2021年1月14日、HPはIntel第11世代Coreプロセッサ(コードネーム:Tiger Lake)にアスペクト比16:10の14インチディスプレイを搭載したプレミアムノート「ENVY 14-eb」を発表、3か月以上たった4月下旬にようやく発売いたしました。
スペック
■HP ENVY 14-eb | |
CPU | Core i7-1165G7 |
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dCPU | GeForce GTX 1650(4GB) GeForce GTX 1650Ti(4GB) |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB~1TB NVMe SSD |
画面 | 14.0インチ IPS WUXGA |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×1 USB 3.0×2 HDMI2.0 microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 313×224×23.5mm |
重さ | 1.52kg |
特徴
HPではノートPCのランクを5段階に分け、それぞれにブランド名を付けています。
ハイエンドゲーミング:OMEN
マスターピース:Spectre
プレミアム:ENVY
スタンダード:Pavilion
エントリー:HP
ENVYは上から2番目の、他メーカーでいうところの”7(7000)”番台くらいの位置づけです。
「HP ENVY 14-eb」はHPが2020年末から始めた“日本向けカスタマイズ”第2弾です。
具体的に言うと、「HP Spectre x360 14-ea」に続いて”右一列”のない、日本向けのオリジナルキーボードを採用しています。
第11世代TigerLake搭載
搭載CPUはTigerLake世代のCore i7-1165G7のみで、下位の選択肢はありません。
最新のRyzen 5000シリーズには水をあけられていますが、同じ4コア8スレッドなRyzen 3000シリーズ比だと1.5倍くらいのスコアですし、Ryzen 4000シリーズともいい勝負となっています。
性能以外の点だと、Thunderboltに対応するのはIntel CPUだけなので、その点では優位に立っています。
dGPU搭載可能
「ENVY 14-eb」は、見た目は汎用ノートながら、なんとGeforce GTX 1650/1650Ti Max-Qを搭載することができます。
Lenovo「Yoga S740」やDELL「Inspiron 15 7000 (7501)」など、各メーカーとも見た目は普通なdGPU搭載ノートを出していますが、13インチ、14インチサイズだとGeForce MXシリーズばかりで、Geforce GTXを搭載してくるものはどれも15.6インチサイズです。
がじぇっとりっぷの知る限りでは、14インチでGeforce GTXを搭載するのは、ゲーミング向けを含めてもASUS「ROG Zephyrus G14」くらいじゃないでしょうか。
なので「ENVY 14-eb」は貴重な14インチGTX搭載ノートだったりします。
TigerLakeはグラフィックが強力なので、GeForce MX350だといらない子ですし、GeForce MX450以上でないと効果は感じにくいでしょう。
メモリはオンボードのみ
メモリは16GB DDR4-3200で、オンボード固定です。
内蔵GPUだとメモリを共有しますが、dGPUは独自にメモリを持っているので、グラフィックに負荷のかかる状況も含めて、大体のシーンでは足りると思います。
ストレージはM.2 SSD
ストレージはモデルによって異なり、dGPUなしモデルが512GB、dGPUありモデルが1TBのM.2 SSDとなります。
その他
Wi-fiは802.11ax(Wi-fi 6)対応です。
バッテリーはdGPUなしで最大15時間、dGPUありで最大12.5時間。4セルバッテリーで急速充電(30分で7時間駆動)にも対応しています。
電源アダプタはdGPUなしで90W、dGPUありで135W出力のものが付属します。
dGPUに耐えられる冷却構造と電源の出力からして、CPUはかなり高速な設定になっているものと思われます。
Webカメラは92万画素のHDカメラで物理シャッター付き。しかも操作はキーボードで行います。
また、Pavillionシリーズの時の特徴の一つだったオーシャンバウンド・プラスチック(海に流入する前に回収されたプラスチックごみ)は、アルミニウム削り出しボディなので使われていないようです(少なくとも記載はありません)。
筐体
HPに限らず、宣材画像は英語配列版をそのまま使うことが多く「ENVY 14-eb」も例に漏れないのですが、前述の通り「ENVY 14-eb」は”右一列”のない、日本向け専用のキーボードが用意されています。
幅自体は”右一列”ありと変わらないので左右が間延びしていますが、変則的なのは右Ctrlキーが指紋リーダーになっているくらいで、全キーを通して幅が狭くなっているなどの変則部分がないのは大きいです。
フロント画像です。
上位のプレミアムクラスだけあってベゼルも細く、全体も上品に仕上げられています。
ディスプレイはsRGB100%の色域を持つ14インチWUXGA(1920×1200)でタッチ対応です。アスペクト比16:10の機種も増えてきましたね。
さらに画面はCorning Gorilla Glass NBTが採用され、物理強度も十分です。タッチ対応ゆえに光沢パネルとなるのは…痛し痒しですね。
オーディオジャック
USB Type-A 5Gbps(電源オフチャージ対応)
HDMI2.0
Thunderbolt 4(PD、DisplayPort出力対応)
microSDカードスロット
USB Type-A 5Gbps(電源オフチャージ対応)
電源コネクタ
インターフェースはThundeerbolt 4/USB4を1ポート持っています。欲を言えば2ポート欲しいところですが、そもそもPCIeレーンはdGPUとの接続に使われているので、2ポートは物理的に無理なんじゃないかなぁと。
冷却面はヒンジ部からの排気のみですが、2本のヒートパイプとデュアルファン構成となっています。
背面は直線だけで構成されたプレミアムロゴ。
数あるメーカーロゴの中でも、VAIOとHPのプレミアムロゴだけは好きなんですよね(異論は認める)。
まとめ
HPってあまりぽんぽんと新機種を出さないのでなるべく紹介したいなとは思っているのですが、こんなに待たされるとは予想外でした。
もともと1月下旬発売予定だったものが2月下旬、3月下旬…と延び延びになっていたので、CPUの争奪戦とか部材の確保とかが大変だったんだろうなぁと。
そんなわけでようやく発売された「ENVY 14-eb」の価格は、dGPUなしで164,780円(税込)、dGPU(GTX 1650)ありで186,780円(同)、dGPUのアップグレード(GTX 1650→GTX 1650Ti)が+11,000円(同)となっています。送料は3,300円(同)です。
なかなかに高価ですが、替えの効かないオンリーワンな仕様を考えればさもありなんと言ったところです。
CADやRAW画像編集に耐えられるモバイルノートというややプロ向けの製品ですが、逆に言えばプロが候補に入れて検討するに値する一台と言えます。
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