2020年5月1日ころ、中国のショッピングサイトbanggoodにて、Celeron N4000を搭載したスティックPC「MINISFORUM S40」が発売されました。
MINISFORUM S40:banggood
スペック
CPU | Celeron N4000 |
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メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC |
network | 802.11ac+BT5.0 |
USB | 3.0×1、2.0×1 |
映像出力 | HDMI×1、miniDP×1 |
サイズ | 133×46mm |
スティックPCについて
スティックPCと言えば国内ではドスパラが有名で、2015年4月発売の「Diginnos Stick DG-STK1」を皮切りに、現在は2019年1月発売の「Diginnos Stick DG-STK5S」まで発売されています。
スティックPCの歴史としては、2014年11月にmouseが発表した「m-Stick(MS-NH1)」が多分最初になります。
当時はGoogleが「Chromecast」を発売、Androidスティックが様々に発売されていた時期で、それをWindowsでやってみたというのが「m-Stick(MS-NH1)」でした。
参考:あなたなら何に使う? マウスが放つ新ジャンル“スティックPC”~内部構造やベンチマークを公開:PC Watch
これに乗っかってきたのがIntelで、翌年の2015年1月のCES 2015で「Intel Compute Stick」を発表、2015年6月に発売しました。
このころはユニットコムが「Picoretta」を、ASUSは「ASUS Pen Stick」を発売するなど、各社が続々と発売しまくっていた時代です。
大手メーカーではLenovoが「ideacentre Stick 300」を2015年7月に発売していました。
CPUには当初はAtom Z3775Fが良く使われ、Cherry Trail発表後はAtom x5-Z8300/Z8350の全盛期となります。
ところが2016年4月、IntelはCherry Trail後継の開発中止を発表、2016年9月にはApollo LakeでCeleron/Pentiumに一本化されました。
参考:Atomに見切りを付けたIntel 安価なWindowsタブレットは存続の危機か? (1/2):ITmedia
しかし、Apollo LakeベースのスティックPCというものはほとんど発売されず、スティックPCブームはCherry Trailの終息に合わせて終焉を迎えることとなりました。
以降の新機種はほとんどなく、2017年12月にGemini Lakeが発表されても搭載するスティックPCはなかなか現れず、流通するのはいまだにAtom x5-Z8350搭載機ばかり。前述の「DG-STK5S」が唯一といっていいGemini Lake搭載スティックPCでした。
そんな状況で登場したのが、(海外製品ですが)「MINISFORUM S40」です。
特徴
「MINISFORUM S40」は「DG-STK5S」と同様に、Gemini Lake世代のCeleron N4000を搭載しています。
Celeron N4000は2コア2スレッドですが、4コア4スレッドなAtom x5-Z8350と比べても性能は1.5倍以上となっています。特にシングルスレッドは2倍以上なので、体感的にはかなり早くなります。
一つ上位のCeleron N4100(4コア4スレッド)は、ある程度ストレスなく操作できるであろうライン(スコア2000)を超えているので、できればCeleron N4100を搭載してほしかったところです。
Intelの「STK2M364CC」(2016年7月発売)はCore m3-6Y30搭載で、Atom機より高性能と当時は結構話題になりましたが、こうしてみると意外と性能が低いですね…
メモリは4GB、ストレージは64GBと、この辺りは普通です。
Wi-fiは802.11acですが、433Mbps止まりか、866Mbps対応かは不明です。Bluetoothが5.0なので、866Mbpsの可能性は期待できますね。
▲インターフェースです。
ここには記載されていませんが、USB3.0の反対側にも端子があります。
また、「MINISFORUM S40」にはこれまでのスティックPCにはない、miniDisplayPortが搭載されています。
▲そのため、スティックPCでありながら、デュアルディスプレイが可能となっています。
USB変換でデュアルディスプレイとかはありますが、標準で可能なスティックPCは見たことがないので、これだけでも売りになりそうです。
▲背面と冷却構造です。
背面にはメッシュが2か所あり、それぞれが吸気口と排気口になっています。
この図だとUSB端子が左右両側についているのが分かりますね。
…仕様だとUSB3.0+USB2.0となっているのですが、この画像だと両面USB3.0っぽく見えます。
この辺り中国はいい加減なところがあるので、あまり期待はできませんが、もしかするとUSB3.0×2かもしれません。
また、電源端子はType-C端子となっているようです。
仕様では12V給電となっているので、Quick ChargeかUSB PDに対応したアダプタが必要になると思われます。
まとめ
「MINISFORUM S40」の価格はbanggoodで、記事執筆時点で20,605円(送料666円)となっています。
「MINISFORUM S40」は何気にOSがWindows 10 Proなので、実は割安といえます。
性能的にも悪くないし、本体のみではありますが、ドンキの「NANOTE」よりは使えるかなぁと。
2画面のサイネージとか、受付の順番表示とか、大きな処理はせず表示ができればいいという用途にはぴったりだと思います。
なお、購入するときは電源プラグを”US”に変更することを忘れないよう、注意してください。
関連リンク
MINISFORUM S40:banggood
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