よりルーターらしく。Globalscale「ESPRESSObin Ultra」はM.2 SSD内蔵可能な無線ルーター型SBC

シングルボード

2019年12月20日、GlobalScale TechnologiesからM.2 SSDを内蔵可能な5ポート無線ルーター型SBC「ESPRESSObin Ultra」が登場しました。
現在は予約受付段階で、発送は2020年3月となっています。

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スペック

※参考として「ESPRESSObin」のスペックを併記しています。

モデル名ESPRESSOBin UltraESPRESSOBin v5 Board
メーカーGlobalscale Technologies Inc.
発売日2020/032016/10
価格159ドル49ドル(1GB)
79ドル(2GB)
価格(日本円)
CPUMarvell Armada 3720(2コア)
(1.2GHz A53 x 2)
Marvell Armada 3700LP(2コア)
(1.0GHz A53 x 2)
GPU×
NPU×
メモリー1〜2GB DDR41〜2GB DDR3
サポートOSOpenWrt
Ubuntu Core
Arch Linux(ARM版)
debian
yockt
有線LAN1GbE(LAN) x 4
1GbE(WAN) x 1(PoE対応)
1GbE(LAN) x 2
1GbE(WAN) x 1
Wi-fi802.11ac×
Bluetooth4.2×
チップTopaz 6341 Networking Switch
ATECC608A
AW-CM276NF
Topaz Networking Switch
ストレージ8GB eMMC
M.2 B-Key(2280) x 1
SATA3.0 x 1
microSD
eMMC5.1(パターンのみ)
USB3.0 x 1
2.0 x 1
3.0 x 1
2.0 x 1
GPIO×46pin x 2
映像×
カメラ×
オーディオジャック×
その他インターフェースminiPCIe
UART(microUSB)
nanoSIMスロット
JTAG(10pin)
miniPCIe
消費電力1W(1GHz駆動時)
電源DC 12V
PoE
DC 12V
microUSB
185mm
奥行き112mm
高さ35mm
その他重量:635g

特徴

Globalscale Technologiesでは2016年10月に3ポートの「ESPRESSObin」を発売しています。
「ESPRESSObin」は2018年9月にマイナーチェンジバージョンの「ESPRESSObin v7」が登場していますが、がじぇっとりっぷでは未紹介です。

SBC(シングルボードコンピューター)の変わり種。ネットワーク機能重視なGlobalscale Technologies社の「ESPRESSOBin」を紹介します。

今回紹介する「ESPRESSObin Ultra」は、「ESPRESSObin」の姉妹品とでも呼ぶべきものです。

SoCは、表記の仕方が違いますが、「ESPRESSObin」と同じものと思われます。
調べてみると、Marvell Armada 3700シリーズの2コアモデルのモデルナンバーが88F3720で、ここからArmada 3720と書かれたりするようです。

ブロックダイアログを見れば分かりますが、このSoCは2.5GbE x2を持っており、内部的にも5Gbpsまで処理が可能になっています。
で、スイッチハブチップのMarvell 88E6341のブロックダイアグラムを見るとこんな感じです。

“4 GE PHY”とあるのが4ポートLANで、”2.5Gbps/1Gbps Serdes/SGMII”とある方がWANポートとなります。
ところが、「ESPRESSObin Ultra」のブロックダイアグラム図を見ると、SGMIIの下にGbE PHYを置いているので、WANポートも1GbEとなってしまっています。正直、もったいないなぁと。

ブロックダイアグラム図から、Wi-fiはAzurewave「AW-CM276NF」を使用していることが分かります。
調べた範囲ではモジュール単体では技適認証を通過しているようです。

参考:Certification documents for Azurewave AW-CM276NF Wi-Fi / Bluetooth module
技適認証番号:020-170034

1 .電源スイッチ
2 .ブートモードセレクタ
3 .ボタン電池(CR3032)
4 .10pin JTAG
5 .LED(黄)
6 .LED(赤)
7 .LED(緑)
8 .LED(青)
9 .LED(緑、M.2 SSDアクセス)
10.Wi-fiモジュール
11.Wi-fi/BTアンテナ
12.Wi-fiアンテナ
13.M.2 SSD(SATA)コネクタ
14.LED(緑、SIM)
15.miniPCIeコネクタ(LTE用)
16.USB2.0ハブ
17.メモリ(オプション)
18.USB3.0
19.nanoSIMスロット
20.USB2.0
21.1GbE LANポート
22.1GbE LANポート
23.1GbE LANポート
24.1GbE LANポート
25.GbEスイッチ
26.1GbE WANポート(PoE対応)
27.DCジャック
28.PoEモジュール

基板の表側です。
M.2スロットは主流のKey-Mではなく、SATA用のKey-Bである点に注意が必要です。

WANポートはPoEに対応しており、LANケーブル経由で最大30Wまでの給電に対応しています。
インターフェースにはnanoSIMスロットが用意されており、モバイルルーター的な使い方もできるようです。
日本では光回線が張り巡らされているのでそこまで恩恵はないでしょうが、海外の有線回線が届いていない地域などでは重宝しそうです。

1 .メモリ(1GB)
2 .8GB eMMC
3 .1.2V(メモリ用、5th)
4 .1.1V(CPU用、7th)
5 .1.8V(3rd)
6 .12V PoE出力
7 .12V(1st)
8 .5V(1st)
9 .3.3V(2nd)
10.12V DC入力
11.GbE LANチップ
12.1.5V(4th)
13.1.15V(6th)
14.リセットスイッチ
15.MRn
16.microUSB(UART)
17.4MB SPI ROM
18.UART to USBブリッジ
19.Marbell A3720 SoC

裏側にはSoCとメモリ、降圧コンバーターが配置されています。
12Vから5V、3V、1.8V…1.1Vと7段階に降圧され、各チップに給電されています。ここまで記載されているのも珍しいですね。

ケースに入れるとこんな感じです。

オプションで、DIN規格のレールマウンタが用意されています。

OSについてはまだ用意されていませんが、Linux kernel 4.9に対応しています。クイックスタートガイドではUbuntu18.04をインストールしていました。
microSDがなくなった結果、microUSB経由でシリアル接続する必要があるようです。

まとめ

「ESPRESSObin Ultra」の価格は本体のみで159ドル(約17,400円)、DINマウント付きで+10ドルとなっています。2GBメモリ版はまだラインナップされていません。
「ESPRESSObin」が49ドル(v7は69ドル)からだったことを考えると、ケース込みとは言えちょっと高く感じますね。

オプション項目を見ると今後PoEモジュールの有無やケース有無などのオプションが追加されるようなので、実販売開始まで待ってみるのも手でしょう。

素でnanoSIMスロットを搭載していたり、SATA限定ながらM.2スロットを備えていたりと市販品にはない特徴を持っているので、モバイル−有線/Wi-fiルーター兼NASとして使ってみるのも面白いかもしれません。

関連リンク

エレコム 11ax(Wi-Fi 6)対応 WRC-X3000GS
エレコム

製品ページ:GlobalScale Technologies
ESPRESSObin ULTRA- Quick Start Guide -Rev 02

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