2023年4月27日、NASメーカーのASUSTORはM.2 SSD専用NAS「Flashstor FS6712X」および「Flashstor FS6706T」を発表、翌28日に発売しました。
スペック

■ Flashstor FS6712X/FS6706T | |
CPU | Celeron N5105 |
---|---|
メモリ | 4GB DDR4-2933 |
ストレージ | 8GB eMMC M.2 NVMe×12ベイ (FS6712X) M.2 NVMe×6ベイ (FS6706T) |
インターフェース | USB 3.2 Gen2×2 USB 2.0×2 HDMI 10GbE 有線LAN×1 (FS6712X) 2.5GbE有線LAN×2 (FS6706T) S/PDIF |
wi-fi | なし |
サイズ | 308.26×193×48.3mm |
重さ | 1.37kg (FS6712X) 1.35kg (FS6706T) |
特徴
「FS6712X/FS6706T」はM.2 SSDだけを内蔵できる小型のNASです。
同様のコンセプトのNASはQNAP「TBS-464」や「TBS-453DX」があります。

CPU
「FS6712X/FS6706T」のCPUはJasper Lake世代のCeleron N5105。
2023年は次の世代のAlder Lake-Nが登場しましたが、ぱっと出せるミニPCはともかく、作り込や検証に時間のかかる組み込み系ではいまだJasper Lakeが主流です。移行が始まるのは早くて今年後半、搭載機種が増えるのは来年になるでしょう。

CPU性能は前世代のCelron J4125比でおよそ3割増しとなります。
PassMarkスコアが4000を超えているので、メモリ次第ではVM(仮想マシン)も1台か2台程度であれば動かしても支障はないと思います。
気になるのが、Celeron N5105はPCIeがGen3でしかも8レーンしか持っていない点。
ネットワークに2レーン取られるので、おそらく残りの6レーンでまかなっていると思われます。12ベイだと2枚あたりに1レーンなので、速度は全く出ないですね。
メモリとストレージ
メモリは両モデルとも4GB DDR4-2933。2スロットで最大16GB(8GB×2)まで換装できます。
まぁ経験上、シングルランクであれば32GB(16GB×2)も可能と思います。Alder Lake-Nは仕様的に1枚になったので、2枚刺しはJasper Lakeの数少ない優位点です。

ストレージはOS用として8GB eMMCを内蔵。
ストレージベイは「FS6712X」がM.2 NVMe SSD×12枚、「FS6706T」がM.2 NVMe SSD×6枚です。
記事執筆時点の市販のM.2 SSDの最大容量は8TBなので、1台で最大96TBが出来るという。インパクトあるなぁ…
その他
無線LANは非搭載。
有線LANは「FS6712X」が10GbE×1、「FS6706T」が2.5GbE×2です。
転送速度は「FS6712X」がリード1,181MB/s、ライト1,027MB/sで、「FS6706T」がリード590MB/s、ライト583MB/sとなっています。
なんというか、ネットワークの限界って感じですね。そのうち一般向けでも40GbEとか搭載するようになるんだろうか。
電源は「FS6712X」が90W、「FS6706T」が65Wと、ここも小さな差があります。
外観
正面からは両モデルとも外観は同じです。
サイズは308.26×193×48.3mm。14インチノートを2枚重ねたくらいです。
背面インターフェースも、有線LAN以外は同じ。
変わっているのがS/PDIFを備えている点。アプリの一つにHi-Res Playerがあり、高音質ファイルの再生を楽しめるとのこと。
あと、ゴム脚の配置的に真上に重ねることもできるようです。
内部ファンは80mm×1。
底面吸気でCPUとSSDを冷やします。待機時音量は18.7dBとのこと。
USB接続の増設ユニット「AS6004U」を使えば、高速なデータ管理と大容量アーカイブを両立できます。
まとめ
「FS6712X」の価格は129,000円、「FS6706T」は72,900円です。
ニッチなところを突いてきた割に、極端に高いというわけでもありません。PC向けM.2対応RAIDコントローラでも8枚用で12万円くらいしますし。むしろ安いのでは?
M.2×12枚とかロマンしかないですし、M.2 SSDは今後も大容量化が進められるだろうし、多分このジャンルは細々と続くでしょう。
ついでにUSB接続のM.2 SSDエンクロージャも出してくれないかなぁ。
コメント