2023年5月11日、UMPCメーカーのGPDは、クラウドファンディングサイトのINDIEGOGOでRyzen 7040Uシリーズ搭載ゲーミングUMPC「WIN Max 2(2023)」のファンディングを始めました。
GPD WIN Max 2 Handheld Gaming PC 7840U 64GB RAM:INDIEGOGO
スペック

■ WIN Max 2(2023) | |
CPU | Ryzen 7 7840U Ryzen 5 7640U |
---|---|
メモリ | 16~64GB LPDDR5x-7500 |
ストレージ | 1~2TB Gen3 SSD |
画面 | 10.1インチ IPS WQXGA |
インターフェース | Type-C(USB4)×1 Type-C(Gen2)×1 Oculink×1 USB 3.2 Gen2×2 HDMI2.1 SD&microSD オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.2 |
バッテリー | 67WHr |
サイズ | 227×160×23mm |
重さ | 1.005kg |
特徴
「WIN Max」シリーズは2020年の初代から毎年発売されていて、「WIN Max 2(2023)」で4代目です。
2020年:WIN Max – Core i5-1035G7
2021年:WIN Max(2021) – Core i7-1195G7 / Ryzen 7 4800U
2022年:WIN Max 2 – Ryzen 7 6800U / Core i7-1260P
2023年:WIN Max 2(2023) – Ryzen 7 7840U / Ryzen 5 7640U
「WIN Max 2」からは画面が8インチ(1280×800)から10.1インチ(1920×1200)に大型化、その分筐体も一回り大きくなっています。
CPU
「WIN Max 2(2023)」のCPUは、Ryzen 7 7840UまたはRyzen 5 7640Uです。
Ryzen 7 7840U搭載機はまだ出回っておらず情報が薄いのですが、GeekBenchではRyzen 9 6900HXと並ぶスコアとなっているようです。
Ryzen 5 7640Uはデータが少なく断言はできませんが、コア数(Ryzen 7が8コア、Ryzen 5が6コア)に応じたスコアとなるようです。
参考 Geekbench 5 CPU Search(Ryzen 7 7840U)
参考 Geekbench 5 CPU Search(Ryzen 5 7640U)
グラフィックについてはTDPが違うものの、同じAMD 780Mを搭載するRyzen 7 7840HSのスコアを参考にすると、GeForce GTX 1650 Mobileと同等レベルにはなりそうな雰囲気。
Ryzen 6000シリーズのRDNA2でもIntel Iris Xeを逆転していたのに、さらに突き放しています。
ゲーミングではWUXGA解像度でも設定次第でおおむね60FPS以上を保てるようです。
メモリとストレージ
メモリはRyzen 5 7640Uモデルが16GB、Ryzen 7 7840Uモデルが32GBまたは64GBで、どちらもLPDDR5x-7500です。
AOKZOE「A1 Pro」と同じく、64GBモデルが用意されているのがいいですね。今後登場する他のUMPCも64GBモデルが出てきそうな空気がいい感じ。

ストレージはRyzen 5 7640Uモデルが1TB、Ryzen 7 7840Uモデルが2TB。ただしどちらもPCIe Gen3 SSD(2280サイズ)となります。
底面にM.2 2230 SSDスロットを備え、両スロットともPCIe Gen4に対応しているので、換装すればGen4 SSDの速度を出せます。ただし換装時は片面実装品のみの対応となります。
その他
無線LANは802.11axに対応。これがWi-fi 6なのかWi-fi 6Eなのかは不明です。Bluetoothは5.2です。
有線LANはありません。
バッテリーは67WHr。稼働時間は軽作業で14時間、ゲーミングで5時間とされています。
充電は100W PDに対応し、0%から50%まで20分で充電可能。また5分の充電で最大2時間稼働とのこと。
外観
全体とサイズ感。
画面は10.1インチで解像度はWQXGA(2560×1600)、標準ではWUXGA(1920×1200)に設定されています。
色域は80.2% DCI-P3で、輝度は最大400nits。10点マルチタッチと最大4096段階筆圧のスタイラスペン(MPP2.0)に対応しています。この辺りは旧モデルと同じです。
インターフェースです。
USBが一つ減り、代わりにOculink (SFF-8612)という端子が登場しました。
OculinkはUSB4/Thunderbolt3(40Gbps)を超える63Gbpsで接続でき、対応製品として外付けGPU BoxとなるGPD「G1」(後述)が用意されています。
