2022年はGB単価が6円(=1TBで6,000円)くらいの格安SSDが相次いで登場、ホリデーシーズン前には大手メーカーも参入しています。
古くは2018年頃にSUNEASTなどが激安SSDの販売を始めましたが、当時はかなり胡散臭く、黒片(選別落ちNAND)が使われているのではないかとか、チップ表面の型番が書き換えられているとか、様々に検証が行われていました。
最近ではトレンドが変わっていて、DRAMキャッシュレスが格安SSDの主流となっています。
というか、DRAMキャッシュレスが登場してから、大手も参入するようになったと言ったほうが流れとしては正しいですね。
Team CX2
今回検証するのはこれ。TEAMGROUP(Team) CX2の2TBモデル(型番:T253X6002T0C101)です。
もともと検証用ではなくデータバックアップ用として購入したので、大容量です。
3D NANDチップを採用で、DRAMキャッシュの代わりにSLCキャッシュ(記憶領域の一部を高速に書き込める疑似SLCモードにしてキャッシュ領域として使う技術)を採用しています。
高価なDRAMチップを使わないことでコスト削減を実現しているわけです。
参考 SSDの基本的な知識を身に着けましょう! 大容量SSDは意外なメリットもあります:TEAMGROUP Blog
記事によると、空き容量の30%を割り当てるとのこと。
裏側にはリード最大540MB/s、ライト最大490MB/sとあります。
チェック環境
本体です。
封印シールがあり、ガワを開けると保証が切れます。
検証はLenovo「M75q-Gen2」で行いました。

フォーマットを行ったところ、実容量は1.86TBとなりました。
「SSD-Z」で中身を確認。
NANDの種類やコントローラが空白。そこが知りたいんですけど?
簡易ベンチマークではリード58,000IOPSとなりました。
ベンチマーク
CrystalDiskMarkでのチェック
ストレージベンチの定番、CrystalDiskMarkです。
データサイズを1GB、4GB、16GBでテストしましたが、いずれもスペック通りのシーケンシャルリード540~550MB/s、シーケンシャルライト480MB/s前後でした。
ランダムリードはあまり安定せず、ランダムライトはデータサイズが大きくなると低下する傾向にあるようです。
H2twstwでのチェック
大体380~388MB/sくらいで転送できています。
平均速度が下がってきました。どうやら空の状態でのSLCキャッシュは約600GBだったようです。
このことから前述の通り、空き容量の3割程度がSLCキャッシュに当てられているようです。
リードは終始380MB/s台をキープ。
最終的な結果。
ファイル転送
最後は手動での検証。
空き容量10GBで、10GBのファイルを転送。
このくらいの容量だと、キャッシュ関係なく最後まで400MB/sオーバーで突っ走れるようです。
空き容量100GBで、100GBのファイルを転送。
3割を過ぎたところでキャッシュが切れ、80~130MB/sの波を描くようになりました。
7割を過ぎると極端に落ち込みます。
その後、回復。
おそらくはキャッシングし直しとか何らかの処理が走ったのでしょう。
これ以上は、転送元の容量が足りないので割愛。
まとめ
DRAMキャッシュの代わりにSLCキャッシュを使った格安SSDは、巨大なファイルを一気に流し込まない限りは普通に使えそうです。
まぁ巨大なファイルを流し込んだら、DRAMキャッシュ付きでも速度低下は発生するんですけど。
動画編集のような巨大ファイルの読み書きが発生する環境であれば、あきらめてM.2 SSDの容量を増やしましょう。
SLCキャッシュSSDのメリットとしては空き容量が多いときはDRAMキャッシュよりキャッシュできる容量が多いこと。
逆に容量が少なくなるとキャッシュが効きにくくなるので、最大容量の8割程度に抑えるのが、無難な使い方でしょう。
ただ、無難な使い方をするとですね。GB単価が10円になる(2TBの場合、1.6万円で使用容量1.6TB)ので、DRAM搭載SSDとGB単価が変わらなくなるんですよね…
とはいえDRAMキャッシュ付きだろうが容量の8割も使えばだいたいは次を用意すると思いますし、ことさらに気にする必要はなく、NANDチップの品質が信頼できそうな大手メーカー製なら普通に使える安いSSDとして扱って問題なさそう。
気にるところとしてはNANDの書き換え回数くらいでしょうか。
SLCキャッシュとして使われるときもカウントされるので、TLCチップなら半分の500回くらいを目安にするとよさそうです。
なお、今後はこのSSDがファーストバックアップ、これまでのモバイルHDDがセカンドバックアップとなる予定です。
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