2023年6月29日、Synology(本社:台湾)は最エントリークラスとなる2ベイNAS「DS223j」を発表。同日、代理店の株式会社アスクを通じて国内向けにも発表、発売しました。
スペック
■ DS223j | |
CPU | Realtek RTD1619B |
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メモリ | 1GB DDR4 |
ストレージ | 2ベイ |
インターフェース | USB 3.2 Gen1×2 1GbE 有線LAN |
サイズ | 100×225.5×165mm |
重さ | 0.88kg |
特徴
「DS223j」は2020年に発売された「DS220j」の後継機に当たります。
大きな差は4つ、CPU(SoC)の変更、メモリの倍増、Btrfsへの対応、スナップショットの対応です。
後ろ2つはハードウェアというよりはソフトウェアの話ですが…
CPU(SoC)について
「DS223j」のCPUはRealtek RTD1619B。これは先に発売された「DS223」と同じCPUです。
RTD1619Bは4コアのCortex-A55で、動作周波数は1.7GHzです。GPUにMali-G51を搭載していますが、「DS223j」には映像出力はありません。
先代「DS220j」のCPUはCortex-A53アーキテクチャのRealtek RTD1296(GPUはMali-T820 MP3)だったので、アーキテクチャ面でいえば世代が新しくなっています。
ブロックダイアグラムはこんな感じです。ネイティブでSATAを2ポート持っています。
RTD1619Bはデータが全然ないのですが、性能面では6コアのRTD1619がSnapdragon 680やHelio G85の1/3くらいなので、4コアのRTD1619Bは推定でGeekBench5のスコアが500くらいになると思われます。
スコア500と言えば、Intel Atom x5-Z8350が同程度となりますね。
ちなみにRTD1296はGeekBench 5のスコアが430程度です。
まぁ、ストレージ機能に専念させつつ、アプリを一つ二つ動かせる程度の性能と考えれば良さそうです。
メモリとストレージ
「DS223j」のメモリは1GB DDR4。
先代「DS220j」は512MBだったので、倍増です。倍増してもギリギリですが。
ストレージは2.5/3.5インチが2ベイ。ストレージ拡張はできません。
その他
無線LANは非搭載。
有線LANは1GbEです。まぁ、最エントリー機ですし。
転送速度はだいたい112MB/s。1GB/s(=125MB/s)の9割程度なので、ほぼ上限ですね。
ソフトウェア面ではOSが最新のDSM7.2に。Btrfsに対応しました。
分かりやすい例としては、ファイルを上書きする際、別の場所に書き込んで、書き込み完了後に古いファイルを削除します(Copy-on-Write)。こうすることで上書き中に障害が発生しても、残ったのが書き換え途中のファイルになるということがありません。
さらにファイルシステムとしてスナップショット機能を持っていたりします。
外観
「DS223j」のインターフェースは1GbE×1にUSB 3.2 Gen1×2。
この点は「DS220j」と変わりありません。おそらく外装は同じものでしょう。
側面にはSynologyロゴ。
また「DS223j」はホットスワップ非対応です。
まとめ
「DS223j」の価格は予想市場価格で27,600円前後。Amazonでは28,160円です。なんとか3万円未満は維持していますね。
なお、先代「DS220j」は24,894円。CPUの変更とメモリ倍増を考えればこのくらいの価格差になるでしょうが、「DS220j」は3年前の製品だからなぁ…
3万円未満のNASは各社ともRTD1296搭載機で揃っていたのですが、次世代はばらばら(QNAPはRK3566+メモリ2GBの「TS-233」、TerraMasterはCeleron N4505+4GB、デュアル2.5GbEの「F2-223」)となり、他社は3万円オーバーになっています。
あと残るはASUSTORくらいですが、ASUSTORは2021年の更新なので、今年はなさそう。
そんなわけで「DS223j」は3万円切りの最新NASとしては有力な選択肢ですが、優位点が少ないので結構厳しい戦いになりそうです。他社は3万円オーバーと言っても差は2~3千円程度ですし。
ソフトウェア面ではSynologyは一歩抜きんでているんですけどね…
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