2021年4月20日、LenovoはRyzen 5000シリーズを搭載し、天板にファブリックカバーを採用した13.3インチの2-in-1ノート「Yoga 650」を発売いたしました。
スペック
■Yoga 650 | |
CPU | Ryzen 7 5700U Ryzen 5 5500U |
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メモリ | 8/16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 256/512GB NVMe SSD |
画面 | 13.3インチ IPS FHD |
インターフェース | USB Type-C(Gen1)×2 USB 3.0×2オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 308×206.5×17mm |
重さ | 1.3kg |
特徴
「Yoga 650」は2020年10月にRyzen 4000モデルが発売されており、Ryzen 5000モデルは筐体そのままにCPU(AMD流に言うとAPU)だけ置き換えた、マイナーバージョンアップという位置づけになります。製品画像とか使いまわしですし。
LenovoではIdeaPadおよびYogaシリーズについては基本的に3/5/7/9と奇数番号でランク分けをしていますが、唯一の偶数番号”6″となるのが「Yoga 650」です。
最初にモデル名を見たときは偶数番号も使うのかと驚いたものですが、性能とは関係ない要素での差別化だからかなぁと。
CPUはRyzen 5000シリーズ
前述のように、「Yoga 650」に搭載されるCPUは、2021年1月に発表されたRyzen 5000シリーズで、そのうちのRyzen 5 5500UまたはRyzen 7 5700Uです。
Ryzen 5000シリーズには新アーキテクチャのZen3版と、Ryzen 4000シリーズと同じアーキテクチャのZen2版があり、Ryzen 5 5500U、Ryzen 7 5700UはZen2版になります。
アーキテクチャこそ更新されていませんが、Zen2版もSMT(Intelにおけるハイパースレッディング)に対応したことで、Ryzen 4000シリーズ比でスコアが2割ほど伸びています。
電力効率が向上したことでグラフィック面に電力を割く余裕ができたことから、グラフィック性能も向上している(この辺りは上で紹介した記事内で言及しています)ようですが、今のところ公式発表(有利なとこだけ出して不利なとこは公表しない)くらいしか指標がなく、数字で比較ができません。
メモリはオンボードのみ
メモリはRyzen 5 5500Uモデルが8GB、Ryzen 7 5700Uモデルが16GBで、オンボード固定のため増設はできません。
規格はDDR4-3200です。
Ryzenシリーズはシングルチャネルかデュアルチャネルかで大きく性能が変わるのですが、内部でどうなっているのかまでは記載がありませんでした。
ストレージはM.2 SSD
ストレージもRyzen 5 5500Uモデルが256GB、Ryzen 7 5700Uモデルが512GBで固定です。
M.2 PCIe SSDであることは明記されていますが、メーカーや性能は不明です。
最近のLenovoはUMIS(中国Union Memory(圳忆联信息系统有限公司))製SSDをよく使っている印象ですが、Western DigitalやSamsungの時もあるので、その時に安く調達できたSSDになるんでしょう。
その他
Wi-fiは802.11ax(Wi-fi 6)対応です。
バッテリーは4セルとしか記載がありませんが、Ryzen 4000版では60WHrという割と大容量のバッテリーでした。
筐体に関しては変更がなさそうなので、引き続き60WHrバッテリーが搭載されているものと思われます。
急速充電は謳われていませんが4セルで並列充電をするため、もともとの充電時間が2.5時間と短めになっており、それほど気にするポイントではないでしょう。
またCPUの電力効率が向上した結果、稼働時間はRyzen 7モデルで19.6時間から21.6時間に伸びています。
筐体
「Yoga 650」最大の売りが、この天板のファブリックカバーです。質感はデニムに近いそうで、指紋が付きにくい、持つときに滑りにくいという評価でしたが、クリーニング方法などに不安ありとされていました。
正面から見た感じは、ごく普通のモバイルノートです。左右のベゼルは心持ち太いように見えます。
アビスブルーな本体カラーはLenovoというよりASUSっぽいです。
ディスプレイは13.3インチFHDで、Ryzen 4000モデルでは輝度300nit、sRGB99~100%の広色域IPSパネルが使われていましたので、同等のものになると思われます。
タッチ対応、ペン対応で、光沢ありとなっているので、好みが分かれるところでもあります。
2.USB 3.0 (Always On)
3.電源ボタン
4.Type-C (DC-in, Power Delivery, DisplayPort)
5.USB 3.0
6.オーディオジャック
インターフェースはややおとなしめ。Type-CはUSB 3.2 Gen1のようです。せめて最大10GbpsなGen2が欲しかったところ。
右側のType-C端子はDisplayPort出力には対応しているものの、USB給電には対応していません。
キーボードはIdeaPad/Yogaタイプの、一部キーがくっついたスタイルになります。一応上位シリーズの”Yoga”だけあって、キーボードバックライトも標準装備です。
キーボード左右にはスピーカーが配置されています。にしても、13.3インチで左右スピーカーは珍しいですね。
前述のベゼルが太く見えたのは、キーボード+スピーカーの幅を確保した結果でしょうか。
ディスプレイが360度回転する2-in-1スタイルの「Yoga 650」にはペンも付属します。
4096段階の筆圧には対応していますが傾きには対応しておらず、液晶ペンタブのようにとまではいかないようです。
しかしこの画像、ペンのサイズ感が合っていない気が…
まとめ
「Yoga 650」の価格は記事執筆時点でRyzen 7モデルが100,188円、Ryzen 5モデルが80,995円、Office付きが+約2万円となっています。
一応Ryzen 4000モデルも併売されていますが、Ryzen 5モデルが79,559円からとほぼ変わらない価格なので、Ryzen 5000モデルを買った方がいいでしょう。
Lenovoは主流が14インチに移行してしまったので、13.3インチって何気にラインナップが多くないんですよね。「Yoga 650」の他は「Thinkbook 13s」「ThinkPad X13」「ThinkPad L13」「Yoga Slim 750i(13)
」「Yoga Slim 750i Carbon」「Yoga S730」くらいでしょうか。
10万円で買えるものは「Yoga 650」「Thinkbook 13」「ThinkPad L13」の3機種くらいで、しかも最安が「Yoga 650(Ryzen 4000)」なので、実質8万円が最低ラインになっています。
かつては主流だった13.3インチは、今では付加価値の一つのようになっていることが伺えますね。
「Yoga 650」は仕様的にはミドルクラスですが、ファブリックカバーによって非常にユニークというか個性的な一台になっています。
色合いもビジネス感がありませんし、見た目もカジュアル。いい意味でLenovoらしくない機種と言えます。
他社との打ち合わせが多いという方は話題の一つに使えるでしょうし、人と違ったものが欲しいという方にもおすすめです。
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