IoTで通信向け?Mixtile「Edge 2」はデュアルSIMなRK3568搭載SBC

シングルボード

2022年2月24日ころ、SBCメーカーのMixtileはRockchip RK3568を搭載したSoM「Core 3568」と、インターフェースボードがセットになった「Edge 2」を発表しました。
一応「Core 3568」単体でも買えますが、他に対応ボードがない以上実質的には「Edge 2」の交換パーツくらいのニュアンスになるでしょう。

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スペック

■ Edge 2
CPURockchip RK3568
メモリ2~4GB LPDDR4
ストレージ16~32GB eMMC
microSD
インターフェースUSB Type-C(2.0)×1
USB3.0 ×3
HDMI 2.0
1GbE 有線LAN
RS485
U.2
オーディオジャック
wi-fi802.11ax+BT5.0
サイズ100×140mm

モデル名Edge 2
メーカーMixtile
発売日2022/02
価格183ドル(2GB/16GB)
259ドル(4GB/32GB)
価格(日本円)
CPURockchip RK3568 (4コア)
(2.0GHz A55 x4)
GPUMali-G52 MP2
NPU0.8TOPS
メモリー2〜4GB LPDDR4
サポートOSMixtile OS
有線LAN1GbE x 1
Wi-fi802.11ax
Bluetooth5
チップAP6275S
RTL8211F-CG
VL817
ストレージeMMC(最大256GB)
microSD
USB3.0 x 3
2.0 x 1(Type-C)
GPIO×
映像HDMI(2.0)
MIPI-DSI x 2
eDP
カメラMIPI-CSI x 1
オーディオジャック
その他インターフェースU.2
miniPCIe
M.2 key-B
SPDIF
SIM x 2
RS485
消費電力
電源USB PD
DC 12V(2pin)
DC 12V(SATA)
100mm
奥行き140mm
高さ
その他

特徴

Mixtileの製品は先日クラスター向けの「Blade 3」を取り上げました。

上級者向け。Mixtile「Blade 3」はクラスター化前提なRK3588搭載SBC

これに対し「Edge 2」は単体利用、STB(セットトップボックス)のような形で使うことを想定しているようです。メーカーの想定用途は「IoTエッジコンピューター」です。

「Blade 3」同様にU.2コネクタを持っていますが、クラスター用というよりボード上に載り切れなかったインターフェース用って感じになっていますね。

SoCについて

「Edge 2」のSoC(System on Chip)はRockchip RK3568です。
構成としては4コアのCortex-A55に、GPUはMali-G52 2EE、さらに0.8TOPSのNPUも搭載しています。

RK3568はがじぇっとりっぷでもよく取り上げるようになったRK3566の兄貴分で、インターフェース周りが充実しています。
違いは以下。CPU部分は一緒で、分かりやすい違いはUSB3.0が2ポートなのとPCIe Gen3への対応でしょうか。

Rockchip RK3566Rockchip RK3568
CPUQuad-core Cortex-A55
GPUMali-G52 2EE
NPU0.8 TOPS
メモリDDR3/DDR3L/DDR4
LPDDR3/LPDDR4/LPDDR4X
ECC対応×○(DDR3/DDR3L/DDR4)
ストレージNOR flash
SPI NAND
eMMC 5.1
SATA 3.0
8K OTP
NOR flash
SPI NAND
eMMC 5.1
SATA 3.0 x3(Serdes)
8K OTP
映像出力デュアルディスプレイトリプルディスプレイ
ネットワークGigabit Ethernet (GMAC) x1Gigabit Ethernet (GMAC) x2
QSGMII(Serdes)
USBUSB 2.0 host x2
USB 2.0 OTG x1
USB 3.0 host
USB 2.0 host x2
USB 3.0/2.0 OTG(Serdes)
USB 3.0 host(Serdes)
PCIePCIe 2.1 1×1PCIe 2.1 1×1(Serdes)
PCIe 3.0 1×2 or 2×1
その他 I/OsSDIO 3.0
UART x10
SPI x4
PWM x16
I2C x6
SARADC x2
SDIO 3.0
UART x10
SPI x4
PWM x16
I2C x6
SARADC x8
CAN FD x3
パッケージFCCSP565L (15.5mm x 14.4mm)FCBGA636L (19mm x 19mm)

