だいぶ切り詰めてる。HARDKERNEL「ODROID-N2L」は寸詰まりサイズでS922X搭載でも69ドルと安めのSBC

シングルボード

2022年11月8日、SBCメーカーのHARDKERNEL社は、Amlogic S922Xを搭載したSBC「ODROID-N2L」を発売しました。

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スペック

■ ODROID-N2L
CPUAmlogic S922X
メモリ4GB LPDDR4
ストレージeMMC&microSD
インターフェースUSB 3.0×1
USB 2.0×1
HDMI
wi-fiなし
サイズ69×56×32mm
重さ50g / 66g(ファン込)

モデル名Odroid-N2L
メーカーHardkernel
発売日2022/11
価格59ドル(2GB)
69ドル(4GB)
価格(日本円)
CPUAmlogic S922X
(2.2GHz A73 x 4 + 2.0GHz A53 x 2)
GPUMali-G52
NPU
メモリー4GB LPDDR4-3200
サポートOSUbuntu 22.04
Ubuntu 20.04
Android 9
有線LAN×
Wi-fi×
Bluetooth×
チップ
ストレージeMMCソケット
microSD
USB3.0 x 1
2.0 x 1
GPIO40pin x 1
映像HDMI(2.0a 4K/60Hz)
MIPI-DSI
カメラ×
オーディオジャック×
その他インターフェースUART
消費電力5.4W / 5.8W(ファン込)
電源DC 7.5~16V
69mm
奥行き59mm
高さ22mm
その他高さ32mm
重さ:50g / 66g(ファン込)

特徴

「ODROID-N2L」は同じ「N2」シリーズの「ODROID-N2+」をベースにした廉価バリエーションモデル、という位置づけです。
インターフェースも違うし、そもそもサイズも違うし、SoCが同じっていう以外の共通点はないんですけど。

リリースノートによると、「ODROID-N2L」はB2Bにおける「比較的コンパクトで費用対効果が高く、シンプルでありながら高性能なSBC」という要求から誕生したものだとのことです。

SoC

「ODROID-N2L」のSoCは「N2」シリーズ共通の、Amlogic S922Xです。
S922Xは8コアのCPU(4コアのCoretx-A73と、4コアのCortex-A53)に、グラフィックはMali-G52(800MHz)から構成されます。

CPU動作周波数はややオーバークロックで、「ODROID-N2L」ではA73が2.2GHz、A53が2.0GHzです。
「N2+」ではそれぞれ2.4GHz、2.0GHzなので、最大性能はわずかに下がります。

ただ、後述するメモリの高速化の恩恵で、全体的なパフォーマンスは1割から2割アップしたとのこと。

他との比較が分かりにくいので、もうちょっと数字を出すと、AnTuTuが総合12.6万点、GPU3.3万点(1.8GHz動作時)。GeekBench 5では500~700くらいになるようです。
Rockchip RK3399が700前後なので、CPU性能的には同等クラスと言えます。

ブロックダイアグラムはこのようになっています。

メモリとストレージ

メモリは2GBまたは4GB LPDDR4
「ODROID-N2+」(DDR4-2666)より20%高速化したとあるので、おそらくはLPDDR4-3200でしょう。

ストレージはmicroSDかeMMC。
標準ではストレージなしで、底面にeMMCスロットが用意されています。

その他

ネットワーク接続はなし。有線LANすらありません
無線LANはUSBドングルで対応することになります。

無線LAN使用時はこんな感じです。

電源は5.5mm/2.1mmのバレルジャックで、対応電圧は7.5~16V(12V推奨)。
消費電力は通常時(2.2GHz)で6.1W、オーバークロック時(2.4GHz)で6.4W(いずれもクーリングファン込)とされています。

OSはUbuntu 22.04/20.04とAndroid 9。
メモリがDDR4からLPDDR4に変更された関係から、「N2+」用イメージでは起動しません

外観

A. Amlogic S922X CPU
B. LPDDR4 RAM
C. DC Power Jack
D. HDMI 2.0
E. 上:USB 3.0, 下:USB2.0
F. MIPI DSI 4Lane Connector(TBD)
G. Micro SD Slot
H. UART for System Console
I. Fan Connector
J. 40ピンGPIO
K. eMMC Module Socket

ボードサイズが69mm×56mmとコンパクトなため、インターフェースはかなり絞られています。
LANポートすらないのは意外ですね。

microSDスロット(G)は浅型で、差し込み時は結構飛び出す仕様。
常用には向かないので、運用はeMMCを使えってことでしょう。

斜めから見るとこんな感じです。
クーリングファンはヒートシンク埋め込み型で、高さが抑えられています。

ヒートシンクでのファンレスに変更もでき、その場合はこんな感じになります。

まとめ

「ODROID-N2L」の価格はクーリングファン込みで2GBモデルが59ドル(約8,000円)4GBモデルが69ドル(約9,400円)です。
「N2+」の価格がそれぞれ66ドル、83ドルなので、だいぶ安くはなっています。

とはいえ、ストレージ(eMMC)は別売りで、最小の8GBで12.9ドル、手ごろな32GBが26.9ドル、最大の128GBが45ドルです。

性能そのままに小型化して組み込みしやすく、そして安価にというのは分かりやすい反面、有線LANまで削ってしまったのがどう出るかは気になるところ。
B2Bでの要求ということから組み込み向けの制御ボードとしての用途がメインなのでしょうが、一般受けはしにくそうです。

なにせ、一般向けだと「Orange Pi 5」がハイパフォーマンスなRK3588Sにメモリ4GBで60ドル、メモリ8GBで75ドルですからね…

関連リンク

ODROID-N2L with 4GByte RAM:HARDKERNEL
ODROID-N2L with 2GByte RAM:HARDKERNEL
リリースノート:HARDKERNEL
ODROID-N2L:ODROID Wiki

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