がじぇっとりっぷがタイムセール記事でたびたび取り上げているタブレットがAlldocube「iPlay50 Pro」。
Helio G99というミドルクラスのSoCを搭載しながら実売価格が2万円台前半と安く、「これは当たり機種だ!」と確信を持ったので、自腹レビューしてみました。
Alldocube iPlay50 Pro
■ Alldocube iPlay50 Pro | |
CPU | Helio G99(MT6789) |
---|---|
メモリ | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB UFS2.1 |
画面 | 10.36インチ IPS 2000×1200 |
インターフェース | USB Type-C(2.0)×1 microSD オーディオジャック |
カメラ | 前:500万画素 後:800万画素 |
wi-fi | 802.11ac+BT5.2 |
4G/5G | 4G対応 FDD:B1/2/3/4/5/7/8/20/28AB TDD:B38/39/40/41 |
バッテリー | 6,000mAh |
サイズ | 248×157.8×8.4mm |
重さ | 466g |
GoodPoint
✔ UNISOCより高性能
✔ 原神もプレイ可能
✔ それでいて非常に安価
BadPoint
✖ WidevineがL3
✖ スピーカーは2つだけ
✖ 標準ランチャー以外お断り
パッケージ
・電源アダプタ
・USB CtoCケーブル
・ユーザーマニュアル
技適マークはあるものの、技適番号がないので実は技適不備という。
インターフェース
インターフェースは左右に分かれています。
スピーカーも左右ですが、クアッドスピーカーではありません。
パフォーマンス
「iPlay50 Pro」のSoCはHelio G99。2022年5月に発表された、割と新しいSoCです。
ARM Cortex-A76が2コア、Cortex-A55が6コアのbig.LITTLE構成で、GPUはMali-G57 MC2(2コア)。UNISOC T606/616はMali-G57 MC(1コア)なので、理屈の上では2倍近いグラフィック性能となります。
AnTuTu(v9)のスコアは総合35.9万点、CPU10.3万点、GPU8.5万点。
予想通りというか、グラフィックスコアが高いですね。
GeekBench5ではシングル548点、マルチで1835点。
Core i5-7200UやCore i3-8130Uが1800点なので、だいたい同じくらいの性能ということになります。
最近のCPUだとCeleron J4125が1500点前後、Celeron N5095が2200点程度です。
メーカー | Alldocube | BMAX | Teclast | Teclast | |
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モデル名 | iPlay50 Pro | I11 | P40HD | M40SE | |
CPU | Helio G99 | Unisoc T618 | Unisoc T606 | Unisoc T610 | |
メモリ | 8GB | 8GB | 6GB | 4GB | |
ストレージ | 256GB UFS | 128GB eMMC | 128GB UFS | 128GB eMMC | |
OS | Android 12 | Android 11 | Android 12 | Android 10 | |
AnTuTu (v9) | 総合 | 356077 | 223069 | 234677 | 216447 |
CPU | 103868 | 68995 | 62146 | 66012 | |
GPU | 85286 | 44818 | 35130 | 31356 | |
MEM | 72112 | 37250 | 72720 | 59172 | |
UX | 94811 | 72006 | 64681 | 59907 | |
GeekBench 4 | シングル | 2527 | 1620 | 1469 | 1766 |
マルチ | 7115 | 4851 | 5006 | 5615 | |
Compute | 5627 | 4556 | 4159 | 4786 | |
GeekBench 5 | シングル | 548 | 371 | 308 | 365 |
マルチ | 1835 | 1248 | 1326 | 1374 | |
Compute | 1544 | 821 | 517 | 754 | |
GeekBench 6 | シングル | 724 | 447 | 367 | 428 |
マルチ | 2015 | 1304 | 1360 | 1403 | |
Compute | 1295 | 833 | 448 | 757 | |
3DMark | Wild Life | 1246 | 559 | 416 | 512 |
Wild Life Unlimited | 1231 | 556 | 414 | 506 | |
Wild Life EX | 344 | 142 | 114 | 126 | |
Wild Life EX Un | 336 | 113 | |||
Sling Shot | 3522 | 1741 | 1417 | 1719 | |
