2021年2月16日、米AVNETのブランドEmbestは、NXP社製i.MX 8M Nanoを搭載した、ラズパイサイズのSBC「MaaXBoard Nano」を発売いたしました。
スペック
モデル名 | MaaXBoard Nano |
---|---|
メーカー | Embest |
発売日 | 2021/02 |
価格 | 80.95ドル |
価格(日本円) | |
CPU | NXP i.MX 8M Nano(4コア) (1.5GHz A53 x 4) |
GPU | |
NPU | |
メモリー | 1GB DDR4 |
サポートOS | Android 9 Linux |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11 ac |
Bluetooth | 5 |
チップ | |
ストレージ | 16GB eMMC microSD |
USB | 2.0 x 4 |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | MIPI-DSI x 1 |
カメラ | MIPI-CSI x 1 |
オーディオジャック | ○ |
その他インターフェース | mic x 4 |
消費電力 | |
電源 | 5V / 3A(Type-C) |
幅 | 85mm |
奥行き | 56mm |
高さ | |
その他 |
特徴
がじぇっとりっぷが「MaaXBoard」を紹介するのは無印の「MaaXBoard」、「MaaXBoard Mini」に次いで3機種目となります。
大雑把な話をすると、SoCが違っていて、インターフェースが一部異なっている兄弟機となります。
違いを表にすると以下のようになります。
MaaxBoard | Mini | Nano | |
---|---|---|---|
価格 | 85.95ドル | 72.5ドル | 80.95ドル |
SoC | i.MX 8M | i.MX 8M Mini | i.MX 8M Nano |
プロセッサ | 1.5GHz A53 x 4 400MHz M4F x 1 | 1.8GHz A53 x 4 400MHz M4F x 1 | 1.5GHz A53 x 4 750MHz M7F x 1 |
メモリ | 2GB | 1GB | |
ストレージ | eMMC microSD | 16GB eMMC microSD | |
USB | 3.0 x 2 | 2.0 x 4 | |
HDMI | ○ | × | |
SAI | ○ | × | |
オーディオジャック | × | ○ | |
Wi-fi | 802.11ac | ||
Bluetooth | 4.2 | 5 | |
ボタン | 3個 | 2+2個 | |
その他 | セラミックアンテナ | クアッドマイク |
無印と「Mini」は割と近いですが、「Nano」はだいぶ中身が異なっています。
メモリが1GBに減った代わりに16GB eMMCが搭載された点は大きな差ですね(無印/MiniはeMMCとmicroSDの排他利用)。
オーディオがSAIインターフェースかオーディオジャックかという違いもあります。
SoCの違いについてはNXP公式に一覧表がありました。
i.MX 8 Series Applications Processors:NXP
名前は似ていますが対応項目が結構違っていますね。
「MaaXBoard Nano」に搭載されるi.MX 8M Nanoのブロックダイアグラムは以下のようになっています。
i.MX 8Mやi.MX 8M Miniに比べてセキュリティ周りがあっさりしています。HDMIやeDPでの映像出力にも非対応なので、その辺りもありません。
その上で、「MaaXBoard Nano」のブロックダイアグラムはこのようになっています。
USBは1ポートしかないので、ハブチップを介して4ポートに増やしています。
▲ボードの表裏です。
表側の4隅にある金色のチップがオンボードマイクです。これは無印や「Mini」には搭載されていません。
ボタンは左端に二つのユーザーボタンと、真ん中ちょっと上にBoot/Selectボタンがあります。
無印と「Mini」ではユーザーボタンと電源ボタンが一列に並んでいたので分かりづらかったのが、分離したことでユーザービリティが高まっています。
一方で無印と「Mini」にあったセラミックアンテナは省略され、アンテナ端子のみになりました。
裏側にあるKingstonのチップがおそらくeMMCと思われます。
▲インターフェースです。
Type-C端子は給電専用です。
オーディオインターフェースがオーディオジャックになったことで汎用性が増しています。
▲サイズ感はこんな感じ
ラズパイなどを所有していれば分かるでしょうが、持ってない人はこのサイズ感はなかなかピンとこないんじゃないでしょうか。
まとめ
「MaaXBoard Nano」の価格は80.95ドルです。資料では”要問合せ”になっているのに、ニュースリリースにはしっかり記載されているという、ちぐはぐな状況になっています。
というか、製品ページも二つあるんですよね…
価格的には無印と「Mini」の中間ですが、SoC・メモリ・ストレージのバランスを考えるとこんなものでしょう。
汎用SBCとして見た場合、スペックの割に価格が高いので、このボードを使うときはオンボードマイクが鍵になりそうです。
AVNETについて
メーカーのAVNETはロシア人のCharles Avnetが第一次大戦後の1921年に、マンハッタンに開いたラジオ部品の店が発祥です。
今年が100周年という老舗で、特集サイトも公開されています。
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