この63Gbpsという数値はPCIe Gen3 x8(もしくはGen4 x4)接続の理論値なので、実態としてはASUS ROG XG Mobileシリーズ(Gen3 x8接続)と同等なものと考えてよさそうです。
microSDはUHS-I対応でリード160MB/s、ライト120MB/s。
SDスロットはUHS-II対応でリード・ライトともに312MB/sとなっています。ここも旧モデルと同じですね。
底面にはM.2 2230 SSDスロット。
反対サイドにはSIMスロット。
これまでオプションだったものが、標準搭載になりました。帯域はFDD:B1/B3/B5/B8、TDD:B34/B38/B39/B40/B41です。
2023年5月19日追記:標準ではなくオプションでした。モジュールはAliExpress上のGPD公式ストアで購入できるようです。帯域についてはちょっと怪しくて、スペック表情では上の帯域ですが、FAQでは以下の帯域となっています。FDD: B1/B2/B3/B4/B5/B8/B12/B13/B18/B19/B20/B25/B26/B28 TDD: B38/B39/B40/B41
冷却は底面吸気、背面排気。
キーボードです。上部にゲームパッドが付いている点や2段階のキーボードバックライトなどは従来と同じです。
前述のOculinkでGPD「G1」と接続したところ。
「G1」はTGP120WのRadeon RX 7600M XT(8GB GDDR6)を内蔵し、強力なグラフィック能力を「WIN Max 2(2023)」に与えてくれます。
噂レベルですが、2023年は「Win2」の後継となる「Win Mini」、「P2 Max」の後継となる「P4 Max」が計画されていて、どちらもOculinkを搭載するとか。
「G1」はドッキングステーションも兼ねています。
まとめ
「WIN Max 2(2023)」のファンディング価格は以下の通り(日本円表記は記事執筆時レート)。
Ryzen 5 7640U/16GB/1TB:799ドル (約10.7万円)
Ryzen 7 7840U/32GB/2TB:1,049ドル (約14.1万円)
Ryzen 7 7840U/64GB/2TB:1,199ドル (約16.1万円)
G1:+643ドル (約8.65万円)
スタイラスペン:35ドル (約4,800円)
流石にGPU Boxセットだといいお値段となります。
というかRyzen 5モデルの、かつてのDELL XPSシリーズのごとく最低価格表示だけのために存在している感が…
本体もそれなりに高いのですが、「WIN Max 2」の6800U/16GB/1TBの国内流通価格が16万円台であることを考えると、高くはないんですよね。
また、ROG XG Mobileシリーズの独自規格端子と違ってOculink (SFF-8612)は汎用規格なので、他のメーカーが参入してくる可能性もゼロとは言い切れません。
GPDがバリエーションとしてGeForce RTX 40シリーズ版を出すとか、他社からGPU Boxが登場するとか、いろいろ夢想できるところもロマンがあります。
というか、Radeonはローカル版のStable Diffusionが壊滅的なので、ぶっちゃけGeForce搭載版の方が求められていると思う。
関連リンク
GPD WIN Max 2 Handheld Gaming PC 7840U 64GB RAM:INDIEGOGO
GPD WIN Max 2 2023:GPD
コメント
この記述の出典はどちらでしょうか。
>これまでオプションだったものが、標準搭載になりました。帯域はFDD:B1/B3/B5/B8、>TDD:B34/B38/B39/B40/B41です。
クラウドファンディングのFAQページにはlteモジュールを購入しろとあります。
>Does it support mobile internet?
>Yes, but you need to purchase a 4G LTE module. The 4G LTE module supports GSM, >so you can connect Internet anytime, anywhere!
また、DisscusionでもGPDがアリエクスプレスのモジュール購入ページに誘導しています。
>GPD HK
>PROJECT OWNER
>➦crank30
>Thanks for your support! You can buy 4G module from our aliexpress >store.https://www.aliexpress.com/item/1005005561054760.html?>spm=5261.ProductManageOnline.0.0.2e9c7197JPdUDr
コメントありがとうございます。
確かによく読むとオプションでした。下の方のスペック表ではオプションと書かれていなかったので、標準搭載と勘違いしていました。
記事を修正いたしました。
ちなみに国内向けは天空取り扱いのものが使えるんじゃないかなぁと。
https://gpd-direct.jp/products/gpd-win-max2-4glte