2022年12月16日、Cool Piという新興SBCメーカーが、Rockchip RK3588Sを搭載したSBC「CoolPi 4B」を発表、発売しました。
スペック
モデル名 | CoolPi 4B |
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メーカー | Cool Pi |
発売日 | 2022/12 |
価格 | 142ドル (4GB/No eMMC) 165ドル (4GB/64GB) 156ドル (8GB/No eMMC) 180ドル (8GB/64GB) 185ドル (16GB/No eMMC) 210ドル (16GB/64GB) |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3588S (8コア) (2.4GHz A76×4 + 1.8GHz A55 x4) |
GPU | Mali G610 MC4 |
NPU | 6TPOS |
メモリー | 4〜16GB LPDDR4 |
サポートOS | Linux |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 〇 |
Bluetooth | 〇 |
チップ | RTL8211HS |
ストレージ | eMMC microSD |
USB | 3.0 x 2 2.0 x 2 |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | microHDMI (2.1) miniDP (1.2) MIPI-DSI |
カメラ | MIPI CSI |
オーディオジャック | ○ |
その他インターフェース | |
消費電力 | |
電源 | Type-C |
幅 | 85mm |
奥行き | 56mm |
高さ | |
その他 |
特徴
Cool Piは新興というか、どうも「CoolPi 4B」が初製品のようです。
企業情報がまったくなく、どういう背景や経緯を持っているのか(例えばどこかのメーカーの社員が独立したとか)は分かりませんでした。
「CoolPi 4B」はいわゆるラズパイクローンの一つで、インターフェース配置の再現度はかなり高いです。
SoC
「CoolPi 4B」のSoCはRockchip RK3588Sです。
おそらく今一番人気のSoCで、がじぇっとりっぷでもRadxa「Rock 5A」やKhadas「Edge 2」など、搭載SBCを多数紹介しています。
RK3588S | RK3588 | |
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CPU | Cortex A76 ×4 Cortex A55 ×4 | |
GPU | Mali-G610 MP4 | |
NPU | 6TOPS | |
メモリ | LPDDR4x/LPDDR4/LPDDR5 最大32GB | |
映像出力 | HDMI 2.1/eDP ×1 DisplayPort ×1 MIPI DSI ×2 | HDMI 2.1/eDP ×2 DisplayPort ×2 MIPI DSI ×2 |
映像入力 | 48MP ISP MIPI CSI 4×2lane DVP | 48MP ISP MIPI CSI 4×2lane DVP HDMI-IN (4K/60Hz) |
ネットワーク | 1GbE ×1 | 1GbE ×2 |
USB | USB3.1 Gen1(OTG) ×1 USB3.1 Gen1(HOST) ×1 USB2.0 (HOST) ×2 | USB3.1 Gen1(OTG) ×2 USB3.1 Gen1(HOST) ×1 USB2.0 (OTG) ×2 |
PCIe | – | PCIe 3.0 x4 |
Combo PIPE | 2ポート | 3ポート |
低速I/O | SPI ×5 I2C ×9 UART/GPIO ×10 12bit ADC CAN bus ×3 | SPI ×5 I2C ×9 UART/GPIO ×10 12bit ADC |
サイズ | 17×17mm | 21.45×21.45mm |
CPU/GPU/NPU構成はRK3588と同じで、インターフェース周りが簡素化されています。
CPUは4コア2.4GHz Cortex-A76+4コア1.8GHz Cortex-A55、GPUはMali-G610 MP4、NPUは6.0TOPSとされています。
参考 RK3588S データシート:CNS Software ※PDF
性能はGeekBench5では2000点オーバー。近いのはCore i3-1005G1で、旧世代のSBCでよく使われていたRK3399比だと、ざっと3倍です。
“S”なしRK3588のものでサンプル数は3しかありませんが、PassMarkスコアは6000オーバーなので、Celeron N5095(スコア4000)よりも高性能で、Core i5-8250U(スコア5905)と同等ですね。
同じく”S”なしRK3588では、AnTuTu(v9)では54万点を叩き出しています。これはSnapdragon 855(同51万点)より高く、Snapdragon 865(同66万点)より低い程度です。
参考 GeekBench4 Search (RK3588S)
参考 GeekBench5 Search (RK3588S)
参考 PassMark – Rockchip RK3588
参考 Rockchip RK3588 benchmarks:CNX Software
メモリとストレージ
メモリは4GB/8GB/16GBのLPDDR4。
画像で見る限りはSKhynixのチップを使っているようです。
ストレージはeMMCとmicroSD。
eMMCはモジュールタイプで、AliExpressの販売ページではeMMCなしか64GB搭載かを選べます。
その他
無線LANは詳細がいまいちつかめず。Bluetoothはv5.0です。
画像ではCdtechのロゴが映っていますが、Taobaoでは中身はAP6256(Wi-fi 5対応)またはAIC8800(Wi-fi 6対応)と記載されています。
電源はType-C入力で5Vと12Vに対応しています。
電源チップはRockchip RK860-2です。
参考 CoolPi 4B V11 回路設計図:Cool Pi ※PDF
外観
まず、比較対象となる「Raspberry Pi 4」の画像から。
これをベースに「CoolPi 4B」を見てみます。
インターフェースは「Raspberry Pi 4」に相当寄せています。
地味に4ピンのPoE Inputも再現しています。
大きく違うのはmicroHDMI×2をmicroHDMI+miniDPにしていることと、電源ボタンが追加されている辺りでしょうか。
技適がないので日本では使えませんが、セラミックアンテナでWi-fiの感度も向上していそうです。
映像出力については仕様上ではHDMI2.1+DP1.4とありますが、販売ページではHDMI2.0+DP1.2となっています。
とはいえ明記されている8K/60fpsをサポートするのはHDMI2.1だけなので、HDMI2.1+DP1.2が正しいんじゃないかなぁと。
てか、電源チップ(PMU)周りがめちゃくちゃ物々しいなぁ…
裏面にはeMMCソケットとmicroSDスロットがあります。
パッケージ画像ではeMMCライターが同梱されているように表示されていますが…付属するのかは不明です。
まとめ
「CoolPi 4B」の価格は以下の通り。
4GB/No eMMC:142ドル
4GB/64GB:165ドル
8GB/No eMMC:156ドル
8GB/64GB:180ドル
16GB/No eMMC:185ドル
16GB/64GB:210ドル
他社よりはやや高めですが、これが初製品ですし、完全に近いラズパイクローンという付加価値を付けていますし、そのあたりを勘案すると悪くはないですね。
公式サイトはフォーラムのみで、製品ページも存在しないという潔さ。
ただそれなりに更新はされていて、新興のわりに(新興だからこそ?)サポートはがんばっているようです。
現在はRK3588を搭載したコンピュートモジュールを開発しているようです。
しばらくは見守りながら応援したいですね。
関連リンク
Coolpi 4b product spec introduction:Cool Pi
公式サイト:Cool Pi
公式販売ページ:AliExpress
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