2022年3月15日、オープンソースコミュニティのPINE64は3月の月例進捗報告の中でRockchip RK3566を搭載したSBC「Quartz64 Model-B」の販売を予告しました。
参考 March Update: Introducing the QuartzPro64:PINE64
スペック
■QUARTZ64 Model-B | |
CPU | Rockchip RK3566 |
---|---|
メモリ | 4/8GB LPDDR4 |
ストレージ | eMMC microSD |
インターフェース | USB 3.0×1 USB 2.0×2 HDMI 1GbE有線LAN オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ac+BT5.0 |
サイズ | 85×56×18.8mm |
モデル名 | QUARTZ64 Model-B |
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メーカー | PINE64 |
発売日 | 2021/04 |
価格 | 59.99ドル(4GB) 79.99ドル(8GB) |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3566 (4コア) (1.8GHz A55 x4) |
GPU | Mali-G52 2EE |
NPU | 0.8TOPS |
メモリー | 4〜8GB LPDDR4 |
サポートOS | |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11ac |
Bluetooth | 5 |
チップ | RTL8211 RK809 CM256SM |
ストレージ | microSD eMMCソケット |
USB | 3.0 x 1 2.0 x 2 |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | HDMI(4K/60Hz) MIPI DSI(1080p) x 1 |
カメラ | MIPI CSI(2lane) x 1 |
オーディオジャック | ○ |
その他インターフェース | M.2 |
消費電力 | |
電源 | DC 5V |
幅 | 85mm |
奥行き | 56mm |
高さ | 18.8mm |
その他 |
特徴
「Quartz64 Model-B」は2021年6月に発売された「Quartz64 Model-A」のサイズ縮小版です。「Model-A」発売時にアナウンスがあったものの、それから9カ月の音信不通を経ての発売アナウンスとなります。
「Model-A」では133×80mmという広い面積を活かしてフルにインターフェースを載せていましたが、「Model-B」ではラズパイサイズ(85×56mm)に収まるだけという差があります。
Model-B | Model-A | |
SoC | RK3566 | |
メモリ | 4~8GB | |
ストレージ | eMMC microSD M.2 NVMe SSD | eMMC microSD SATA |
Wi-fi | 802.11ac | オプション |
PCIe | M.2スロット | PCIeスロット (10Wまで) |
USB | 3.0×1 2.0×2 | 3.0×1 2.0×3 |
映像出力 | HDMI MIPI-DSI(1080p) | HDMI MIPI-DSI(1440p) eDP(2.5K/60Hz) E-INK |
映像入力 | MIPI-CSI (2レーン、5MPまで) | MIPI-CSI (4レーン、8MPまで) |
タッチパネル コネクタ | なし | あり |
バッテリーコネクタ | なし | あり |
GPIO | 40ピン | 20ピン |
サイズ | 85×56mm | 133×80mm |
SoC
「Model-B」のSoCは、「Model-A」と同じくRockchip RK3566です。
構成としては4コアのCortex-A55(1.8GHz駆動)に、GPUはMali-G52 2EE、さらに0.8TOPSのNPUも搭載しています。
性能面について、CPU性能はラズパイ4のBCM2711とほぼ同等。グラフィック部分は不明ですが、AI向けのNPUとインターフェースの多さはRK3566に分があります。
RK3566の兄貴分的なところにRK3568があり、似たようなスペックながらインターフェースがマシマシになっています。
まぁ、CPU・GPU部分は同じなので、処理性能の面では変わらないのですが。
メモリとストレージ
「Model-B」のメモリは4GBまたは8GBのLPDDR4です。WikiによるとMicron製となっています。
ストレージはmicroSD、eMMC、M.2 NVMe SSD。
オンボードストレージはなく、eMMCはソケットのみの実装です。
1レーンだけ持っているPCIe 2.1はM.2 Key-Mスロットで実装されていて、M.2 NVMe SSDに対応しています。
しかし転送速度が片方向500MB/sなので、SATA程度の速度しか出ません。
その他
無線LANは802.11ac(Wi-fi 5)対応で、変更がなければAP6256となります。
有線LANは1GbEが用意されています。
電源は3.5mm/1.35mmのバレルジャックで5V@3A。Type-C端子を持たず、USB PDには非対応です。
ちなみに「Model-A」は5.5mm/2.1mmの12V@3Aなので互換性がなかったりします。
外観
実は外観写真はこの1枚しかありません。PINE64って画像が少ないのがネックなんですよね…
量産版はこのv1.2が使われるようです。
こちらは試作版であるv1.0。
Wi-fiチップが裏側にあったり、eMMCソケットの位置が違ったり、MIPIスロットの位置も違ったりと、かなりの変更が入っていることが分かります。
まとめ
ここ最近のPINE64は「PinePhone」シリーズにリソースを多く割いていたうえ、Eインクノートの「PineNote」を出したりスマートウォッチ型の「PineTime」の開発を続けていたりと抱えているものが多くなっていて、「Model-B」はこのままキャンセルされるんじゃないかと心配していたわけですが、アナウンスが出たことで一安心です。
「Quartz64 Model-B」の価格は4GBモデルが59.99ドル、8GBモデルが79.99ドル。
「Model-A」と同じ価格というのはわかりやすいですね。
発売は4月中を予定。おそらくですが4月の月例進捗報告内で発売がアナウンスされるものと思われます。
価格的にも悪くないですし、ラズパイが高騰している今の状況では、代替品としても期待できそうです。
関連リンク
Quartz64 Model B:PINE64
March Update: Introducing the QuartzPro64:PINE64
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