エントリー機だけど底上げがすごい。TerraMaster「F2-223/F4-223」はデュアル2.5GbE+メモリ増設対応なのに安価なNAS

NAS

2022年9月29日、NASメーカーのTerraMasterはホームユース向けの2ベイNAS「F2-223」および4ベイNAS「F4-223」を発売しました。

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スペック

F2-223

■ F2-423
CPUCeleron N4505
メモリ4GB DDR4
ストレージ3.5インチベイ×2
M.2 NVMe×2
インターフェース2.5GbE×2
USB 3.0×2
HDMI
サイズ227×119×133mm
重さ1.5kg

F4-223

■ F4-423
CPUCeleron N4505
メモリ4GB DDR4
ストレージ3.5インチベイ×4
M.2 NVMe×2
インターフェース2.5GbE×2
USB 3.0×2
HDMI
サイズ227×225×136mm
重さ2.3kg

特徴

TerraMasterは、ざっくり型番が400番台がスモールビジネス向けの上位モデル、200番台がホームユースの下位モデルで、下2桁が大体の世代となっています。300番台はDAS(拡張ストレージ)です。

半年ほど前にJasperLake+デュアル2.5GbEなSMB(中小企業)向けNAS「F2-423/F4-423」を発売していて、この記事で紹介する「F2-223/F4-223」は同世代下位グレードとなります。

世代が一気に最新に。TerraMaster「F2-423/F4-423」はJasperLakeにデュアル2.5GbEなNAS

先代機種は「F2-221/F4-221」です(F4-221は国内では販売されず、5ベイのF5-221が販売されていました)。

[レビュー] TerraMaster「F2-221」は、3万円切りなのに必要な機能は揃った、コスパに優れた2ベイNASでした

スペックを見比べた限りではCPU以外は上位の「F2-423/F4-423」と共通のようなので、下位グレードとはいえインターフェース面は上位グレードと同等ということになります。

CPU

「F2-223/F4-223」のCPUはCeleron N4505です。Celeron N5105/5095と同じJasper Lake世代のCPUですが、2コア2スレッドです。

PassMark CPU
Core i3-1005G1(2C/4T)50692229
Celeron N5095(4C/4T)40141509
Core i3-10110U(2C/4T)39822243
Ryzen 3 3250U(2C/4T)39351827
Core i5-7200U(2C/4T)33801789
Celeron J4125(4C/4T)29851169
Celeron N4100(4C/4T)24391007
Celeron N4505(2C/2T)23671537
Celeron J3455(4C/4T)2248807
Celeron N4000(2C/2T)14101032
Celeron J3355(2C/2T)1179811

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

4コア/4スレッドなCeleron N5105/5095のPassMarkスコアが4000強なのに対し、Celeron N4505は2400弱と6割に満たない程度の性能となります。

スコアだけで見るとCeleron J3455以上Celeron N4100未満となります。
2コア2スレッドで旧世代の4コア4スレッド並みと考えればそこそこの性能であると言えますし、前世代の「F2-221/F4-221」はCeleron J3355だったのでスコア的には前世代比2倍です。

メモリとストレージ

メモリは4GB DDR4。しかしなぜかAmazonでは2GBとなっています。メモリを減らした低価格版とかでしょうか?
メモリは2スロットで最大32GB(16GB×2)まで対応しています。

とはいえ、Jasper Lakeのメモリ増設は癖があり、おそらくは32GBで認識できるのはシングルランクメモリのみと思われます。

【レビュー】QNAP TS-364:メモリとかVMとか追加で実験してみた【応用編】

ストレージは2ベイまたは4ベイ。
ストレージフォーマットはBtrfsとEXT4に対応しています。

さらにSSDキャッシュ用にM.2 SSDスロットを2つ内蔵しています。
HDDへの書き込み時にはM.2 SSDにいったん書き込んだ後、HDDに移すので、見かけ上の書き込み速度がSSD並みになります。

その他

有線LANはデュアル2.5GbEを搭載しています。
HDMIはあるものの、QNAPのようなPC的な使い方はできません。

騒音については「F2-223」が26.4dB(HDDアイドル時)、「F4-223」が27.4dB(同)とされていてかなり静かです。
が、HDDのシーク音はカリカリ結構うるさいので、実際の稼働音はもうちょっと上だと思った方がいいでしょう。

外観

フロントです。
TerraMasterは5ベイ以下はグレード問わず一貫してアルミ筐体を採用しています。

「F2-423/F4-423」もロックはなく、見た目が同じなので、ラベル以外での見た目からの判別は困難そうです。

背面です。
インターフェースは共通で、ファンは「F2-223」は80mm×1、「F4-223」は80mm×2です。

サイドにはロゴ。

まとめ

公式サイトでは「F2-223」の価格は35,990円「F4-223」は55,990円です。
「F2-423」の41,990円、「F4-423」の66,990円と比べると、6,000~11,000円安く、CPUを取るか安さを取るかで価格設定が絶妙です。

Amazonだと発売セールなのかメモリ2GBの安いモデルなのか、それぞれ30,990円46,990円となっています。

2ベイで3万円前後って、QNAPだと最エントリーの「TS-233」ですね。「TS-233」はARM SoCに2GBオンボード、1GbEなので、仕様を比べればどれだけすごいことなのかよく分かります。

「TS-230」とどう違う? QNAP「TS-233」は最エントリークラスの2ベイNAS

数少ない弱点として、TerraMasterはアプリストアのラインナップが他社より少ないことが挙げられます。
また「F2-423/F4-423」と比べるとCPUが弱いものの、正直それ以外のデメリットはないと言え、ネットワークストレージとして使う分には十分以上です。

むしろ上でも書いたように、3万円ちょっとでデュアル2.5GbEにメモリ増設可能なNASって他のメーカーには存在しません。

他社より乏しいとはいえ基本的なアプリはありますし、あまり多くのことをさせない前提(そもそもNASに多くのことをさせるのがおかしいのですが…)であるなら、お買い得な機種と言えるんじゃないでしょうか。

関連リンク

プレスリリース:TerraMaster
F2-423:TerraMaster
F4-423:TerraMaster

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