2020年8月25日、NVIDIAは「GeForce MX450」を発表しました。
※2020年10月18日追記:デスクトップ向けの情報が混在していたので整理しなおしました。海外での販売情報を追記いたしました。
スペック
※これまでの「GeForce MX」シリーズも併記しています。
GPUコア | アーキテクチャ | メモリー | SP数 | 動作周波数 | 最大周波数 | 消費電力 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MX450(28.5W) | TU117 | Turing | GDDR6 | 896 | 1395MHz | 1575MHz | 28.5W |
MX450(25W) | TU117 | Turing | GDDR5/6 | 896 | 1395MHz | 1575MHz | 25W |
MX450(12W) | TU117 | Turing | GDDR5 | 896 | 720MHz | 930MHz | 12W |
MX350(25W) | GP107 | Pascal | GDDR5 | 640 | 1354MHz | 1468MHz | 25W |
MX350(12W) | GP107 | Pascal | GDDR5 | 640 | 746MHz | 937MHz | 12W |
MX330 | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 1531MHz | 1594MHz | 25W |
MX310 | GP108 | Pascal | GDDR5 | 256 | 1341MHz | 1379MHz | 25W |
MX250(25W) | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 1518MHz | 1582MHz | 25W |
MX250(15W) | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 937MHz | 1038MHz | 10.5W |
MX230 | GP108 | Pascal | GDDR5 | 256 | 1518MHz | 1531MHz | 25W |
MX150(25W) | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 1468MHz | 1531MHz | 25W |
MX150(10W) | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 937MHz | 1038MHz | 10W |
MX130 | GM108 | Maxwell | GDDR5 | 384 | 1122MHz | 1242MHz | 25W |
MX110 | GM108 | Maxwell | DDR3 | 256 | 963MHz | 993MHz | 10W |
※MX450の25Wと28.5Wはリーク元で同じ周波数となっています。
特徴
「GeForce MX」シリーズはNVIDIAのノートパソコン向けGPUです。これまでのGeForce MXシリーズの発表は以下のようになっています。
2017年11月:MX150/MX130/MX110
2019年02月:MX250/MX230
2020年02月:MX350/MX330
2020年08月:MX450
…だんだんローンチサイクルが早まっていますね。次は3か月後になるんじゃなかろうか。
で、GeForce MX450の特徴は以下のようになっています。
・コアアーキテクチャがTuring世代に
・PCIe4.0 x4接続
・VRAMはGDDR6にも対応
・TDPは3パターン
GeForce MXシリーズは少し世代の古いコアアーキテクチャからスタートして、駆け足で更新しています。
これまでのGeForce MXシリーズと同じコアアーキテクチャのGPUが以下。
GM108:GeForce 830M/840M
GP108:GeForce GTX 1030
GP107:GeForce GTX 1050
TU117:GeForce GTX 1650/1650Ti
GeForce MX450ではGeForce GTX 1650と同じTU117コアアーキテクチャ、つまり現行世代に追いつきました。
判明している情報をもとにGeForce MX450とGeForce GTX 1650を比較した表がこうなります。
GPUコア | アーキテクチャ | メモリー | メモリ速度 | SP数 | 動作周波数 | 最大周波数 | 消費電力 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
GTX 1650 | TU117 | Turing | 4GB GDDR5/6 | 8Gbps | 1024 | 1395MHz | 1560MHz | 50W |
MX450(28.5W) | TU117 | Turing | 2GB GDDR6 | 10Gbps | 896 | 1395MHz | 1575MHz | 28.5W |
MX450(25W) | TU117 | Turing | 2GB GDDR5/6 | 7/10Gbps | 896 | 1395MHz | 1575MHz | 25W |
MX450(12W) | TU117 | Turing | 2GB GDDR6 | 10Gbps | 896 | 720MHz | 930MHz | 12W |
GeForce MX450は画像がリークされており、スペックや性能が推し量れます。
GPU-Zの画像からはPCIe4.0 x4接続であることが分かります。メモリは2GBですね。
ただ、この画像がTDP25Wのものか、TDP28.5Wのものかが不明です。
さらに3DMark FireStrikeのグラフィックスコアを3DMark公式平均スコアと比較するとこんな感じです。
さっくりとモバイル向けのGeForce GTX 1050を超えています。
一応、リーク元での複数のベンチマークの結果では勝ったり負けたりとなるようで、完全に超えたとは言い難いようですが…
現行のエントリーゲーミング向けのGeForce GTX 1650 Max-Qにも迫っていますね。
ただし実ゲームでは専有メモリ量の違いからか、差が開くようです。
というか、MX350との差がえげつないですね…
あと地味にIntel第11世代の内蔵GPU(Xe)が強いです。内蔵GPUでGeForce MX350超えも驚異的ですね。
リーク情報の大元はこちらです。TDP28.5W版をオーバークロックして、30.5W相当にしたベンチマークなどが掲載されています。
まとめ
GeForce MX450を搭載したノートは2020年10月より順次登場となっています。
海外ではすでにHPが搭載モデル(Pavilion 14)を販売しています。
まぁ国内におけるこれまでのGeForce MXシリーズ搭載機の登場は結構遅れがちだったので、手に届く範囲で発売されるのは年明けくらいじゃないでしょうか。
GeForce MXシリーズのいいところは、GTX搭載モデルよりも安価で、ゲーミングノートのように大仰な筐体にならずに済むところです。
例えばDELL「Inspiron 13 7000」シリーズは16.5mmの薄型筐体にGeForce MXシリーズを搭載していますし(おそらくは15W版ですが)、MX330であれば厚さ16.9mmのMSIの「Modern 14-B10R」や厚さ17.9mmのLenovo「ThinkPad T14 Gen 1」があります。
上記HP「Pavilion 14」も見に行けば分かりますが厚さ17mmの薄型ノートで重量も1.4kgとまぁまぁ軽量です。
これならモバイルするに不便はありませんね。
一応、MSIの「Prestige-14-A10SC-165JP」のようにGeFOrce GTX 1650 Max-Qを搭載する薄型ノートもありますが、実売17万円弱と高額です。
GeForce MXシリーズ搭載機であれば、おおむね10万円ちょっとで購入できるものが多いです。
性能もエントリークラスのゲーミング機に追いつきそうなレベルまで来ていますし、これまでラインナップが少なかったGeForce MX搭載機が一気に増える可能性だってあります。
10万円前後の格安ゲーミングノートにするか、MX450搭載機にするか、悩む日が来るかもしれません。
関連リンク
GeForce MX450:NVIDIA
コメント
Core i7-1165G7がMX350を超えているのは変。
コメントありがとうございます。
Core i7-1165G7およびMX350のスコアは3DMarkに登録データがないため、下記サイトの「3DMark Fire Strike Standard Graphics」より引用しています。
notebookcheck.net(Core i7-1165G7)
notebookcheck.net(GeForce MX350)
また、ASCIIの実機ベンチマークでもCore i7-1165G7のFire Strike Graphicsスコアは5368となっています。
XPS13 (9310) 実機レビュー:ASCII