【レビュー】TourBox Elite:作業効率が劇的にアップするワイヤレスな左手用デバイス

レビュー

人間というのは日々効率化を求める生き物であり、効率化のために発明を繰り返しています。
例えば自動車や飛行機は移動と運搬の効率化ですし、電話やメールは遠隔コミュニケーションの効率化です。

…なんだか仰々しい出だしになってしまいましたが、今回レビューするのは(主に)クリエーター系ソフトを効率化するために発明された左手用デバイス「TourBox Elite」です。

がじぇっとりっぷはショートカット用キーボードが欲しいなぁと思いつつもなんだかんだキーボードとマウスだけでやってきたので、どれだけ効果があるのか実際に試してみましょう。

レビューしたのはサンプル機です。製品版とは異なる部分があります。
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TourBox Elite

本体の紹介については別途記事にしています。

これは良さそう。「TourBox Elite」はワイヤレスになった左手コントローラー

GoodPoint
指がつらいショートカットがワンボタンに!
Bluetoothでワイヤレス
設定できる項目は47パターン
アプリごとに自動でプリセット入れ替え可

BadPoint
プリセットが思ったより少ない
自由なようで自由度の低いキー登録
バッテリーじゃなく電池式

パッケージ

内容物
・本体
・電池
・USBケーブル
・ユーザーマニュアル
・収納袋(本体/ケーブル)

※製品版ではUSBケーブルは含まれないとのこと

サイズ感について

「TourBox Elite」は単独の画像だと結構大きそうに感じますが、実際は手の中に納まる程度のサイズです。

手元にあった6.5インチスマホのOPPO「A73」と、Microsoftのマウス(RJN-00044)との比較です。
だいたいマウス2個分くらいの大きさですね。

ボタン一覧

「TourBox Elite」のインターフェースです。
量を調節できるのはスクロール・ダイアル・ノブの3つ(プッシュ操作も可能)。ボタンが7個、十字キーが一つとなっています。
なお、十字キーと言っても独立したボタンで個別に設定ができます。

コンソールアプリ

レビューで使用したコンソールアプリはv4.0.0のβ版となります。
本リリース時には修正・変更が入る可能性があります。

設定用のコンソールアプリを起動すると、Windowsのペアリングとは別に「TourBox」シリーズとの接続が求められます。
一度ペアリングすればこの画面は表示されません。

本体ファームウェアの更新もコンソールアプリから行えます。

設定画面です。
左側にプリセットリスト、右側にボタンごとの登録内容が表示されます。
アプリごとの自動切り替えも設定できます。

隠し部分も含めた設定可能なパターンの一覧です。
だいたいのパターンは網羅していますが、ダイアルとボタンの組み合わせやC1/C2のダブルクリックなど、一部出来ないパターンもあります。

これについては改修中だそうで、すべてのキー組み合わせができるようにするとのこと。

プリセットについてはTourBoxのダウンロードページから追加が可能。
リストになくても自分で設定してオリジナルのプリセットを作れますし、ダウンロードしたプリセットをベースに改変することもできます。

各項目をクリックすると、ショートカット設定が表示されます。
ビルトイン操作は設定項目によって違い、例えばPhotoShopの独自項目はスクロールやダイアルなどでしか表示されません。
左に表示されているのは登録されているショートカットとタグ(操作の名前)の一覧です。

補助的機能として、十字キーへの割り当てを表示するHUD機能が用意されています。
TOPキーとサイドキーの組み合わせも表示されるので、HUDには最大12操作が表示できることになります。

実際に使ってみた

がじぇっとりっぷは普段の画像編集はGIMPを使っています。
「写真」をいじるならPhotoshopやLightroomになるのでしょうが、「説明用画像」だとGIMPで十分です。

なお、GIMPのプリセットはダウンロードページにも用意されていないので、流用するか新規に起こすことになります。

「Tourbox」がなくても使いやすいようにカスタマイズはしていたのですが、ズームやショートカットをワンボタンにできるのは本当に楽ですね。

個人的に最もはかどったのが、保存動作。

GIMPではJPGやPNG形式でエクスポートを行うときのショートカットは”Shift+Ctrl+E”に割り当てられています。

でもですね、ちょっと手元のキーボードでこのショートカットを押してみてください。
めっちゃつらくないですか?

