一般販売して欲しい。 kontron「KBox B-202-CFL」は2スロットPCIe付きのMini-ITXベアボーン

PC

2020年2月13日、ドイツの組み込み向けコンピューター製造のkontronが、PCIeを2スロット備えたMini-ITXベアボーンPC「KBox B-202-CFL」を発表しました。
「KBox B-202-CFL」は仕様によってSmartとValueの2モデルに分かれています。

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スペック

メーカーkontron
型番KBox B-202-CFL(Smart)KBox B-202-CFL(Value)
190mm
奥行き190mm
高さ120mm
容量4.33L
CPUCore i7-9700E
Core i5-9500E
Core i3-9100E
Core i7-8700
Core i5-8500
Core i3-8100
TDP65W
チップセットQ370H310
メモリインターフェイスSO-DIMM DDR4-2666
メモリスロット2
メモリ最大32GB
ECC対応×
ストレージ×
SATAポート数3
M.2Key M(2280,PCIe x4) x 1Key M(2280,PCIe2.0 x2) x 1
mSATA×
USB2.0(内部)×
USB2.0(外部)Rear x 4Rear x 3
USB3.0(内部)×
USB3.0(外部)Front x 2(Gen1)
Rear x 2(Gen2)
Rear x 2(Gen1)
Front x 2(Gen1)
Rear x 2(Gen1)
USB type-C×
SDカード×
LAN1GbE x 2
Intel i219LM & i210AT
Wi-fimPCIe x 1
Bluetooth
D-Sub×
DVIRear x 1
HDMI×
4K対応×
DisplayPortRear x 2(1.2)Rear x 1(1.2)
シリアルポートRear x 1
S/PDIF×
オーディオジャックRear x 2(in/out)
サウンドチップRealtek RTL671
光学ドライブ×
PCI-EスロットPCIe x16 x 1
or PCIe x8 x 2
PCIe x16 x1
eSATA×
赤外線×
Optaneメモリ対応×
最大消費電力
電源150W
ノイズレベル34dB
VESA
付属品
その他PS/2
M.2 x2 to SATA
RAIDアダプタ
PS/2

特徴

「KBox B-202-CFL」は、190×190×120mmとコンパクトながら、フルサイズのPCIeスロットを2スロット持っています。
どんな感じかというのは、下の画像を見れば一発でしょう。

ライザーケーブルで回しているのか、最初からそう設計したのかは分かりませんが、マザーボードの裏側にPCIeスロットが来ています。
この構造、コンパクトPCにロマンを感じる人なら一度は妄想したことがあるんじゃないでしょうか。

こちらはValueモデルですが、いろいろ端折られています。

モデルの差はチップセットにあり、SmartモデルはQ370、ValueモデルはH310となっています。
これにより、SmartモデルではPCIeはx16か、x8+x8を選択できますが、Valueモデルはx16のみとなります。

PCIeスロットは、サイドパネルの一部が開くようになっていて、アクセス性は良さそうです。
搭載可能なカード長については記載がありませんでしたが、筐体サイズが190mmなので、小型のものに限られそうです。

スペックについて、CPUはTDP 65Wの第8世代、第9世代のCore i3/i5/i7を搭載します。
最上位はCore i7-9700E(8コア8スレッド)となります。日本では聞かない型番ですが、組み込み向けの省電力モデルです。

メモリは2スロットでnonECC、最大32GBとなっていますが、CPUの仕様上だと128GBまでいけるはずです(が、nonECCでそんなメモリがまだありません)。

ストレージがちょっと変わっていて、まずオンボード上にはM.2スロットが一つあります。
このM.2スロットはSmartモデルはPCIe3.0 x4、ValueモデルはPCIe2.0 x2と、ここでも差があります。

2.5インチも最大で3台(内部2台、リムーバブル1台)搭載できるようですが、内部が狭いためにPCIeスロットと干渉し、以下のような組み合わせになってしまいます。

で、この組み合わせはオンボードのM.2 SSDとWi-fi用のminiPCIeでも発生しています。

Wi-fiと両立させたければ、2242サイズのSSDしか搭載できません。
干渉図はこんな感じですね。

話を戻してストレージですが、底面の蓋を開けて取り出せるリムーバブルベイが一つあり、Smartモデルでは2.5インチの他にM.2 to SATA変換RAIDボードが選択できます。

こんなやつです。
接続はSATAなので速度はせいぜい500MB/s程度ですが、RAIDを組めるというのは組み込み向けとしては強みの一つになります。
内部2.5インチ2台でもRAIDは組めますが、PCIeをフルに使えなくなるのが難点です。

リムーバブルベイに装着するとこんな感じです。

これがケースの底面ですが、真ん中にリムーバブルベイがあるのが分かります。

インターフェースは、前面についてはSmart/Value共通です。
背面については前述の画像の通りで、LANポートは2つ(Intel i219LM/i210AT)とシリアルポートは共通ですが、USBと映像出力は異なっています。

天面にはでっかいファンが見えています。

まとめ

PCIeスロットを備えたコンパクトPCといえば、Intelの「Ghost Canyon」があります。

グラボみたいなメインボード。 IntelのゲーミングNUC「Ghost Canyon」の分解レビューが登場

「Ghost Canyon」は238×216×96mmで、「KBox B-202-CFL」の190×190×120mmと比べてフットプリントはやや大きく、厚さは薄くなっています。
500Wの電源を内蔵する代わりに、2.5インチストレージの入るスペースはないですし、インターフェースも厳選されています。

一方で「KBox B-202-CFL」は組み込み・産業向けらしく、レガシーなインターフェースも残しつつ、コンパクトにまとめてきました。
ただ残念ながら産業向けなので価格提示がありません。

…これ、一般向けに販売したらASRockの「DeskMini」シリーズみたいにカルトな人気が出ると思うんですけどね。

関連リンク

KBox B-202-CFL:kontron
ニュースリリース:kontron

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