【レビュー】 DELL「Vostro 15 3582」(Celeron N4000)は遅いけど使いようはありそう

PC

がじぇっとりっぷではエントリークラスのPCを紹介する際に、Celeron N4000をある程度ストレスなく使えるレベル以下(Passmarkのマルチスコアが2000以下)に分類していますが、実のところ同程度のスコアのCPUからの経験則であって、実際にN4000搭載機を扱ってはいませんでした。

そのため、一度は触っておかないといけないなぁと思っていたところ、DELLの法人向けノート「Vostro 15 3582」の安売りがあったため、購入してみました。

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なお、現在は販売終了となっており、販売ページすら残っていません。
後継(?)の「New Vostro 15 3000(3591)」は最低でもCore i3-1005G1となっています。

また今回、レビューは2回に分けています。

【レビュー】 DELL「Vostro 15 3582」を増強したら何とか使えるレベルになりました
先日、Celeron N4000を搭載した DELL「Vostro 15 3582」のレビューを行ったわけですが、ベンチマークは完了するものの、HDDゆえに読み込みに時間がかかるは、メモリ4GBゆえにすぐにあふれてしまい、ページプールがスワ
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DELL Vostro 15 3582


CPU Celeron N4000
メモリ 4GB DDR4
ストレージ 1TB HDD
wi-fi 802.11ac+BT4.2
画面 15.6インチ HD(1366×768)
サイズ 380×258×20.66mm
重さ 1.9kg

GoodPoint
実はファンレス
低消費電力
有線LANあり

BadPoint
絶対性能の低さ
本体が大きい
ディスプレイがHD

詳細スペックを見る
メーカー DELL
名称 Vostro 15 3582
発売日 2019/01
定価 41,800円〜
実売価格 19,800円〜
価格条件 22,000円引き
CPU Celeron N4100
グラフィック UHD 600
メモリ 4GB
メモリ規格 DDR4-2666
メモリ増設 最大8GB
2.5inch 1TB HDD(7mm)
M.2 2280(SATA) x 1
画面 15.6インチ TN
60Hz 400nit
解像度 1366×768
ベゼル幅 16mm前後
表面
タッチ対応 ×
光学ドライブ DVD±RW
USB2.0 1
USB3.0 2(Gen1)
USB3 type-c
USB PD ×
HDMI 1.4b
LANポート 1GbE
wi-fi 812.11ac(1×1)
Qualcom QCA9377
Bluetooth 4.1
office
カードリーダー microSDXC
Webカメラ 92万画素(720p)
赤外線カメラ ×
NFC ×
指紋センサー
Windows Hello
オーディオジャック
マイク モノラル
スピーカー 2W(ステレオ)
スピーカー位置 底面前
サウンド Waves MaxxAudio Pro
キーピッチ 19mm
キーストローク
キーボードバックライト ×
バッテリー 42WHr
稼働時間
ACアダプタ 45W
充電時間 4Hr
急速充電 2Hr(65W時)
380mm
奥行き 258mm
高さ 20.66mm
重量 1.99kg
開口角度
カラー ブラック&アイスグレー
その他特徴 防滴キーボード

後継のVostro 15 3591 を見る

外観

▲パッケージはシンプルで、本体と電源アダプタ、マニュアルのみです。

本体に比べ、電源アダプタが小さめであることが分かります。

▲電源アダプタは45Wです。

電圧は19.5Vで、電源ケーブルはミッキー型の3ピンです。
本体側はバレルジャックで特殊なものではないので、互換品を探すのは難しくないでしょう。

▲左右のインターフェースです。

右側は光学ドライブが半分ほどのスペースを使用しています。光学ドライブがあるため、全体的にぼてっとした厚みがあります。
USBは右側がUSB2.0、左側がUSB3.0です。
法人向けノートであるので、LANポートとHDMIを備えています。

