2022年7月8日、ASRock Incorporation(本社:台湾)はIntel第12世代Core CPU(コードネーム:Alder Lake)に対応したコンパクトサイズのベアボーン「DeskMini B660」を発売しました。
スペック
■ DeskMini B660 | |
対応CPU | Intel第12世代CPU(LGA1700) 最大TDP65W |
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チップ | Intel B660 |
メモリ | DDR4-3200×2 |
ストレージ | M.2×2、2.5インチ×2 |
インターフェース | USB Type-C(Gen2x2)×1 USB Type-C(Gen2)×1 USB 3.0×3 USB 2.0×2 HDMI DispalyPort×1 D-Sub×1 1GbE 有線LAN オーディオジャック |
wi-fi | M.2 Key-E |
サイズ | 155×155×80mm |
特徴
ASRockは先日、グラボが乗せられるベアボーン「DeskMeet B660/X330」を発売しています。
しかしながら「DeskMeet B660/X330」は容量8Lとやや大柄で、容積約1.92Lの「DeskMini H470/X300」の後継に当たる製品も期待されていました。
そんな期待の中に登場したのが、「DeskMini B660」です。
例年だとIntel/AMD両モデルが登場するところですが、AMDは次期Ryzen 7000シリーズからSocket AM5になることが公表されているので、Ryzen 7000シリーズの発表待ちと思われます。
対応CPU
「DeskMini B660」の対応CPUは、現時点ではIntel第12世代Alder Lakeのみです。CPUソケットがLGA1700であり、第11世代以前とは物理的に互換性がありません。
対応TDPは65Wまでなので、Core i9-12900はぎりぎり乗りますが、Core i9-12900K/KFは乗りません。
というか、末尾にK/KFが付くCPUがアウトですね。
対応CPUの中で最上位となるCore i9-12900は8P8Eで16コア24スレッド。PassMarkスコアでは36,000オーバーです。
これがミニPCより一回り大きい程度のサイズで動くって、考えたらすごいことですよね…
また、7月7日のBIOSアップデートで2022年後半に登場するとされる第13世代CPUにも対応しています。
つまり、現時点で2023年も使えるベアボーンとなることが確定しています。
参考 DeskMini B660 Series BIOSサポート
チップセットはB660
第12世代に対応した600番台のチップセットは、上から順にZ690、H670、Q670、W680、B660、H610です。
「DeskMini B660」は名前の通りチップセットにB660を採用しているので下から2番目ですね。
前世代の「DeskMini H470」では上から2番目(400番台はZ490、H470、Q470、W480、B460、H410)だったのでダウングレードした印象になっていますが、そもそも400番台の時はB460だとUSB 3.2 Gen2非対応、Wi-fi 6非対応だったので、B460では要件を満たせずH470にせざるをえなかったわけです。
600番台ではB660でも必要条件をすべて満たすようになったため、コストの高いH470を選ぶ理由がなかったというだけの話ですね。
メモリとストレージ
対応メモリはSO-DIMM DDR4-3200×2、最大64GBです。
「DeskMini H470」ではDDR4-2933までだったのでアップデートはされていますが、DDR5には非対応なんですよね。
メモリが使いまわせるので「DeskMini H470」からの乗り換えハードルは下がりますが、DDR5でちょっぱや構成を考えていた人は注意が必要です。
ストレージはM.2×2+2.5インチ×2のクアッドストレージ対応。
M.2スロットはPCIe Gen5+PCIe Gen4の超高速構成です。
「DeskMini H470」ではPCIe Gen4+PCIe Gen3だったので、ここはしっかり世代が更新されています。
なお、Optane Memoryにも対応しています。
その他
無線LANは非搭載ですが、M.2 Key-Eスロットが用意されていて、Wi-fiカードを追加することができます。
第12世代は802.11ax(Wi-fi 6E)に対応しているので、最新のIntel AX211も使えますね。
Wi-fiセットモデルもありますが、セットで付いてくるのはIntel AC-3168となります。
自前で用意する場合はアンテナも必要になります。
電源は19V/120Wアダプタです。
外観
フロントです。
見た目的には「DeskMini H470/X330」と変わりません。
Type-CはUSB 3.2 Gen2x2に対応しています。
背面です。
インターフェース配置は「DeskMini H470」と同じですが、USBのうち2ポートがUSB2.0となっていて、唯一の後退ポイントと言えます。
有線LANはIntel I219-V(1GbE)のままですね。ここは2.5GbEにしてもよかったのでは…?
背面もType-CがUSB 3.2 Gen1からGen2にアップデートされました。
背面のType-CがUSB Altモードに対応し、映像出力ができる点は「DeskMini H470」と変わりません。
内部のマザーボードです。
型番は「B660M-STX」となっています。
電源回路は4+1フェーズで60Aプレミアムチョークが使われています。
まとめ
「DeskMini B660」の価格は33,000円前後。「DeskMini H470」が2.3万円前後だったことを考えるとちょっと高めというか、半導体不足、流通コストの上昇、円安の影響がもろに出ている感が強いです。
「DeskMini H470」の発売は2020年10月。これらの問題が出てくる前でしたからね。
全体を揃えるとなるとそれなりの金額にはなりますが、ある程度抑えれば10万円以内には収まるでしょう。
GPUが搭載できる「DeskMeet B660」との二枚看板で用途に合わせて選べるようになったことで、ユーザーとしてはうれしい悩みになりそうです。
関連リンク
製品サイト:ASRock
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