2020年12月、HPは実売価格が税込6万円台からと安価なIntel第11世代Core CPU(コードネーム:Tiger Lake)を搭載した14インチのスタンダードモバイルノート「Pavillion 14-dv」を発売いたしました。
先日紹介した「Pavillion 13-bb」やあとに紹介する「Pavilion 15-eg」とは同時期・同価格帯の販売なので姉妹モデルになりますね。
スペック
■Pavillion 14-dv | |
CPU | Core i5-1135G7 Core i3-1115G4 |
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メモリ | 8GB DDR4-3200 |
ストレージ | 256~512GB NVMe SSD |
画面 | 14.0インチ IPS FHD |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×1 USB 3.0×2 HDMI microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 324×216×17.5mm |
重さ | 1.42kg |
特徴
「Pavillion 14-dv」は比較的価格が高くなりがちな(その代わりデザイン性の高い)HP製品にあって、割と安価に購入できる機種です。
立ち位置的にはLenovoの”5″系、DELLの”5000″系と同等と捉えていいでしょう。
搭載できるCPUはTigerLake世代のCore i5-1135G7またはCore i3-1115G4。Core i7はラインナップされていません。
メモリは8GBで規格はDDR4-3200です。仕様上は4GB×2で、スペックシートには最大16GBとありますが、国内モデルではメモリのカスタマイズはできず、8GB固定です。
公式サポートによる分解動画を見るとオンボード+1スロットになるようです。
▲公式動画から切り出したボード全体像に補正をかけたものです。
デュアルヒートパイプにデュアルファンですが、国内モデルでも同じであるかは不明です。
ストレージはCore i3モデルが256GB、Core i5モデルが512GBで、ともにM.2 SSDです。画像から分かるように2.5インチスペースもなく、デュアルストレージはできないので、容量が不足したときは換装する必要があります。
Wi-fiは802.11ax(Wi-fi 6)対応で、M.2カードなので将来的には換装も可能です。この辺りは14インチサイズになってボード面積が広がり、スペースに余裕ができた恩恵ですね。
「Pavillion 14-dv」は筐体が新設計というか新サイズで、前世代は13.3インチの「Pavilion 13-an」です。
奥行きが変わらず画面サイズが引き上げられた「Pavillion 14-dv」と、一回り小さくなった「Pavilion 13-bb」の2系統に分離したと考えれば良さそうです。
画面占有率は「Pavilion 13-bb」と同じく84.0%です。
・ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート
・USB Type-A Gen1
・microSDカードスロット
・USB Type-C Gen2 (USB PD、DisplayPort™ 1.4)
・USB Type-A Gen1
・HDMI 2.0出力端子
・電源コネクタ
インターフェースはなぜか右に偏っています。
見比べてみた感じでは13.3インチの「Pavilion 13-bb」と15.6インチの「Pavilion 15-eg」は同じ配置なので、あえて設計思想を変えてきているのでしょう。タッチパッド操作をメインとしたモバイル用途が想定じゃないかと。
でも、電源端子とUSB PD給電可能なType-C端子がどちらも右側というのはどうなんでしょうね?
キーボードと左右の縁までの間に端子を置くだけのスペースがあるので、「Pavilion 13-bb」とは違って下付きにはなっていません。
右側に電源端子があり、付属アダプタ(45W)もこの電源端子用です。バッテリーは45分で50%のファストチャージに対応しています。
Type-C端子は10Gbps通信に対応したUSB 3.2 Gen2で、前述の通りUSB PD給電にも対応しています。
最廉価の「HP 14s/15s」シリーズなどはUSB給電非対応でUSBも5Gbps(3.0相当)なので、ここはミドルクラスらしい構成ですね。
▲キーボード画像がなかったので、フロント画像で代用です。バックライトキーボードも搭載されています。
「Spectre x360 14」で初めて登場した”右一列なし”ではなく、“右一列”のあるキーボードです。”右一列なし”は多分上位モデルから採用していくのでしょう。
スピーカーもHPらしくBang & Olufsen印ですが、HPの得意とするキーボード上部ではなく、底面左右に位置しています。
▲ちょっとミドルクラスっぽいのが、リフトアップヒンジを採用している点です。
「Pavillion 14-dv」はキーボード面と天板にアルミニウム素材を採用することで剛性を担保しています。
ちなみにヒンジの開口角は135度程度のようです。
▲カラーはセラミックホワイトとSAKURAの2色。
天板のロゴはプレミアムじゃない方です。
セラミックホワイトの天板には指紋が付きにくく、引っかき傷にも強い、AED(アニオン電着塗装)加工が施されています。
また、環境保護とサステナビリティ(持続可能性)の観点から、本体の一部にオーシャンバウンド・プラスチック(海に流入する前に回収されたプラスチックごみ)が使用されています。
まとめ
「Pavillion 14-dv」の価格は、Core i3/256GBモデルが59,000円(税込64,900円)、Core i5/512GBモデルが69,000円(税込75,900円)です。これは「Pavilion 13-bb」と同じ価格です。
HPの面白いところはOfficeを後付けできることで、しかも50%オフなので、Office付きの場合はLenovoやDELLと近い価格になるんですよね。
13.3インチと14インチという近いサイズだと競合しやすいところを、違う方向性を示すことで回避する辺りはうまいなぁと思います。
メモリやWi-fiの差を考えると「Pavillion 14-dv」の方がよさそうですが、インターフェース配置は「Pavilion 13-bb」の方が好みという人が多そうですし、痛し痒しですね。
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