2022年5月13日、NASメーカーのQNAPはCeleron N5105を搭載した2ベイの薄型ファンレスNAS「HS-264」を発売しました。
なお、グローバルでの発表は4月6日です。
スペック

■ HS-264 | |
CPU | CeleronN5105 |
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メモリ | 8GB |
ストレージ | 3.5インチ×2ベイ |
インターフェース | USB 3.2 Gen2×2 HDMI 2.0×2 2.5GbE 有線LAN×2 |
サイズ | 302×220×41.3mm |
重さ | 1.56kg |
特徴
QNAPは時折薄型NASを出していて、最近ではM.2 SSD×4の「TBS-464」を発売しています。

しかしサイズ的には「TBS-464」は一回り小さく、構成も違うので、型番的にも「HS-264」は同じ3.5インチ×2である「HS-210」(2015年発表)の後継機とみるべきでしょう。

CPUとメモリ
「HS-264」のCPUはJasperLake世代のCeleron N5105です。「TBS-464」のように”Celeron N5105またはN5095″というあいまいな表現ではありません。

メモリはオンボード8GB DDR4。スロットはなく、換装・増設には対応しません。
まぁ、そもそもネットワークストレージに8GB以上のメモリを求める時点で何か間違っているんですけどね。
その他
ネットワークはデュアル2.5GbE。ポートトランキングによる5GbE接続に対応しています。
ファンは非搭載で、SSD使用時は無音、HDD使用時でも23.1dBとかなりの静音です(といってもHDDのシーク音って結構耳につくんですけどね)。
なんで?ってなるのがデュアルHDMI。HDMIはあってもおかしくないけど、デュアルなのか…しかも4K/60HzなHDMI2.0です。
モニタとつなげばファンレスPCのように扱うこともできますし、ホームシアターPCとしても活用できます。相変わらずNASの定義がぶっ飛んでいます。
ソフトウェア面について
OSはQTS 5.0。Linuxベースの独自OSです。
ここ最近の発売された製品は標準でスナップショット機能を搭載しており、スナップショットはランサムウェアがアクセスできるファイルベースでなく、ブロックベースで保存されます。
これによってランサムウェアに汚染されても暗号化からの復元に使えるとのこと。
写真整理アプリのQuMagieはGoogleフォトの代用となりうるアプリで、OpenVINO™ AIエンジンによる画像認識で自動分類してくれます。
外観
外観は正直、見るべきところは上の1枚だけで済んでしまいます。
インターフェース類は全部背面です。
デュアルLANはともかく、デュアルHDMIがあるせいで余計薄型PC感が出ていますね。
前面パネルは磁石式で、外せば内部ベイにアクセスできます。
基板はT字型をしていて、真ん中付近にCPUがあり、ヒートシンク経由で天面と接続されて放熱します。
写真はありませんが底面は中心付近が肉抜きされていて内部が露出、フィン上のヒートシンクが顔を見せています。
斜めから。
見た目はすごくオシャレです。
ちょっと面白い機能として、「QDA-A2AR」という、2台の2.5インチをひとつのSAATAにまとめるアダプタを使うと、最大4台の2.5インチHDD/SSDを搭載することができます。
ただし、Individual(独立)モードは使えません。
まとめ
「HS-264」は記事執筆現在ではオリオスペックで販売されていることを確認、価格は税込90,800円です。米Amazonだと599ドル(約77,500円)。
…ちょっと高くない?
時代背景が違うから一概に比較はできませんが、「HS-210」の発売時価格が税込44,800円だったことを考えると、2倍です。
ミニPCであればJasperLake世代でも2万円台から買えたりします。
「TBS-464」くらい尖った仕様ならともかく、円安だとかシステム費を考慮しても、適正価格って5~6万円くらいじゃないかなぁ…
ファンレスNASって点は評価できるんですけどね。
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