「Core 3568」では3つの汎用レーン(Serdes Lane、MULTI_PHY0~2と書かれている部分)をUSB3.0×2+SATAで割り振っているように書かれていますが、「Edge 2」側を見る限り、1レーンは汎用のままにしているようです。

こちらが「Edge 2」のブロックダイアグラム。
USB3.0のうち1レーンが使われていて、USBハブチップ(VL817)を介して3ポートに分かれています(左上の部分)。
残る2レーンはU.2コネクタに使われています。

U.2コネクタにはSATA/PCIe 2.0(汎用レーン), SATA(汎用レーン), Gigabit Ethernet、USB2.0が割り振られています。

メモリとストレージ

メモリとストレージは「Core 3568」上に実装されています。
現在のラインナップはメモリ2GB/ストレージ16GBまたはメモリ4GB/ストレージ32GBの2モデルです。

メモリはLPDDR4、ストレージはeMMCです。ストレージは他に「Edge 2」ボード上にmicroSDスロットが用意されています。

その他

無線LANは地味に802.11ax(Wi-fi 6)に対応。Bluetoothは5.0です。なおチップはAP6275Sです。

電源はちょっと面白くて、USB PDのほか、12V DCおよびSATA電源と3種類の入力に対応しています。
SATA電源で動くSBCって珍しいですね。

外観

「Core 3568」単体です。
サイズは50×50mm、SoCとメモリとストレージ(eMMC)が実装されていて、底面の536ピンで接続します。

「Edge 2」のインターフェースです。

裏面にM.2 Key-BとminiPCIeがあり、4G/5Gカードなどに対応していて、それぞれにSIMスロットが紐づいています

もう一つ大きいのが映像出力。
HDMI2.0のほかにMIPI-DSI×2、eDPに対応しています。

HDMIは最大4K@60Hz、eDPは最大2560×1600@60Hzまでの対応。
MIPI-DSIはシングルでFHD@60Hz、デュアルで2560×1440@60Hzに対応、タッチパネルにも対応しています。

てかよく見たらGPIOがない…

「Edge 2」にはケース付きの「Edge 2 Kit」も用意されています。
ケースサイズはアンテナ抜きで148×105×32mmです。

まとめ

「Edge 2」および「Core 3568」の価格は以下の通り。

Core 3568:76ドル(2GB/16GB)、119ドル(4GB/32GB)
Edge 2(単体):183ドル(2GB/16GB)、259ドル(4GB/32GB)
Edge 2 Kit:199ドル(2GB/16GB)、279ドル(4GB/32GB)

産業向けなのでちょっと高めです。
変わっているのが、「40日以内の出荷なら15%オフ、60日以内の出荷なら20%オフ」という、納期を伸ばすことでディスカウントするプランが用意されていること。
あまり見ないディスカウント方法なので、ちょっと感心しました。現在の半導体を取り巻く状況にあった手法だなと。

同じRK3568搭載SBCでも、オーソドックスというかストレージに振ったHardkernel「ODROID-M1」と違い、「Edge 2」は映像と通信に振った、かなり尖った仕様になっています。

ストレージが強い。Hardkernel「ODROID-M1」はRK3568搭載で70ドルから

まぁ、そもそもが「IoTエッジコンピューター」という位置づけなので、想定用途が完全に違うんですが。

有線LANと無線LAN以外の通信方法はM.2とminiPCIeという形で提供することで、4G/5GだけでなくLoRaといった長距離無線通信にも対応できるわけで、まさにIoTです。

その割にGPIOがないので「Edge 2」にセンサー類をつなぐのではなく、センサー類の情報を束ねてサーバーに送信する中継器的な役割になるのでしょう。

関連リンク

Mixtile Edge 2:Mixtile
Mixtile Edge 2 Kit:Mixtile
Mixtile Core 3568:Mixtile

Edge 2:Mixtile Store
Edge 2 Kit:Mixtile Store
Core 3568:Mixtile Store

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