レビュー記事を書くときは画像50枚とかこれをやるのがしんどかったのがワンボタンで済むようになって、もうこれだけで神ツールです

ボタンの割り当て

自分が良く使う操作は何かを考えながら、割り当てていくのは結構楽しいです。

あれこれ設定してみた結果、デフォルトのプリセットとはかなり違うものの、有用だった設定をいくつか紹介。

なお、ショートカット作成時はタグをつけることで、ショートカット一覧に登録できます。
登録しているとボタンの入れ替えが楽にできます。

スクロールキー:Shift+マウスホイール

Shift+マウスホイールは横スクロール操作です。
画像編集していて地味に面倒なのが、拡大中の横スクロール。
これでマウスのスクロールと合わせて縦横自在に移動できるようになり、効率化という点では一番大きいです。

ノブ:Ctrl+マウスホイール

Ctrl+マウスホイールはズーム操作ですね。
もとはスクロールに割り当てられていたものをノブに変更しました。
つまんで回す方が、ズーム操作としては直感的です。

元々割り当てられていたブラシサイズの変更は、サイド+ノブに割り当てました。

トップ:Ctrl+S

皆さんご存じの”保存”操作です。
長時間作業していると忘れがちになる保存操作ですが、専用ボタンを作っておくとこまめに保存するようになりました。

なお、前述の”Shift+Ctrl+E”はトップ×2(ダブルクリック)に割り当てています。

C1/C2:Ctrl+C/Ctrl+V

コピペですね。
さらにショート+C2には”Ctrl+Shift+V(クリップボードから画像を生成)”を割り当てています。
(本当はサイド+C2にしたかったけど、残念ながらそういう操作がないんですよね…)

効率は上がるけど万能ではない

「TourBox」シリーズはあくまで作業の補助をする左手用デバイスであり、万能ツールではありません
せいぜいが「かゆいところの半分くらいに手が届く」くらいです。

実際、あれこれ設定していくといくつか不満な点も出てきました。

まぁ言っていることは「客は一つ満足すると次の不満を言い始める」ってやつなんですけど。

キーの登録はかゆいところに手が届かない。

コンソールアプリで自分でプリセットパターンを作る場合、各キーにショートカットを割り当てる際、結構制限が付いています。

各キーにショートカットを割り当てる際、例えば手元のキーボードにおいてプリントスクリーンが”Fn+F11”に割り当てられていたりすると、キーが登録できません。
こうなると、単独のPrtScキーがあるキーボードを使うしかないので、登録用にソフトウェアキーボードが表示されるとかあれば良かったなぁと。

また、”Alt+S+G(GIMPでの「選択範囲の拡大」の呼び出し)”のような、文字キーを複数使うこともできません。
これはどちらかと言えば「TourBox Elite」側ではなくソフト側のショートカットの割り当て方の問題と言えますが、一応キーボードで呼べ出せなくもないだけに、登録出来たらうれしかったですね。

ショートカットのない操作は登録できない

ある意味当たり前と言えば当たり前ですが、ソフト側でショートカットが割り当てられていなければ「TourBox Elite」に操作を登録することができません。
PhotoShopなど一部はビルトインという形で対応していますが、こればかりは仕方がないと言えます。

外観

外箱(サンプル用)は黒で、うまく映っていませんが中央にエンボス加工で「TourBox Elite」の文字が入っています。
製品版ではデザインが変更されます。

本体全景。
サンプル機はクリアボディなモダンスモークブラックトランスルーセントでした。

カラーは他にアイボリーホワイトとクラシックブラックが用意されています。

インターフェースはType-Cです。

底面には電源とペアリングボタン、そして電池ボックス
モノが届くまでバッテリー式と思い込んでいたので、電池式であるのは意外でした。

表記では3V(1.5V×2)なのでアルカリ乾電池推奨ですが、ニッケル水素充電池(1.2V×2)でも動作することを確認しています。

スイッチをオンにするとここが3秒くらい光ります。
ペアリング時は点滅します。

マニュアルは英語のみなものの、画像入りのしっかりしたものでした。
こちらも製品版では日本語に対応するとのこと。

USBケーブルと単3電池。
ケーブルは50cmで、かなりしっかりしたものです。

重量は電池なしで379g、電池込みで425gでした。
不用意に動かないように、本体はずっしりしています。

まとめ

「TourBox Elite」は現在クラウドファンディングサイトのCAMPFIREでファンディング中、記事執筆時点ではアイボリーホワイトとクラシックブラックが33%オフの22,000円から、半透明なモダンスモークブラックが34%オフの24,480円からとなっています。

なお、定価はアイボリーホワイトとクラシックブラックが32,980円、モダンスモークブラックが36,980円です。

入力デバイスとしては結構高価な部類に入りますが、「TourBox Elite」で短縮できる作業効率を考えると費用対効果は十分にあります

画像・動画編集や3Dソフトなどクリエイター系アプリはショートカットを使いこなせるかどうかが一人前の分かれ目とも言えるので、それを手助けしてくれるこのデバイスは非常に心強い味方になるでしょう。

関連リンク

製品ページ:TourBox Tech

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