2022年5月11日、NASメーカーのASUSTORは、Celeron N5105を搭載したNAS「Lockerstor Gen2 AS67」シリーズを発表・発売しました。
シリーズ一覧は以下の通り。
2ベイ:Lockerstor 2 Gen2(AS6702T)
4ベイ:Lockerstor 4 Gen2(AS6704T)
6ベイ:Lockerstor 6 Gen2(AS6706T)
スペック

■ Lockerstor Gen2 | |
CPU | Celeron N5105 |
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メモリ | 4~8GB DDR4-2933 |
ストレージ | 3.5インチベイ×2~6 M.2 SSDスロット×4 |
画面 | 14.0インチ IPS FHD |
インターフェース | USB 3.2 Gen2×2 HDMI 2.0b 2.5GbE 有線LAN×2 |
サイズ | 163.5×108×230mm(AS6702T) 185.5×170×230mm(AS6704T) 185.5×233×230mm(AS6706T) |
重さ | 2~4.4kg |
型番 | AS6702T | AS6704T |
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メーカー | ASUSTER | |
価格 | 66,000円 | 87,000円 |
発売日 | 2022/05 | |
幅 | 108 | 170 |
高さ | 163.5 | 185.5 |
奥行き | 230 | 230 |
CPU | Intel Celeron N5105 2.9GHz Quad-Core | |
内部フラッシュメモリ | 8GB eMMC | |
メモリ | 4GB SO-DIMM DDR4 | |
最大メモリ | 16GB(2slot) | |
ホットスワップ | ○ | |
SSD対応 | ○ | |
NIC (1GbE) | 2(2.5GbE) | |
NIC (10GbE) | – | PCIe |
LA/PT | ○ | |
USB2.0 | – | |
USB3.0 | 2(Gen2) | |
USB type-c | – | |
eSATA | – | |
PCIe | M.2 NVMe x 4 | M.2 NVMe x 4 (換装可能) |
SDカード | – | |
HDMI | 2.0b x1 | |
4K対応 | ○ | |
DisplayPort | – | |
S/PDIF | – | |
オーディオジャック | – | |
スピーカー | – | |
赤外線 レシーバー | ||
ハードウェア 暗号化 | ||
ハードウェア アクセラレーション | ||
IPカメラ (無償) | ||
IPカメラ (最大) | 44 | |
仮想化 (VMWare) | ○ | |
仮想化 (Windows) | ○ | |
仮想化 (Citrix) | ○ | |
仮想化 (OpenStack) | ||
仮想マシン (VirtualBox) | ○ | |
仮想マシン (Docker) | ○ | |
対応RAID | 0/1 | 0/1/5/6/10 |
ファイルシステム | EXT4,btrfs | |
システム ファン | 70mm x 1 | 120mm x 1 |
ノイズレベル | 17.7dB | 17.6dB |
Wi-fi | USBで対応 | |
消費電力 | 13.5W | 17.3W |
重さ | 2kg | 2.94kg |
DTCP+ | ||
DTCP-IP | ||
DLNA | ||
iSCSIターゲット | 256 | |
iSCSI LUN | 256 | |
ユーザー数 | 4096 | |
グループ数 | 512 | |
並列接続数 | 512 | |
共有フォルダ | 512 | |
スナップショット | 256 | |
read性能 | 591 | 590 |
write性能 | 482 | 555 |
read性能 (暗号化) | ||
write性能 (暗号化) | ||
備考 |
※6ベイ(AS6706T)は4ベイ(AS6704T)のサイズ・電源容量違いなので省略
特徴
「Lockerstor Gen2」シリーズは2020年7月の「LOCKERSTOR」シリーズの後継品です。

見た目的にはあまり変化はありませんが、内部的にはCeleron J4125からCeleron N5105にアップデートされ、M.2スロットが2つから4つに倍増しています。4つって…
CPUについて
「Lockerstor Gen2」シリーズのCPUはJasper Lake世代のCeleron N5105です。
QNAPのようにN5095かN5105のどちらかなどとあいまいではなく、固定です。