Sling Shot Unlimited | 3780 | 1756 | 1501 | 1119 | |
Sling Shot EX | 2593 | 1178 | 952 | 1123 | |
Sling Shot EX Un | 2646 | 1219 | 977 | ||
IceStorm | Maxed out | Maxed out | Maxed out | Maxed out | |
IceStorm EX | Maxed out | Maxed out | Maxed out | Maxed out | |
IceStorm Unlimited | 32630 | 20943 | 16488 | 21618 | |
PassMark | System | 9766 | 6045 | 6286 | 3687 |
CPU | 4744 | 2930 | 2977 | 2733 | |
Memory | 16196 | 14171 | 12065 | 13053 | |
Disk | 57356 | 14295 | 68125 | 28293 | |
2D | 23207 | 24330 | 14479 | 24007 | |
3D | 21681 | 18181 | 10585 | 16772 | |
ブラウザ | jetstream2 | 68.892 | 52.617 | 40.959 | 35.425 |
BaseMark | 290.9 | 258.39 | 215.73 | 211.94 | |
WebXPRT3 | 98 | 90 | 68 | 63 | |
WebXPRT4 | 72 | 59 | 44 | 52 | |
MotionMark | 32.37 | 114.6 | 51.81 | 105.22 | |
Octane | 22248 | 14590 | 11126 | 10311 | |
Speedometer | 42.6 | 37.1 | 32.59 | 30.3 | |
PCMark | Work 3.0 | 8875 | 7952 | 7249 | 7917 |
Battery (100%) | 7h48m | 5h20m | 4h29m | ||
Battery (50%) | 15h55m | 10h6m | 7h48m |
他の製品との比較。
流石にXiaomi「Pad 5」(Snapdragon 860)にはかないませんが、UNISOC系と比較するとグラフィックが圧倒的ですね。3DMarkなんか2倍どころか2.2~2.3倍くらいのスコアを付けています。
ストレージ
「iPlay50 Pro」のストレージは128GB UFS2.1。
microSDも対応しています。
カードスロットはmicroSD+nanoSIMのコンボスロット。
ストレージ速度の計測結果。
#1が内部ストレージ、#2がmicroSD(SanDisk Extreme Pro 128GB)です。
内部ストレージはリード612MB/s、ライト181MB/s。リードは「P40HD」並みながら、ライトはかなり遅めです。まぁ実用上は十分早いので問題はありません。
microSDもリード80MB/s、ライト34MB/sとこちらも「P40HD」よりわずかに遅いものの、実用的な速度が出ています。
使ってみた
ディスプレイ
「iPlay50 Pro」のディスプレイは10.36インチ2000×1200。
10インチクラスの上位機種に多い解像度です。
ベゼル幅は10.5mmで普通程度。手持ちすると指が心持ち画面にかかるかなぁといった程度です。
指がかかるといっても画面が見えないというレベルではないので、特に不満を感じることはありません。
明るさごとの比較。
室内だと0%でも見えますが、50%でちょっと暗め。60~70%くらいがちょうどいい感じです。
サウンド
「iPlay50 Pro」のスピーカーは横置き時に左右下部に位置しています。
音量100だとビビり音が発生する一歩手前、リビング程度なら十分賄える程度の音量となります。
ただ、正面に向かってくる音ではないので音量は高め(70~80)にする必要があり、周辺に人がいる場合はイヤホンなどを使った方がよさそうです。
人の声は輪郭がぼやけていて、歌であれば楽器と馴染みますが、はっきりしない分話し声はやや聞き取りづらいです。
低音は割とバッサリ捨てられていて、重低音を何とか再生しようという努力も感じられません。
低音の強い曲は笑っちゃうくらいスカスカです。
中音は人の声と同じく輪郭がぼやけています。
高音はキンキン感がなく、やわらかい音に。
というか、音が正面まで回り込んでこないので、すごく弱いです。
タブレットの左右に斜めについた手を置くなどすると、多少は音が良くなるのですが…
全体としては、真っ先にコストを削られた部分という印象でした。
動画
「iPlay50 Pro」のWidevineはL3で、VOD(動画配信)サービスのHD画質視聴は非対応です。
Amazon PrimeでもHD再生表示は付かず、SD画質です。
まぁ、アナログ世代だったら十分見れるのですが、どうせ見るならHD画質で見たいところ。
まぁスピーカーもクアッドではありませんし、動画視聴は端からターゲットではないのでしょう。
ゲーム
PUBG