▲正面から見るとベゼルがかなり太いです。

この辺りは価格なりと割り切る必要がありますね。

▲そのベゼル幅は約16mmでした。

また、ベゼル端から2mmほど、液晶のふちがあります。

▲ディスプレイはノングレアとなっています。

映り込みが少ないため目が疲れにくく、長時間の作業に向いています。

▲ディスプレイ上部のカメラです。

マイクらしき穴が一つしかないので、モノラル音声なのだと思います。

▲キーボードはテンキーありタイプです。

スペースキー回りやエンターキー回りは英字配列と共通化されているようで、キー同士がくっついています。
とはいえ、極端に小さなキーになっているわけでもなく、配列自体は素直です。

▲キーピッチは19mmでした。

▲パームレスト部はカーボンっぽい模様が刻まれていますが、さすがにプラスチックと思われます。

フラットでないため手のひらの離れは良いのですが、指紋というか手の脂がちょっと目立ちます…

▲ヒンジ部には排気口が見られます。

が、これは部材の共通化によるもののようで、後日公開の分解・換装記事で詳述しますが、「Vostro 3582」自体はファンレスでした。

▲ブランドロゴは底面にありました。

手前側(上辺)の左右にスピーカーホールがきています。
吸気口にあたるスリットは小さめで、この筐体を使ったモデルは総じて低発熱(=低処理性能)であることが分かります。

システム

▲起動前にBIOSの確認です。

CPUはCeleron、メモリが4GBであることの他に、電源アダプタが45Wであることやキーボードバックライトなしであることなど、思ったより情報が多いですね。
あと、M.2 SSDスロットがあることも示唆されています。

▲こちらも起動前の恒例の「Macrium Refrect Free」によるバックアップです。

必要容量は33.54GBでした。
リカバリイメージの10.29GBを抜いてもCドライブだけで21.39GBあるので、プリインストールアプリが多そうです。

▲初期設定をサクッと終了して、デスクトップ画面です。

なお、ネットワークに接続すると、ローカルアカウントでのセットアップができなくなります。

参考:Windows 10の初期化時にMicrosoftアカウントでの強制サインインを回避する方法 (ローカルアカウントを作成する方法) :こまめブログ

デスクトップ画面自体はすごくシンプルです。

▲タスクマネージャーで見るメモリも起動直後の使用量は1.5GBでした。

これまでのレビューでは1.7GB前後が多かったのでちょっと少ないですね。

▲同じくタスクマネージャーでスタートアップを見たら、予想通りあれこれ登録されていました。

▲システム情報とストレージ情報です。

▲ついでにCPU-Zの情報も。

▲デバイスマネージャーからの抜粋です。

DVDドライブのメーカーはPLDS(PHILIPS & LITE-ON DIGITAL SOLUTIONS)となっています。

PLDSはオランダのフィリップスと台湾のベンキューが設立した合弁会社PBDS(Philips BenQ Digital Storage)の、ベンキュー分の株式をLITE-ONが買収する形で誕生した企業で、LITE-ONの光学ドライブ部門が移譲されています。

Wi-fiはQalcomm QCA9377で、802.11acに対応しているものの、最大通信速度は433Mbps止まりとなっています。

▲ストレージは東芝の1TB HDDでした。

▲CrystalDiskMarkでは、シーケンシャルはそこそこ出ていますが、ランダムリード/ライトはHDDだなぁと。

▲最後にバッテリー情報です。

設計容量は41,998mWhとなっていますが、実際に満容量まで充電すると105%になるという、不思議仕様です。

ちょっと使ってみた

ディスプレイ

ディスプレイはTNパネルで、正面から見る分には問題ありませんが、ちょっとした角度変化でも色合いが変わります。

特に上下は変化が強く出ます。

▲同じ設定で撮影したものですが、上下だと薄く、左右だと濃くなりました。

キーボード

キータッチはやや固い印象で、カチカチ感が強くなっています。Lenovoでいうと、IdeaPadよりThinkPadに近い感触です。

キーを打っているんだ!感を強く得られるので、「Vostro 3582」のキーボードを使った後にメイン機(IdeaPad 720S)に戻ると、ちょっと打鍵感が物足りなく感じます。