CPU性能は前世代のCelron J4125比でおよそ3割増しとなります。
PassMarkスコアが4000を超えているので、メモリ次第ではVM(仮想マシン)も1台か2台程度であれば動かしても支障はないと思います。
メモリとストレージ
メモリは2ベイ/4ベイが4GB(4GB×1)、6ベイが8GB(8GB×1)のDDR4を搭載。
メモリは2スロットタイプで、最大16GB(8GB×2)まで増設可能です。
「TS-364」での検証を見るに、自己責任ではありますがシングルランクなら32GB(16GB×2)も動くと思われます。

ストレージはOS領域(ブート領域?)として8GB eMMCを内蔵。
データ領域は2~6の2.5/3.5インチベイを備えます。各ベイは最大20TBまで対応。というか、単に最新の22TBとか26TBの検証が間に合ってないだけでしょう。
内部的には2.5/3.5インチベイのほかにM.2 Key-Mを4スロット持っています。
このスロットはデータストレージ用、キャッシュ用のどちらにも割り当てることができます。
M.2 SSDはPCIeカードでの提供(PCIe3.0 x4接続な模様)のため、4/6ベイモデルでは10GbEカードに差し替えることもできます。
これ、QNAPはJasper Lakeの持つ8レーンのPCIeをx4(HDD用)、x2(PCIe)、x1(M.1)、x1(M.2)と 細かく分けていたのに対し、ASUSTORは大胆にもx4(HDD用)、x4(PCIe)としたわけですね。
その他
NASである「Lockerstor Gen2」は標準ではWi-fiに対応していません。
USB Wi-fiドングルには対応しており、Wi-fiドングル各製品との互換性リストが公開されています。
まぁ、あくまでメーカー側でチェックできた範囲なので、グローバルメーカー製品が中心でバッファローなどは載っていませんし、ベースはLinuxなので、自力でドライバを入れて対応させるということもできるとは思います。
参考 USB WiFi Dongle 対応リスト:ASUSTOR
有線LANは先代「LOCKERSTOR」シリーズから引き続き2.5GbE×2。
どのメーカーでもそうですが、802.11ax(Wi-fi 6)がノートでも最大2.4Gbpsが出ることから、1GbEでは足りないということで各社2.5GbE化が進んでいます。
外観
正面です。
4/6ベイモデルはステータスLCDがあり、NASのIPなどを表示することができます。
2ベイモデルはスペース的に入らず、その分背が低くなっています。なので高さ的な問題で10GbEカードへの挿し替えができません。
背面です。
ボードは共通なのでインターフェース配置は同じです。
4/6ベイの右上の部分がPCIeカードスペースで、ブラケットは外して装着することになります。
なお、USBは3ポートから2ポートに減りましたが、先代の3.2 Gen1(5Gbps)から3.2 Gen2(10Gbps)にアップグレードしています。
2ベイ(65W)と4ベイ(90W)は外部電源アダプタですが、6ベイ(250W)は内部電源となっています。6ベイだけ電源容量が大きくなりすぎでは…?
…これ、6ベイは補助電源不要なRadeon RX 6400とかGeForce RTX 1650なら動くんじゃなかろうか
まとめ
「Lockerstor Gen2」の価格は以下の通り。
Lockerstor 2 Gen2(AS6702T):66,000円
Lockerstor 4 Gen2(AS6704T):87,000円
Lockerstor 6 Gen2(AS6706T):115,000円
先代「AS6602T」は55,000円、「AS6604T」は71,500円だったので、2割ほど価格が上がっています。
半導体不足やら流通コスト、円安など要因はいろいろあるでしょうが、例えばQNAPのJasperLake世代は「TS-464」が92,800円、「TS-664」が118,800円とやっぱり同価格帯です。
ASUSTORもついにPCIeスロットの利用ができるようになりましたが、M.2が4スロットある代わりにPCIeとの排他利用、QNAPはM.2は2スロットだけどPCIeが独立していると違う面もあります。
それに前面LCDはQNAPにはありません。
なので、どっちがいいとは断言しづらいですね。
PCIe利用がなくていいのであれば一回り安いTerraMaster「F2-423」(41,990円)、「F4-423」(66,990円)という手もありますし、JasperLake世代のNASは選択肢が増えて悩むことになりそうです。
あと出てないのはSynologyだ!
関連リンク
LOCKERSTOR Gen2シリーズ:ASUSTOR
プレスリリース:ASUSTOR
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