シリーズ化したのか… Hardkernel「ODROID-GO Advance」は16bit/32bit用

シングルボード

2019年12月27日、韓国のSBCメーカーであるHardkernel社はRockchip RK3326と3.5インチディスプレイを搭載した「ODROID-GO Advance」を発表しました。
発売は2020年1月末となっています。

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スペック

※比較として「ODROID-GO」のスペックを併記します。

モデル名ODROID-GO AdvanceODROIDD-GO
メーカーhardkernel
発売日2020/012019/07
販売価格55ドル32ドル
CPURockchip RK3326(4コア)
(1.3GHz A35 x 4)
ESP32
(80-240MHz)
GPUMali-G31 MP2-(ESP32内蔵)
OSUbuntu 18.04
メモリ1GB DDR3-1333-(ESP32内蔵)
ストレージmicroSD
Wi-fi802.11b/g/n
ディスプレイ3.5インチ 480×3202.4インチ 320×240
オーディオ0.5W(モノラル)
イヤホンジャック
0.5W(モノラル)
バッテリー3000mAh / 3.7V1200mAh / 3.7V
ボタン13(F1〜F6、ABXY、R1L1)
十字キー、ジョイスティック
6(SW1〜SW4、AB)
十字キー
インターフェースUSB2.0 x 1
10pin GPIO
microUSB x 1
10pin GPIO
消費電力250〜350mA100〜115mA
稼働時間10Hr10Hr
充電1500mA500mA
サイズ155×72×20mm76×121×16mm
重量170g

パッケージ

A.USB電源ケーブル
B.ケース(前側)
C.ケース(後側)
D.L/Rトリガー, X/Y/電源ボタン
E.十字キー, A/Bボタン
F.ODROID-GO-Advance 基板
G.3000mAh バッテリー
H.LCD枠
I.F1〜F6ボタンボム
J.十字キーゴム
K.A/B/X/Yボタンゴム
L.バッテリーステッカー
M.ジョイスティック
N.320×480 TFT LCD
O.0.5W スピーカー
P.1.7×5ネジ(7個)
Q.1.7×8ネジ(4個)
R.ドライバー

A.PMIC(rk817)
B.十字キー
C.F1〜F6ボタン
D.A/B/X/Yボタン

A.CPU : RockChip RK3326
GPU : Mali-G31 Dvalin
B.1GB DDR3Lメモリ
C.SPI Flash(16Mbytes Boot)
D.microSDスロット(UHS-1対応)
E.SDカードbootボタン(without spirom)
F.UART port(But not mounted default)
G.スピーカーコネクタ
H.バッテリーコネクタ
I.USB 2.0 type-A Host
J.ステータスLED(充電、alive、電源)
K.DC電源ジャック
L.10pin GPIO
M.オーディオジャック
N.LCDコネクタ
O.電源スイッチ
P.ジョイスティックコネクタ
Q.トリガー(Left)
R.トリガー(Right)

特徴

Hardkernel社は2019年6月に10週年記念モデルとして「ODROID-GO」を発表していますが、「ODROID-GO Advance」はその次のモデルとなります。

Hardkernel社のODROIDシリーズ10週年モデル「ODROID-GO」はゲームボーイライクな組み立てポータブルゲームキット

「ODROID-GO」では省電力マイコンのESP32を使っており、8bitゲームのエミュレーションができましたが、「ODROID-GO Advance」ではクアッドコアのRK3326と大幅なパワーアップを果たし、16bit/32bitゲームのエミュレーションにも対応し、以下のゲームエミュレーターが動作します。

・atari2600
・atari5200
・atari7800
・atarilynx
・ゲームギア
・ゲームボーイ
・ゲームボーイカラー
・ゲームボーイAdvance
・セガ・マスターシステム
・メガドライブ
・メガCD
・PCエンジン
・PCエンジンCD
・ファミコン
・スーパーファミコン
・PSP
・PlayStation1

ゲームエミュレーターそのものに違法性はありませんが、ROMの入手法によっては著作権を侵害する恐れがあります。
当ブログは違法行為を推奨するものではありません。ROMは著作権を侵害しない方法で入手してください。

スペックをみると、CPUに2018年発表のRK3326を採用しています。RK3326はARMv8世代のCortex-A35を4コア搭載しています。

Cortex-A35は2015年に発表されたローエンド向け64bitアーキテクチャで、電力効率に重点が置かれています。

GPUはMali-G31で、こちらは2018年に発表されたエントリー向けの電力効率重視GPUです。
前世代と比較して性能も向上していますが、OpenGL ES 3.2とVulkan 1.0(どちらもクロスプラットフォームなグラフィックスAPIのこと)を新たにサポートしたことが大きなトピックとなっています。

メモリは1GBで、内蔵ストレージはなし。microSDスロットを持っています。
ディスプレイは3.5インチの480×320TFTディスプレイ(型番はILI9488)を備えています。

Wi-fiは、ありません。USB Wi-fiを使う必要があります。
これは大きな欠点だなぁと思います。Wi-fiがあればエミュレーターとして以外の用途も広がったので残念です。

外観は、某アドバンスより、ゲームウォッチみたいな長方形です。
ディスプレイ下部に並んだ6個のボタンが特徴的です。

上部にはGPIOピンとオーディオジャック、USB2.0端子が並んでいます。

背面にはバッテリーが透けており、microSDスロットとmicroSDブートボタンがあります。
パッケージにも入っていませんでしたが、CPUにヒートシンクのたぐいは付いていません。
画像からすると内部スペースには僅かに余裕がありそうなので、背の低いヒートシンクをつけたら安定性が増すかもしれませんね。

OSはUbuntu 18.04ベースで、UIは「EmulationStation」を採用しています。
Youtubeの公式アカウントで動作の様子がアップされているので掲載しておきます。

解像度は480×320なのですが、思ったよりも綺麗ですね。

「ODROID-GO」では”Arduinoの使い方を学ぶ12日間のプログラム”が用意されていて、教育用という建前がありましたが、「ODROID-GO Advance」はそれすらもありません。

キーの数が多く、USBポートがあることなど、「ODROID-GO」に比べて優位点が多く、やりようによっては簡易検査キットの母艦とかにも使えたのでしょうが、Wi-fiにUSBを取られると汎用性が下がってしまうので微妙です。

まとめ

「ODROID-GO Advance」の価格は55ドルです。
ケースとバッテリー、コントローラーの付いたローエンドSBCとしてみれば悪くないでしょう。

ゲームエミュレーター機としてみた場合、PS1まで対応するものは最近では960×480が主流で、1280×800を搭載するものもあります。
ゲーム機の実解像度はPS1でも最大で640×480なのでオーバースペックなのですが、こういった機種ではアップコンバートして高画質化しています。

「ODROID-GO Advance」の実動作画面は結構綺麗でしたが、本気でゲームエミュレーター機として出すなら、960×480以上くらいにしないとCPU・GPU性能を活かすことはできないでしょう。
CPUは高性能ですが480×320どまりの「ODROID-GO Advance」は、ゲームエミュレーター機としては最近のものに劣るという、ちぐはぐなものになっているわけです。

まぁそもそも、SBCメーカーがエミュレーターに手を出すなって話なのですが、本当、なんで手を出したんだろう…

関連リンク

ODROID-GO Advance:Hardkernel
ODROID-GO Advance:ODROID wiki
リリースノート:ODROID forum

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