PUBGは意外なことに、「P40HD」と同じ”HDの高”までしか選択できませんでした。
ただプレイ中は割と滑らかに動くので、グラフィック性能分の差はある感じです。
原神
原神は、”最低”画質で”スムーズ”、”低”画質で”やや高い”、”中”画質で”非常に高い”になりました。
また、カスタムで60fpsにすると”最低”画質でも”非常に高い”に。
実際のプレイでは”最低”画質で60fpsの方が見やすくはあるものの、時折かくつきが発生します。
スムーズなプレイがしたいのであれば、”最低”画質(30fps)の方がいいですね。
画質を高く設定してあまり負荷をかけすぎるとサーマルスロットリング(動作速度抑制)が起こり、カクつく原因となります。
カメラ
カメラはリアが800万画素、フロントが500万画素です。
下の画像は幅800に縮小した以外の加工はしていません。
リアカメラでの撮影。赤みが強く出ています。
フロントカメラでの撮影。
リアとは違って発色がかなり自然。ただ粒度がやや粗く、細部がつぶれ気味です。
正直、タブレットのカメラを使うくらいならスマホを使うので、リアカメラも性能を落としてカメラの盛り上がりをなくしてフラットにした方がユーザーの受けがいいと思うんですよね…
バッテリー
バッテリーはディスプレイ輝度100%で7時間48分、輝度50%で15時間55分でした。
6,580mAhと10インチクラスとしてはそこそこ多い容量に見合う稼働時間で、思った以上に持つ印象です。
消費電力
消費電力(充電電力)は最大で11.6W。USB充電器の消費分も含むので、実際は10W強でしょう。
実際には、最大時はもうちょっと消費していると思うので、せめて18W充電くらいには対応してほしいなぁと思わなくもないですが、ここもコストとの兼ね合いですね。
アイドル(輝度100%) | 3.8W |
---|---|
アイドル(輝度50%) | 2.0W |
アイドル(輝度0%) | 1.7W |
GeekBench(輝度100%) | 5.3W |
GeekBench(輝度0%) | 3.3W |
原神(輝度100%) | 6.0~8.4W |
原神(輝度0%) | 3.8~6.4W |
充電中(画面オフ) | 11.2W |
充電中+GeekBench(輝度100%) | 11.6W |
充電中+原神(輝度100%) | 8.0~11.5W |
※”充電+原神”時は、高負荷で発熱すると動作抑制→消費電力低下が発生
外観
外箱はめちゃくちゃオシャレ。角度によって模様が浮き出ます。
再掲ですがパッケージ全体。
同梱物
電源アダプタはPSE取得済み。最大で5V/2A(=10W)の出力です。
マニュアルは多言語。
中華フォントを指摘できるほど日本語表記がありません。
再掲ですが、本体画像。
タブレットとしては平均的な見た目です。
「P40HD」(画像右)と角を比較すると、角ばっています。
そのため、厚さはほとんど変わらないはずですが、持ってみると妙に分厚く感じるんですよね。
背面。
感触的には樹脂っぽいのですが、アンテナ部と思われるところはツートーンとなっています。
カメラ(再掲)。
背面カメラは盛り上がり、前面カメラは天辺にマイク穴が開いています。
SIMスロットの穴と合わせてステレオマイクっぽく見せているのがなんとも…
重量は、本体が467g、電源アダプタ込みで522.5gでした。10インチでゴツい割に、重さは軽めです。
システム
「iPlay50 Pro」はほぼ素のAndroidです。
アプリ一覧では独自アプリは「Official Store」の一つのみ。
ディスプレイの項目に「カラー」があるものの、カスタマイズはできず。うーん、格安感。
2023年7月16日追記:7月6日のアップデートでカラー調整機能が追加されました。
Androidバージョンは12。
最後のアップデートから半年経過しています。
アップデートはこまめにメンテするメーカーと放置するメーカーに分かれます。Alldocubeはどちらかというと後者寄り…
メモリとストレージの使用量はこんな感じです。
不具合について
ユーザーから頂いた情報ですが、Nova Launcherに変更した状態でアプリ切り替えの■ボタンをタップすると、Quickstep(標準ランチャー)がエラーを吐いて停止します。
なので、残念ながらランチャーにこだわりを持つ人には向きません。
2023年7月16日追記:6月19日のアップデートで不具合が修正されました。
まとめ
「iPlay50 Pro」の価格は、記事執筆時点で21,999円(28,999円+クーポン)。
Unisoc T616やT618といった、AnTuTu 25万点程度のタブレットと大きく変わらない価格で1.5倍近い性能というのは驚きです。
しかもこの価格でメモリ8GB+128GB UFSですしね。コスト当たりのパフォーマンスは抜群と言えます。
まぁ、SoCとメモリとストレージ以外は格安タブレット相当であり、ランチャーの不具合や、WidevineがL3という問題もあるので、マルチに活躍できるとは言い難いですが、安価にゲームを楽しむにはアリでしょう。
逆にPrime VidfeoやNetflixなど映像視聴を中心に楽しみたい場合は「P40HD」がおすすめです。
あくまで、メインとする用途次第ということですね。
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