2021年6月1日、ASUSはAMD Ryzen 5 5500Uを搭載したNUCサイズの小型ベアボーンPC「Mini PC PN51」を発売いたしました。
スペック
■Mini PC PN51 | |
CPU | Ryzen 5 5500U |
---|---|
メモリ | DDR4-3200×2 |
ストレージ | M.2 Key-M+2.5インチ |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×2 USB 3.0×2 HDMI DisplayPort microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.2 |
サイズ | 115×115×49mm |
重さ | 0.7kg |
特徴
「Mini PC PN51」はがじぇっとりっぷでもレビューした「Mini PC PN50」の後継に当たる機種です。
外観を見る限りでは、筐体は同じもののようですし、スペックから見てもボードも同じものが使われているっぽいです。
CPU
前世代の「PN50」と唯一にして最大の差異がCPUです。Ryzen 5 4500UからRyzen 5 5500Uにスペックアップしています。
Ryzen 5 5500U | Ryzen 5 4500U | |
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アーキテクチャ | Zen2 | |
コア・スレッド数 | 6コア12スレッド | 6コア6スレッド |
動作周波数 | 2.1GHz | 2.3GHz |
ブーストクロック | 最大4.0GHz | 最大4.0GHz |
全コアブースト | 3.4GHz | 3.8GHz |
L2キャッシュ | 3MB | |
L3キャッシュ | 8MB | |
TDP | 15W / 10-25W | |
メモリ | 最大DDR4-3200 / LPDDR4-4266」 | |
GPUコア数 | 7 | 6 |
GPU動作周波数 | 1800MHz | 1500MHz |
PassMark (マルチ) | 13774 | 11249 |
PassMark (シングル) | 2501 | 2471 |
GeekBench5スコア | 5600 | 4300 |
一番大きいのは、同じZen2アーキテクチャながらもハイパースレッディング(AMDではSMTと呼称)に対応したことでしょう。
これによってマルチスレッドスコアが2割から3割向上しました。
メモリ・ストレージ・OSは非搭載
「PN51」はベアボーンなので、メモリ・ストレージ・OSは別途用意する必要があります。対応するメモリはDDR4-3200まで、ストレージはM.2 Key-MスロットとSATA(2.5インチ)が1ポートずつとなっています。
自分で容易というのは面倒に思えますが、例えば32GBメモリを2枚使ってメモリ64GBにしたり、2TBの大容量SSDを使ってみたりと、完成品では用意されていなさそうな構成を取りつつも保証が切れないのがベアボーンのいいところです。
OSについてはWindowsは結構なお値段がしますが、UbuntuなどLinux系であれば無料で使えるので、トータルのコストを抑えることができます。。
がじぇっとりっぷはWindowsが入っているともったいなくてLinuxに入れ替えづらいと感じる人なので、そんな場合も最初からOSの入っていないベアボーンはありがたかったりします。
その他
Wi-fiは802.11ax(Wi-fi 6)対応のIntel AX200が標準搭載されます。
電源アダプタは65W、付属品としてドライバ及びASUS ManagerというPC管理アプリの入ったサポートDVDが付きますが、使用するには別途USB DVDプレーヤーが必要となります。
最近は光学ドライブの用意が必要ないUSBメモリで提供するところも増えてきているので、USBメモリでも提供していいと思うんですけどね。
誤って消される恐れがあるというなら、DVDとUSBメモリの両方で提供すればいいわけですし。
筐体
全体のデザインは「PN50」と全く同じです。
オーディオジャック
USB 3.2 Gen2 Type-C
microSDXCカードリーダー
USB 3.2 Gen1 Type-A
赤外線レシーバー
電源ボタン
デュアルアレイフロントマイク
HDMII 2.1
DisplayPort 1.4
USB 3.2 Gen2 Type-C
1GbE有線LAN
USB 3.2 Gen1 Type-A×2
DCポート
インターフェース構成は「PN50」と全く同じです。
Type-C端子は前面・背面ともにDisplayPort出力に対応しています。
底面(と側面の一部)がスライドすることで筐体の内部にアクセスできます。
HDMI、DisplayPort、Type-Cをフル活用することで、クアッド4K表示に対応しています。
クアッド4K対応ということは、4K×4な画面の広さの8K表示も行えるということです(今のところ対応機器が限られていますが…)。
これだけの表示ができるのであれば、複数ディスプレイを使ったデジタルサイネージ、監視装置、株価表示など、できることの幅が大きく広がりますね。
まとめ
「Mini PC PN51」の価格はASUS Storeで47,000円(税込)です。配送料は770円でした。
メモリ・ストレージ・OSを追加して8~9万円といったところでしょうか。最小構成(8GB RAM/256GB SSD/OSはLinux)であれば6万円もいかずに一式組めそうです。
他にもディスプレイやキーボード・マウスなども必要になるのでノートPCのようにオールインワンとはいきませんが、もともとのデスクトップのリプレースなどには適していますし、使い方次第です。
最近はMINISFORUMをはじめとした中華系メーカーのミニPC分野への進出が著しいですが、この分野での歴史が長く、信頼のおけるメーカー製という点では並ぶものはな…いや、IntelとGigabyteとASRockくらいでしょう。思ったよりありますね。
IntelはAMD製CPUは扱いませんし、Gigabyte BRIXシリーズのRyzen 5000シリーズモデルは2021年3Qリリース予定です。当面はRyzen 5000シリーズ搭載機は「PN51」だけでしょう。
関連リンク
PN51-B-B5048MD:ASUS Store
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