで、比較的大型のヒートシンクを取り付けることができます。
そのため、「NanoPi R1」のように金属ケースをヒートシンクの一部とする必要がなくなりました。
「NanoPi R1」だとこんな感じになっていました。
インターフェースが左右に分散しており、表側にヒートシンクを置くスペースがないことが分かります。
高さを出さないようにするには、ケース自体をヒートシンクとする必要があったわけです。
金属ケースが必要なくなったことで、プラスチックケースとなり、アンテナを外出しする必要がなくなって、外観もすっきりとしています(ただ、内部でどのようになっているのかは不明です・・・)。
また、ケース代のコストがぐっと下がったことで、価格も大幅に下がっています。
その代わり、SoCが表側にきたことで、eMMCを置くスペースがなくなり、メモリチップも2つ置けないので1GB RAMの選択肢がなくなりました。
メモリとeMMCは裏に置いたらダメだったんだろうか…
まとめ
「NanoPi R1」の価格はケース込みで29ドル(1GB RAM版は39ドル)でしたが、「NanoPi R1S」はぐっと下がって19.99ドル(約2,200円)となりました。「H5」に変更してもプラス3ドルと非常に良心的です。
今後の「NanoPi R1」ですが、「NanoPi R1」はメモリを必要とする処理向け、「NanoPi R1S」はネットワーク帯域を必要とする処理、演算能力を必要とする処理向けとうまく住み分けができているので、併売が続くと思われます。
あとは、アルミケースが格好いいという人も「NanoPi R1」ですね。
なんにせよ、遊べそうなSBCが増えることは歓迎すべきことですね。
関連リンク
NanoPi R1S:FriendryELEC(販売ページ)
NanoPi R1S-H3:FriendryARM Wiki
NanoPi R1S-H5:FriendryARM Wiki
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