ちょっとだけスペックアップ。Radxa「Rock Pi 4 Plus」はOP1にeMMC搭載

シングルボード

2021年5月22日、深センのSBC(シングルボードコンピューター)メーカーのRadxaはRockchip OP1を搭載したSBC「Rock Pi 4 Plus Model B」(以降4B+と記載)を発売いたしました。

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スペック

■Rock Pi 4B+
SoCRockchip OP1
メモリ2/4GB DDR4-3200
ストレージ16~128GB eMMC
インターフェースUSB Type-C(3.0)×1
USB 3.0×2
USB 2.0×2
HDMI
1GbE 有線LAN
microSDXC
オーディオジャック
wi-fi802.11ac+BT5.0
サイズ85×54mm
重さ1.3kg
詳細スペックを見る
モデル名ROCK Pi 4+ Model B
メーカーradxa
発売日2021/05
価格105ドル(4GB/32GB)
価格(日本円)
CPURockchip OP1(6コア)
(2.0GHz A72 x2 + 1.4GHz A53 x4)
GPUMali-T860 MP4
NPU
メモリー2~4GB LPDDR4-3200
サポートOSTwister OS
Android 10
Ubuntu
Debian 9
有線LAN1GbE x 1
(PoE対応)
Wi-fi802.11 ac
Bluetooth5
チップAP6256
RK808-D
ストレージ16~128GB eMMC
microSD
M.2 M-key
USB3.0 x 1(Type-C)
3.0 x 2
2.0 x 2
GPIO40pin x 1
映像HDMI(2.0 4K/60Hz)
MIPI-DSI x 1
カメラMIPI-CSI x 1
オーディオジャック
その他インターフェースPoE
消費電力
電源DC9〜20V(Type-C)
85mm
奥行き54mm
高さ
その他USB PD2.0対応
QC3.0/2.0対応

特徴

「Rock Pi 4B+」は2018年11月に発表された「Rock Pi 4」のアップグレードモデルです。大きな違いはSoCの変更と、オプションだったストレージ(eMMC)が標準搭載となった点です。

「Rock Pi 4」はV1.3、V1.4、V1.6とバージョンアップを行っており、V1.6が「Rock Pi 4B+」に当たります。

「Rock Pi 4」ではWi-fiなしのType-Aと、Wi-fiありのType-Bがありましたが、「Rock Pi 4B+」はType-B(Wi-fiあり)のみの展開です。
「Rock Pi 4」シリーズとの比較は以下のようになります。

4B+4A4B4C
SoCRockchip OP1(6コア)
2.0GHz A72 x2
1.4GHz A53 x4)
Rockchip RK3399(6コア)
1.8GHz A72 x2
1.4GHz A53 x4
メモリ2~4GB
LPDDR4-3200
1~4GB
LPDDR4-3200
4GB
LPDDR4-3200
ストレージ16~128GB eMMC
microSD
eMMC(ソケット)
microSD
映像出力HDMI (2.0 4K/60Hz)
MIPI-DSI
microHDI (2.0 4K/60Hz)
miniDP (2.0 2.5K/60Hz)
MIPI-DSI
Wi-fi802.11ac802.11ac
電源9~12V
USB PD/QC3.0対応
9~20V
USB PD/QC3.0対応

SoCはRockchip OP1

「Rock Pi 4B+」のSoC(System on Chip)は、「Rock Pi 4」のRockchip RK3399からOP1に変更されています。とはいっても大きな違いではなかったりします。

OP1はChromebook向けに最適化されたRK3399を示すコードネームで、RK3399とどう違うのかという詳細は明らかとなっていません。
分かっている違いと言えば、2コアあるCortex-A72の動作周波数が、1.8GHzから2GHzに引き上げられていることくらいです。

OP1は最近だとASUS「Tinker Board 2/2S」に搭載されています。

これは遊べそう。ASUS「Tinker Board 2/2S」はRK3399にWi-fiカード搭載

RK3399ベースなのでメモリ上限は4GBまで。
「Rock Pi 4B+」もメモリは2GBまたは4GBのLPDDR4-3200となっています。高速なメモリを使っているので、その分が処理速度にも影響しています。

eMMCが標準搭載

「Rock Pi 4」ではオプションとしてコネクタだけが用意されていたeMMCが、「Rock Pi 4B+」では標準搭載となりました。
容量は16GBから128GBとなっています。

eMMCにはPi Labsが手掛けているArmbin OSをベースとしたTwister OS Armbianがプリインストールされています。

Great new OS for RockPi4C, TwisterOS Armbian:radxa forum

その他

「Rock Pi 4B+」および「Rock Pi 4」はRaspberry Pi 3によく似ていますが、Raspberry Pi 3よりも多機能です。

Raspberry Pi 3が持たないインターフェースに、M.2スロットがあります。
これはOP1(RK3399)の持つPCIeインターフェースをそのまま引き出したもので、ボードの外側に向けて生えていますが、M.2 NVMe SSDなどを直接挿すことが可能です。
内部的には(SPI経由での)NVMeブートにも対応しているようです。

Wi-fiモジュールは「Rock Pi 4」から変わらずAP6256(中身はBroadcom BCM43456と思われる)で最大433Mbpsの802.11acに対応、見た限りではオンボードのセラミックアンテナ(左上の青いやつ)が使われています。

USB PDコントローラにLDR6015T、電源管理チップにRockchip RK808-Dが使われていて、USB PD 2.0(9V/2A、12V/2A)およびQC3.0(9V/2A、12V/1.5A)をサポートしています。
「Rock Pi 4」では対応していた15V/2Aおよび20V/2Aが非対応となっている点、5Vには対応していない点に注意が必要です。

外観

インターフェース配置はRaspberry Pi 3に準拠しています。
Type-Cを電源専用とすることで、OP1が持つ2ポートのUSB3.0はType-Aに割り当てられています。

また、地味にオーディオジャックが金メッキ仕様になっているんですよね。

まとめ

「Rock Pi 4B+」はメモリ/ストレージ別に4種類のエディションが用意されています。

B2E16:メモリ2GB+16GB eMMC
B4E32:メモリ4GB+32GB eMMC
B4E64:メモリ4GB+64GB eMMC
B4E128:メモリ4GB+64GB eMMC

価格は85ドルから129ドルですが、記事執筆時点で販売されているのは105ドル(約11,500円)の4GB/32GBモデルのみとなっています。
米Amazonでは94.99ドルですが送料が25.3ドルもかかります。

「Rock Pi 4B」の4GBモデルは75ドル弱、32GB eMMCが23ドル弱なので、こっちの方が安く見えますが、別途eMMC書き込みアダプタ(10ドル弱)が必要となるので、トータルではほぼ変わりません。
かなりの後発機となるのに割安感がないのはちょっとマイナスかなぁと。

Rock Pi 4B+:AliExpress
eMMC5.1 for Rock Pi 4:AliExpress
eMMC to USB 3.0:AliExpress
eMMC to microSD:AliExpress

eMMCは壊れやすいので、本体に組み込まれている安心感は大きいんですけどね。

なお、「Rock Pi 4」対応OSは多く、公式のダウンロードページにまとめられています。

関連リンク

Rock Pi 4B+:AliExpress
Rock Pi 4:radxa

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