2022年5月10日、SBCおよびオーディオ関連を手掛けるKhadasはAmlogic A311D2を搭載したSBC「VIM4」を世界同時発売しました。
国内ではAmazonに公式ストアを構え、販売しています。
スペック
■ Khadas VIM4 | |
CPU | Amlogic A311D2 |
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メモリ | 8GB LPDDR4X-2016 |
ストレージ | 32GB eMMC |
インターフェース | USB Type-C(2.0)×1 USB 3.0×1 USB 2.0×1 HDMI HDMI-IN 1GbE 有線LAN microSDXC |
wi-fi | 802.11ax+BT5.1 |
サイズ | 82×58×11.5mm |
モデル名 | VIM4 |
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メーカー | Khadas |
発売日 | 2022/05 |
価格 | 219.9ドル 239.99ドル(冷却ファン付) |
価格(日本円) | 28,000円 |
CPU | Amlogic A311D2(8コア) (2.2GHz A73 x4 + 2.0GHz A53 x4) |
GPU | Mali G52 MP8 800MHz |
NPU | – |
メモリー | 8GB LPDDR4X-2016 |
サポートOS | Android 11 Ubuntu 22.04 |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11ax 2×2 |
Bluetooth | |
チップ | AP6275S KXTJ3-1057 STM32G031K6 |
ストレージ | 32GB eMMC microSD |
USB | 3.0 x 1 2.0 x 1 2.0 x 1(Type-C) |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | HDMI(2.1 4K/60Hz) DSI x 1(WUXGA) eDP(2.5K) VB1(4K2K) |
カメラ | MIPI CSI(4lane)×2 |
オーディオジャック | |
その他インターフェース | HDMI-IN M.2 (PCIe 2.0 x1) |
消費電力 | |
電源 | DC 5〜20V(Type-C) |
幅 | 82.0mm |
奥行き | 58mm |
高さ | 11.5mm |
その他 | 3軸加速度計 重さ 31g |
特徴
Khadasは2019年の「VIM3」以来、オーディオデバイスのTONEシリーズに注力しており、実に3年ぶりのSBCとなります。
存在自体は2021年10月頃から言及されていて、CNX Softwareで報じられています。
スペックを「VIM3」と比較すると以下のようになります。
モデル | VIM4 | VIM3Pro |
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SoC | Amlogic A311D2 | Amlogic A311D |
メモリ | 8GB LPDDR4X-2016 | 4GB LPDDR4X-1608 |
ストレージ | 32GB eMMC | |
SPI Flash | 32MB | 16MB |
Wi-fi | 802.11ax(Wi-fi 6) | 802.11ac(Wi-fi 5) |
Bluetooth | v5.1 | v5.0 |
USB | 3.0×1 2.0×1 | 3.0×1(PCIeと排他) 2.0×1 |
PCIe | M.2 x1(1lane) | M.2 x1(1lane,USB3.0と排他) |
映像出力 | HDMI 2.1 MIPI-DSI eDP VB1 | HDMI2.0 MIPI-DSI |
カメラ入力 | 4レーン×2(16MP) | 4レーン×1(8MP) |
映像入力 | HDMI-IN | × |
IRレシーバー | × | 〇 |
SoCについて
「VIM4」のSoCはAmlogic A311D2。
「VIM3」に搭載されたA311Dのリフレッシュ品みたいな型番ですが、中身は全然別物です。
モデル | Amlogic A311D2 | Amlogic A311D |
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CPU | 4x Cortex-A73 2.2GHz 4x Cortex-A53 2.0GHz | 4x Cortex-A73 2.2GHz 2x Cortex-A53 1.8GHz |
GeekBench4 (マルチスレッド) | 5300 | 4200 |
GPU | Mali-G52 MP8 (8EE) | Mali G52 MP4 (6EE) |
NPU | オプション | 5 TOPS |
メモリ | 最大16GB LPDDR4x-2133 | 最大4GB LPDDR4x-1600 |
USB | 1x USB 3.0 1x USB 2.0 (OTG) | 1x USB 3.0 (PCIe排他) 1x USB 2.0 (OTG) |
PCIe | 1-lane PCIe | PCIe x1(USB 3.0と排他) |
映像出力 | 1x HDMI 2.1 2x MIPI DSI (1080p) 2x 8-lane V-by-One (4K60Hz) 2x 4-lane eDP (2.5K) LVDS | 1x HDMI 2.0 1x MIPI DSI |
カメラ | 2x 4-lane MIPI-CSI (16MP) | 1x 4-lane MIPI-CSI (8MP) |
HDMI入力 | 3x HDMI 2.1 up to 4Kp60 | × |
有線LAN | Gigabit Ethernet MAC Fast Ethernet PHY | |
製造プロセス | 12 nm |
…これ、型番を変えたほうが良かったんじゃないかなぁ…
6コアから8コアになり、動作周波数も上がったことで、GeekBench4のマルチスレッドスコアは25%アップとなっています。
このスコア5200がどのくらいかというと、Celeron N4100が同じ5200です。
…なんかもう、普通にPCとして使えそうですね?