キーストロークもそこそこあり(1.4~1.5mm)、強く押し込んでもキーボード面より下まで下がることがないので、指先が痛くなるということもありません。

長時間使ってもそれほど疲れないでしょうが、普段静音キーボードを使っている人は打鍵音が気になるかもしれません。

スピーカー

スピーカーは底面の前側についていて、思っていた以上にしっかりと鳴っています。

音が自分の方に向かってくるので、音量を多少低めにするくらいがちょうどよく、ステレオ感もそれなりに出ています。
音量を上げすぎると高音が強く出すぎて、シャーシャー音というかシャラシャラ音というか、耳につく音になります。

一方、低音が弱くて重低音はほぼつぶれているというか出ていません。

作業用BGMを流すくらいであれば使えますが、音楽鑑賞にはちょっと厳しいですね。

用途を考えてみる

後述するベンチマーク結果を見ればわかりますが、「Vostro 3582」はハードな使い方には向いていません。
ネットサーフィンをするにしても、タブを20個も30個も開くような使い方をすればあっという間にメモリが枯渇します。

オフィスのような重いアプリも結構つらいものがあります。

そんな貧弱なノートですが、単機能特化にすればなんとかなるんじゃないかと思って考えてみました。

「Vostro 3582」は4K表示に対応しているので、何らかの監視情報を表示させるという使い方ならいけるんじゃないかなと。

4Kディスプレイに表示しているのはジョンズ・ホプキンス大学が公開している、新型コロナウィルスのリアルタイム集計マップです。
COVID-19 Dashboard by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)

表示しているのはあくまで一例で、例えば農業用ハウスの温度・湿度などセンサー情報の一覧を表示するとか、リアルタイム情報の表示には使えそうです。
単機能なのでCPUの処理も追いつけますし。

他にも企業受付用PCというのもできそうです。
受付用PCは社員のスケジュールと内線番号の確認、社内ポータルくらいしか使わないので、Celeronでもなんとかなるでしょう。

単一作業用として割り切ってしまえば、Celeron機の出番というものはまだまだありそうです。

ベンチマーク

対象アプリ一覧

PassMark 9.0
CPU-Z v17.01.64
Geekbench 4.4.2
Geekbench 5.0.1
CrystalMark 2004R7 v0.9.200.452
CINEBENCH R15.0
PCMark 10
3D Mark 2.10.6762
DQ X ベンチマーク v1.51
FF XIV 紅蓮の解放者
FF XV v1.2
MHF 大討伐 Rev2 v3.01
BBench

DQ X、FF XIV、FF XVは1280×720・標準のみ(解像度がHDのため)
BBenchは軽度(キーストローク)、強度(FF XIVループ)の2種類。メモリが少ないため、中度(キーストローク&Web巡回)は未実施

結果総覧

ある意味、予想通りの結果です。

Passmarkはシングルスレッドが1106と結構頑張っている反面、マルチスレッドが1515とあまり伸びません。
全体的なスコア的にはがじぇっとりっぷで以前レビューしたNEC「HZ100/DAS」がほぼ同レベルのスコアです。

【レビュー】 どっちも軽いよ! NEC「HZ300/DAB」と「HZ100/DAS」の性能を比較してみた
がじぇっとりっぷではブログを始めた当初にNECのHybrid Zeroシリーズの一つ「HZ100/DAS」がおすすめという記事を掲載しました。この頃は「HZ100」にBluetoothキーボードとマウス、それに小型スタンドを合わせて持ち運ん

2015~2016年頃にもてはやされたPCと同レベルには使えるわけですが、「HZ100/DAS」はOfficeを使うのが結構きつかった覚えがあるので、やっぱり事務には向かなそうです。

ゲームに関してもなかなか厳しく、解像度が640×480なレトロゲームならまだしも、1280×720以上は厳しいでしょう。

消費電力・騒音について

「Vostro 3582」はCPUのTDPが6Wと低いだけあって、消費電力も低めです。
CPUだけであれば10W前後、グラフィックまで含めても20Wまでいきません。

バッテリーが5%のところから充電しながらFF XVベンチマークを実行すると、さすがに50W近くに達しますが、言い換えればそこまでやっても50Wに届かないわけです。

