2023年1月22日、Radxaは公式フォーラム上でRockchip RK3588Sを搭載したSBC「ROCK 5A」を公開、事前予約の受付を開始しました。
スペック
モデル名 | Rock 5A |
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メーカー | radxa |
発売日 | 2023/01 |
価格 | 99ドル(4GB) 119ドル(8GB) 159ドル(16GB) |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3588S (8コア) (2.4GHz A76×4 + 1.8GHz A55 x4) |
GPU | Mali G610 MC4 |
NPU | 6TOPS |
メモリー | 4〜16GB LPDDR4x |
サポートOS | |
有線LAN | 1GbE x 1 (PoE対応) |
Wi-fi | M.2 Key-E |
Bluetooth | |
チップ | |
ストレージ | microSD eMMC |
USB | 3.0 x 2 2.0 x 2 |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | HDMI(micro) x2 MIPI-DSI |
カメラ | MIPI-CSI x 1(4lane) |
オーディオジャック | ○ |
その他インターフェース | RTCコネクタ |
消費電力 | |
電源 | Type-C |
幅 | 85mm |
奥行き | 56mm |
高さ | |
その他 |
特徴
「ROCK 5A」は2022年に発売された「Rock 5B」の兄弟機のような名前ですが、Raspberry PiシリーズのようにWi-fiの有無でAとBを分けているとかではなく、全くの別物です。
まずサイズからして「Rock 5B」は100×72mmなのに対し、「Rock 5A」は85×56mm(推定)と一回り小さいラズパイサイズとなっています。
どっちかと言えば「ROCK Pi 4C Plus」の後継機ですね。
というか、Radxaって”Pi”の付くラズパイ風SBCと、”Pi”の付かない非ラズパイ風に路線を分けていたはずなのに、いつの間にか全モデルから”Pi”が消えています。いつ方針変わったんだろ?
SoC
「Rock 5A」のSoCはRockchip RK3588Sです。
「Rock 5B」はRockchip RK3588でしたが、さすがにパッケージサイズの小さい”S”付きになりました。
RK3588S | RK3588 | |
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CPU | Cortex A76 ×4 Cortex A55 ×4 | |
GPU | Mali-G610 MP4 | |
NPU | 6TOPS | |
メモリ | LPDDR4x/LPDDR4/LPDDR5 最大32GB | |
映像出力 | HDMI 2.1/eDP ×1 DisplayPort ×1 MIPI DSI ×2 | HDMI 2.1/eDP ×2 DisplayPort ×2 MIPI DSI ×2 |
映像入力 | 48MP ISP MIPI CSI 4×2lane DVP | 48MP ISP MIPI CSI 4×2lane DVP HDMI-IN (4K/60Hz) |
ネットワーク | 1GbE ×1 | 1GbE ×2 |
USB | USB3.1 Gen1(OTG) ×1 USB3.1 Gen1(HOST) ×1 USB2.0 (HOST) ×2 | USB3.1 Gen1(OTG) ×2 USB3.1 Gen1(HOST) ×1 USB2.0 (OTG) ×2 |
PCIe | – | PCIe 3.0 x4 |
Combo PIPE | 2ポート | 3ポート |
低速I/O | SPI ×5 I2C ×9 UART/GPIO ×10 12bit ADC CAN bus ×3 | SPI ×5 I2C ×9 UART/GPIO ×10 12bit ADC |
サイズ | 17×17mm | 21.45×21.45mm |
CPU/GPU/NPU構成はRK3588と同じで、インターフェース周りが簡素化されています。
CPUは4コア2.4GHz Cortex-A76+4コア1.8GHz Cortex-A55、GPUはMali-G610 MP4、NPUは6.0TOPSとされています。
参考 RK3588S データシート:CNS Software ※PDF
性能はGeekBench5では2000点オーバー。近いのはCore i3-1005G1で、旧世代のSBCでよく使われていたRK3399比だと、ざっと3倍です。
“S”なしRK3588のものでサンプル数は3しかありませんが、PassMarkスコアは6000オーバーなので、Celeron N5095(スコア4000)よりも高性能で、Core i5-8250U(スコア5905)と同等ですね。
同じく”S”なしRK3588では、AnTuTu(v9)では54万点を叩き出しています。これはSnapdragon 855(同51万点)より高く、Snapdragon 865(同66万点)より低い程度です。
参考 GeekBench4 Search (RK3588S)
参考 GeekBench5 Search (RK3588S)
参考 PassMark – Rockchip RK3588
参考 Rockchip RK3588 benchmarks:CNX Software
メモリとストレージ
メモリは4GBから16GBのLPDDR4x。
ストレージはeMMCもしくはmicroSDです。
M.2 Key-E対応のM.2 SATA SSDも使えます。
その他
無線LANはオンボード非搭載で、M.2 Key-Eで対応。
有線LANは1GbE。チップはRealtek RTL8211Fです。
「Rock 5B」はSBCで2.5GbEってのが一つのポイントだったので、ここは頑張って欲しかったところ。
汎用のCAN busを使っていない感じなので、行けそうなものですが…
外観
「Rock 5A」の公開されている画像はこの2枚だけです。
microHDMI×2など、インターフェース配置は「Raspberry Pi 4」準拠となっています。
ディスプレイ出力(MIPI-DSI)とカメラ入力(MIPI-CSI)ではコネクタが違う点に注意。
MIPI-CSIは4レーンまたは2レーン×2として使うことができるとのこと。
電源管理チップはradxaのオリジナルらしきチップが搭載されています。
これ、「Rock 4」にも使われています。
まとめ
「Rock 5A」は「Rock 5B」でも行った、5ドルのR3コード(Radxa ROCK5 Redeem Code)を購入するという形で予約を受け付けています。発送は2023年2Qの予定。
本来の価格と予約価格は以下の通り。
・メモリ4GB:99ドル → 69ドル
・メモリ8GB:119ドル → 89ドル
・メモリ16GB:159ドル → 129ドル
価格は「Rock 5B」より30ドル安くなっています。RK3588とRK3599Sの調達価格の差や2.5Gb → 1GbEのダウングレードを考えると、30ドル差は納得できますが…安いですねぇ…
メモリ4GBモデルとか、RK3399搭載SBCと変わらない価格なんですけど?それでいて性能は3倍とか。
これ、量産が進めばこれまでのラズパイフォームファクタなSBCを駆逐するんじゃなかろうか。
少なくとも「Raspberry Pi 4」スタイルは安価で低スペックなものくらいしか生き残れなさそう。あとは「Pi 3」スタイルとか。
販売経路が薄いのが弱点ですが、独自スタイルの「Rock 5B」と合わせて、2023年のSBC界隈を席巻しそうな気がします。
関連リンク
Introduce ROCK 5A – Gift for the year of rabbit:Radxa forum
Rock5 Model A Pre-order:AllnetChina
コメント
途中からRock5AがRock5Bになっているような?
コメントありがとうございます。
本当ですね。修正いたしました。
ご指摘ありがとうございした。
NPUの演算能力は6TOPSですね?
ご指摘ありがとうございます。
TPOSとなっていた部分を修正いたしました。
本家のRasPi以外は、いずれのSBCも、GPIOプログラミングへのサポートが弱いく、それなりに性能が必要なプロトタイプ作成などに使えない感じがあるので、もう少しメーカからの資料や事例等の提供があるといいですね。
もうミニLinux/Androidセットトップボックスしか用途を考えてないのかな?