USB充電器っていくつあっても構わないですよね。
がじぇっとりっぷのようなレビュアーはいくつもデバイスをつなぐので、常時複数の充電器を併用(記事執筆時点では5個)しています。
なので、マルチポートかつ小型ってのは結構重要なポイントとなります。
今回レビューするのはGaN IIIを採用した小型の65W充電器「Revo 65」。実はGaN IIIは初めてだったり。
機材を提供いただいたVOLTME様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
Voltme Revo65
入力 | 100-240V~50/60Hz 1.5A Max |
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プロトコル | PPS、 PD 3.0、 QC 2.0 & 3.0 & 4.0、 AFC、 SCP、 FCP、 BC1.2など |
ポート | USB-C×2、USB-A×1 |
出力(C1/C2) | 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3.25A PPS:3.3-21V/3A max 65W |
出力(A) | 4.5V/5A, 5V/4.5A, 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 20V/1.8A max 36W |
最大出力 | 65W |
サイズ | 59×55.2×32mm |
重さ | 132g |
GoodPoint
✔ コンパクトサイズ
✔ Type-Aが36Wまで対応
✔ GaN III採用
BadPoint
△ 価格はそれなり
GaNとは
最近のUSB PD充電器で使われるのがGaN(窒化ガリウム)パワー半導体。シリコン半導体に比べてスイッチング損失が少なく、高効率に電力変換を行えます。
損失は熱という形で放出されるので、少損失=低発熱という図式が成り立ち、充電器の小型化に多く寄与しています。
GaNの研究自体は古いものの、USB充電器に搭載されたのは2018年。
2021年にはGaN IIが、2022年にはGaN IIIが登場、現在は安価な製品ではGaNおよびGaN II、やや値段の高い小型製品では第3世代のGaN IIIが主流となりつつあります。
また、メーカーによっては小型のGaNチップを複数搭載することで、マルチポートと小型化の両立を図るなど、現在も精力的に開発競争が行われています。
外観
今回のレビューでは充電器だけでなくUSBケーブルも提供いただきました。
外箱は共通したデザインで、ワンポイントで底面のみオレンジ。
欧米向けの製品ぽい感じです。
裏面です。
ラベルの拡大。「日本仕様」で、PSEマークも取得しています。
充電器の「器」が簡体字(大ではなく犬)になってますね。旧字体でもあるので、間違いではないのですが…
注目は、USB-Aの出力仕様。なんと36W(12V/3A or 20V/1.8A)まで対応しています。
さらに言うと、5V/4.5A(=22.5W)まで対応(こっちは最近の充電器でも対応しているものが増えています)。これってRaspberry Pi 4と相性がいいのでは…?
USBケーブルのラベル。
100W伝送対応で、データはUSB2.0(480Mbps)です。
パッケージの中身。
充電器には説明書が入っていましたが、ケーブルにはありません。まぁ、必要かと聞かれてもいらないんですが。
説明書は多言語仕様。
日本語の説明はいわゆる中華フォントが使われています。
がじぇっとりっぷも最近まではそんなものと流していましたが、「放置すると世界的にこれが”正しい日本語の漢字”と思われるようになる」という意見を見てからは、指摘することにしています。
ケーブルはナイロン系ケーブル並みに柔らかく、かつつるつるしているので絡まりにくくなっています。
あと個人的にはケーブルタイが付属しているのはうれしいですね。
充電器はC2A1の3ポート。
プラグは折り畳み式です。
底面にはスペックが記載されています。
重量は本体133g、ケーブルと合わせて168gでした。
コンセントに接続したところ。
LEDが3本なので、接続によって色が変わったりするのかな?と思って試しましたが、そんなことはありませんでした。
ちなみにこの通電LED、人によって意見が分かれるところですが、充電失敗時にケーブルの断線かな?と思ったら充電器の接触不良だったことがあり、トラブル時の原因切り分けに有用です。
サイズ感
手元にある65W充電器とのサイズ比較。
ポート数が異なるのでこうとは言えませんが、小型化していることが分かります。
奥行きも結構短くなっています。


充電してみた
「Revo65」のパターンごとの出力はこうなっています。
注目はやっぱり単ポート時36W対応のUSB-Aですね。
PDO(Power Data Object)一覧。
USB-C
USB-CポートでノートPCを充電したところ、56.5Wの出力に。
電流計を挟まずにワットチェッカーで計測したところ、64W弱でした。
接続したタイミングで一瞬70W近くまで跳ね上がり、一度瞬断。電力配分を計算したのちに回復、という過程も見えます。
USB-A
USB-Aでも充電状況。
手持ちのデバイス側の対応の関係で、22.5Wまでしか確認できませんでした。
「Raspberry Pi 4」を接続したところ。問題なく動作。
UnixBenchを回しながら、ポータブルHDDを接続してようやく11W。
仕様からすると相当に余裕があります。
同時使用
見づらいですが、USB-AとUSB-Cの同時充電で18W+38Wとなっています。
電流計を挟まずにワットチェッカーで計測したところ、67.8Wとなりました。
まとめ
記事執筆時点の「Revo65」の価格は3,540円(4,425円+20%オフクーポン)。
65W対応製品は2,500円前後からあるので安いとまではいきませんが、GaN III採用でコンパクト、36W出力対応のUSB-Aなど、仕様を考えたら納得の価格です。
SBC用としても相当に余裕がありますし、持っていても損はない一台と言えそうです。
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