状況 消費電力
アイドル時 5.3W
画面オフ時 1.8W
スリープ時 0.25W
充電中(アイドル) 39.9W
充電中(OFF) 32.5W
CINEBENCH(S) 8.7W
CINEBENCH(M) 10.2W
最大 12.1W(CPUZ)
18.7W
最大(Charge) 49.3W

騒音については、うっすら音がしていたのですが、実際のところはファンレスで、HDDのシーク音というオチでした。
ファン音のように安定した音ではないので、今回は騒音計による計測はありません。

まとめ

Celeron N4000機を使ってみた感想としては、特定の単一用途向けとしてならあり、というところでしょうか。
複数タスクをこなすとか事務仕事用であれば、予算を積み増してCore i3機やRyzen機を買った方が幸せになれます。

後継(?)の「New Vostro 15 3000(3591)」はCore i3-1005G1搭載で4万円台前半からなので、ちょうどいいですね。

また、HDDのため、アプリのロード時間が異様に長く、待ち時間はかなりストレスになります。
これはCPUが変わっても同じことになるので、さっさとSSDに入れ替えた方が賢明です。

今回はあくまでベンチマークと使用感を得る目的で購入しましたが、実使用で購入するにはちょっと厳しいですね…

メモリ増設とSSD化した検証を行った後編に続きます。

【レビュー】 DELL「Vostro 15 3582」を増強したら何とか使えるレベルになりました
先日、Celeron N4000を搭載した DELL「Vostro 15 3582」のレビューを行ったわけですが、ベンチマークは完了するものの、HDDゆえに読み込みに時間がかかるは、メモリ4GBゆえにすぐにあふれてしまい、ページプールがスワ

関連リンク

New Vostro 15 3000(3591):DELL

付録

ベンチマーク結果一覧

メーカー DELL
モデル名 Vostro 3582
CPU Celeron N4000
GPU UHD 600
メモリ 4GB
ストレージ 1TB HDD
PassMark Total 1029.4
CPU Single 1106
CPU Multi 1515.3
2D 339.1
3D 431.2
Memory 848.8
Disk 886
CPU-Z Single 203.4
Multi 403
GeekBench4 Single 1856
Multi 3242
OpenCL 7935
OpenCL(dGPU)
GeekBench5 Single 434
Multi 792
OpenCL 1514
OpenCL(dGPU)
CrystalMark Mark 89630
ALU 23307
FPU 13686
MEM 17064
HDD 17115
GDI 8970
D2D 3426
OGL 6022
CINEBENCH R15 OpenGL 18.39fps
CPU(M) 138cd
CPU(S) 74cd
CINEBENCH R20 CPU(M) 204pts
CPU(S) 140pts
PCMark ALL 1402
Essensial 3349
Productivity 2427
DigitalContent 922
3DMark TimeSpy 125
Graphics 110
CPU 601
FireStrike 375
Graphics 394
Phisics 2125
Combined 145
NightRaid 1464
Grapihics 1816
CPU 698
SkyDiver 1245
Graphic 1183
Phisics 1886
Combined 1119
CloudGate 2557
Graphics 3188
Phisics 1511
IceStorm 26198
Graphics 29481
Phisics 18852
IceStormEX 16497
Graphics 15922
Phisics 18888
IceStormUnlimited 26004
Graphics 28464
Phisics 20063
VR Mark 不可
DQ 1280・標準 2793
1920・最高
FF XIV
紅蓮
1280・標準 912
1920・最高
FF XIV
漆黒の反逆者
1280・標準 716
1920・最高
FF XV 1280・標準 439
1920・最高
MHF
大討伐
1280 1457
1920
ブラウザ jetstream2 46.171
BaseMark 227.31
WebXPRT 77
MotionMark 91.85
SpeedMeter2.0 34.3
octane 14553
bbench 軽度(キー入力) 45688(12.7Hr)
中度(web)
強度(FF XIV) 14841(4.1Hr)

ベンチマーク結果画像














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