2022年10月4日、SBCメーカーのHardkernelは、ゲームコンソール第4弾となる「ODROID-GO ULTRA」を発売しました。
スペック
■ ODROID-GO ULTRA | |
SoC | Amlogic S922X |
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メモリ | 2GB LPDDR4x-3200 |
ストレージ | 16GB eMMC |
画面 | 5インチ 854×480 |
インターフェース | USB Type-C(2.0)×1 USB 2.0×1 microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 非対応(USBアダプタ) |
バッテリー | 4,000mAh(14.8WHr) |
サイズ | 204×86×25mm |
重さ | 299g |
特徴
「ODROID-GO ULTRA」は、小型ゲームエミュレーター機の「ODROID-GO」シリーズの最新モデルとなります。エミュレーターと言ってもあくまで機械のみで、中身は自分で用意する必要があります。
Hardkernelによると、「ODROID-GO ULTRA」は、外観・インターフェースは「ODROID-GO SUPER」(以下OGS)に合わせ、システムは「ODROID-N2+」をベースにしているそうです。
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SoC
「ODROID-GO ULTRA」のSoCは、「ODROID-N2+」と同じAmlogic S922X。
何気に「ODROID-GO」シリーズ初のAmlogic SoCですね。
構成は4コアのCortex-A73と2コアのCortec-A53からなる6コアで、製造プロセスは12nmです。
性能面ではAnTuTu(v8)で総合12.5万点、GPU3.3万点くらいになる模様。
前世代「OGS」のRockchip RK3326だと総合4万点、GPU0.3万点くらいなので、大幅に性能アップしています。
あまりデータは多くないのですが、GeekBench5だと、マルチスレッドで最大700強、シングルスレッドで最大220といったところです。
ブロックダイアグラムはこの通り。
必要なだけの実装なので、使用しているインターフェースは少なめです。
メモリとストレージ
「ODROID-GO ULTRA」のメモリは2GB LPDDR4x-3200。
前世代「OGS」は1GB DDR3Lだったので、容量としては倍増しています。
最近のSBC(シングルボードコンピューター)としてみればやや少ない部類に入りますが、SoCとのバランスを見るとこんなものですね。
また、メモリの高速化はグラフィック性能にも影響し、2D/3D性能は「ODROID-N2+」比で1.2倍になったとのこと。
ストレージは16GB eMMC。microSDで増設することもできます。
実は「OGS」では内蔵ストレージがなくmicroSDのみだったので、OSを内蔵ストレージにインストールことで起動が大幅に高速化、耐久性も向上(microSDは頻繁な読み書きに弱い)したとのこと。
その他
画面は5インチ854×480のFWVGA(フルワイドVGA)です。これは「OGS」と同じです。
FC:256×240
SFC:56×224,512×224,256×239,512×239(ノンインターレース)
GB:160×144
GBA:240×160
N64:256×224~640×480
SS:320×224(ノンインターレース)~704×480(インターレース)
PS1:256×224~640×480
PS2:720×480(インターレース)
PSP:480×272
FCマリオ(小):12×16
Wi-fi/BTは内蔵せず、USBアダプタでの対応となります。
バッテリーは3.7V/4,000mAhのリチウムポリマーバッテリー。
この辺りは「OGS」と共通しています。
対応OSはUbuntu 20.04ですが、S922Xはやや古めのSoCなので、非公式でいろいろなOSが動くでしょう。
なお、OSインストール(リカバリーモード)などの方法は公式Wikiにまとめられています。
外観
外観は「OGS」をベースとしており、見分けがつきません。
なのでボタン配置も最近はやりの”Nintendo Switchのようなスティック位置が左右非対称”ではありません。
カラーバリエーションとしてクリアホワイトが用意されています。
内部のボードはこんな感じ。
インターフェースが少ないので、スカスカです。
バッテリーとヒートシンクを付けたところ。
「OGS」は(低性能低発熱なので)ヒートシンクがありませんでしたが、「ODROID-GO ULTRA」では筐体が許す範囲での大型ヒートシンクとなっています。
表側(ディスプレイ側)です。
こちらもシンプルです。
充電高速化用のUSBケーブル。
「ODROID-GO ULTRA」はデュアルPMIC(パワーマネジメントIC)構成なので、USBポートを2つ使って充電を高速化できるそうです。
といっても両ポート合わせて1.5Aなようですが。
まとめ
「ODROID-GO ULTRA」の価格は111ドル(約1.6万円)。
「OGS」の80ドルからだいぶ値段が上がりましたが、SoCの性能アップ、メモリ増量、内蔵ストレージ追加と、変更内容を考えれば納得の範囲です。…円安がなければなぁ…
最近はゲーミングUMPCが爆発的に増えていますが、価格的にはまだ住み分けはできています。
とはいえAYN「Loki」シリーズなんかは199ドルからだったりしますし、性能当たりのコストではだいぶ不利になってきているのも確かです。
なんとなくの予想ですが、低価格エミュレータはオープンライセンスなRISC-Vに舵を切って、100ドル未満の世界を作るんじゃないかなぁと。
そうなったら面白いですね。
あと遂に、開発機という建前上の10ピン GPIOは触れられることすらなくったのはどうなんだろう…
関連リンク
ODROID-GO ULTRA Clear White:Hardkernel
ODROID-GO ULTRA Dim Gray:Hardkernel
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