GPUもさらっとユニット数が2倍(MP4 → MP8)になっています。
ブロックダイアグラムはこんな感じです。
なお、初期ロットではNPU非搭載ですが、将来的にはたぶんNPU搭載版にリフレッシュするとのこと。
メモリとストレージ
メモリは8GB LPDDR4x-2016。ここ1~2年は8GBも当たり前になってきました。
4GBが最大だったRK3399時代が昔のことのようです。
ストレージは32GB eMMC。
資料によるとリード190MB/s、ライト112MB/sとされています。
「VIM4」はM.2 NVMeスロットを持っていて、M.2 SSDを接続することができます。
ただしPCIe2.0 x1接続なのでリード432MB/s、ライト413MB/sとSATA程度の速度しか出ません(それでもeMMCよりは高速ですが)。
microSDは「VIM3」よりも高速化していて、リード72MB/sとなっています。
その他
無線LANは802.11ax(Wi-fi 6)に対応。
とはいっても最大で380Mbps程度のようです。
外観
インターフェースです。
Wi-fiチップがやたらでかいですね。
表側左下にHDMI入力(microHDMI端子)があるのが珍しいところ。配信などに使えるかもしれません。
裏面左下にあるVB1(V-by-One)はザインエレクトロニクス(THine Electronics)がLVDSに代わるディスプレイ用伝送規格として発表した規格です。
「VIM4」にはHDMI、MIPI-DSI、VB1、eDPの4つの映像出力がありますが、サポートしているのはトリプルディスプレイまでとなります。
専用のヒートシンク一体型の冷却ファンを装着するとこんな感じです。
サイズ感は手のひらサイズ。
82×58mmなので、ラズパイ(85×56mm)と同じ程度です。
OSはAndroid 11、リリースされたばかりのUbuntu 22.04の他、独自のOOWOWというものに対応しています。
OOWOWは、オンラインOS配信や端末メンテナンスなどをシームレスに行うスタンドアロン型の組み込みサービスだそう。
パッケージです。
ボードサイズなので結構小さな箱ですね。
まとめ
「VIM4」の価格は28,000円、冷却セット同梱で32,000円です。
発売記念として2022年6月10日まで2,500円オフクーポンが出ています。
ドル建てだと219.9ドル(発売記念割引で199.9ドル)、冷却セット同梱で239.9ドル(同219.9ドル)です。
記事執筆時点の円相場だと1ドル=130円なので199.9ドル=26,000円、つまりクーポン価格の25,500円は本家で買うより安いという。しかも送料込みだし。
半導体不足の影響でKhadasも全体的に値上げを実施していて、SBCとしては安いとは言えませんが、ラズパイサイズなのに内容的には盛り込みまくっているし、何よりAmazonでさくっと買えるのは素晴らしいと思います。
関連リンク
VIM4製品ページ:Khadas
ニュースリリース:Khadas Blog
ドキュメント・ファームウェア:
コメント
VIM3のメダマである高性能NPUを削除してとりあえず出した。
そんな感じかなぁ