ミニサイズに詰め込みまくり。Banana Pi「BPI-R3 Mini」はデュアル2.5gbEな小型のルーターボード

シングルボード

2023年4月9日、Banana PiはMediaTek MT7986(Filogic 830)を搭載したルーターボード「BPI-R3 Mini」を発表しました。

「Banana Pi」はwiki公開から発売までが長いので、もうそこは諦めて気付いたときに記事にすることにします。

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スペック

■ Banana Pi BPI-R3 Mini
CPUMediaTek MT7986
4コア A53
メモリ2GB DDR4
ストレージ8GB eMMC
M.2 Key-M
インターフェースUSB 2.0×1
2.5GbE 有線LAN×2
nanoSIM
wi-fiWi-fi 6
電源12V@2A
サイズ測定中

特徴

「BPI-R3 Mini」は「BPI-R3」の小型版で、SoC/メモリ/ストレージという基本スペックは同じです。
流石にインターフェースは異なりますが、ルーターとして必要な部分はなるべく減らさない方向で頑張っています(とはいえサイズ的な制約でだいぶ減ってはいますが)。

要素盛り過ぎ! 「Banana Pi R3」は2.5GbEにWi-fi 6E対応な無線LANルーターボード

Banana Pi BPI-R3:AliExpress

なお、開発チームが「Sinovoip and Foxconn team」から「BIPAI KEJI」(2021年11月~12月)を経て「Banana Pi team」(2022年1月~)に変更されています。

CPU(SoC)

「BPI-R3 Mini」のSoC(System on Chip)は「BPI-R3」と同じMediaTek MT7986(Filogic 830)です。
このSoCは市販ルーターでも採用されていて、TP-Link AX6000に使われています。

Filogic 830は2021年10月に発表されたSoCで、2.4GHz帯と5GHz帯それぞれが4×4 MIMO対応、合計6Gbpsの無線LAN帯域を持ち、有線も2.5GbE×2のインターフェースを持っています。
また「MediaTek FastPath」という技術に対応し、ゲームやVR等の低遅延が要求されるアプリケーションをサポートしています。

出展 联发科发布MT7986方案支持Wi-Fi 6/6E:CSDN

さらに言うと、SATA搭載のMT7986Aと比搭載のMT7986Bがあるようですが、公開されている情報が少なく、詳細は不明です。

「BPI-R3 Mini」の場合、MT7986Aのようですが、そこまで細かく言及されていないんですよね…

参考 MediaTek Filogic 830:MediaTek
リリースノート MediaTek Announces Filogic Connectivity Family with New Filogic 830 and Filogic 630 Wi-Fi 6/6E Chips:Mediatek

メモリとストレージ

メモリは2GB DDR4で固定です。4GBなどのオプションも用意されていないようです。「BPI-R3」ではLPDDR3だったので、ちょっとだけ早くなりました。
ただ、公式仕様だとMT7986(Filogic 830)のメモリはDDR3/Lとされているので、本当にDDR4なのかなぁと

ストレージは8GB eMMC。これも「BPI-R3」と同じですね。

外付けストレージとしてはM.2 Key-Mがあります。microSDはありません。多分スペースが確保できなかったんだと思います。とはいえルーターボードなんて長期運用が前提の場合が多いですし、耐久性に難のあるmicroSDよりこっちの方がいいのかもしれません。
Key-Mの規格は不明。「BPI-R3」ではPCIe 2.0 x2でした。PCIe 2.0 x2は片方向1.0GB/s(=1,000MB/s)なので、同じであればエントリークラスのM.2 SSDでちょうどいい感じですね。

その他

無線LANは802.11ax(Wi-fi 6E)に対応しています。
MT7975N(2.4GHz)とMT7975P(5GHz)の2つのチップを使うことで2.4GHz帯と5GHz帯それぞれが4ストリームに対応、最大4804+1147Mbps(=合計6Gbps)となります。無線LANルーターの上位機種並みの速度です。
Wi-fi 6Eには対応していません。

有線LANは2.5GbE×2。サイズ的に2ポートが限界です。

ボード上には上記のM.2 Key-M(2230サイズ)の他にM.2 Key-B(2242/3042)スロットがあり、4G/5Gカードに活用できます。

電源は12V/2Aで、Type-C端子を使います。

外観

インターフェースです。詰め込みっぷりがすさまじいですね。
LAN端子のサイズからして58~60mm角といったところでしょうか。

見た感じ回路の簡略化の余地がありそうな雰囲気(というかこの画像自体、試作品のものっぽい雰囲気)なので、発売時にはブラッシュアップされているかも。

SoCの上には電源・SYS・2.4GHz・5GHz・LTE・SSDの6個のアクセスランプが並んでいます。

背面にはSSDおよびLTEモジュールを取り付けることができます。
特にLTEモジュール用スロットは「BPI-R3」のminiPCIeからM.2 Key-Bに変更されたことで、5G対応カードが選択できるようになりました

ケースはこんな感じ。
SoCが底面にきているので、ヒートシンクの溝が接地面側になっています。これは逆の方がよかったのでは…?

まとめ

「BPI-R3 Mini」の価格・発売日は不明。3か月以内に発売されたら早い方かなぁと。
価格については「BPI-R3」が91.58ドル(約12,800円)+送料なので、それよりは安くなると思います。

スペック的にはそれほど高くないものの、小型のルーターボードとしては実用的な内容で、VPNゲートウェイとしても使えますし、M.2 SSDにデータを置いてミニサーバーにするのもいいでしょう。4G/5Gカードを挿して農業IoTなどの屋外IoTのハブにしてもいいかもしれません。

消費電力と価格次第ですが、75ドル(約10,000円)を切って登場すれば、結構注目を集めそうです。

関連リンク

Banana Pi BPI-R3 Mini Router board with MediaTek MT7986:Banana Pi
Banana Pi BPI-R3 Mini:Banana Pi wiki

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