2023年8月1日、LenovoはSoCにMediaTek Dimensity 7050を搭載した12.7インチタブレット「Tab P12」を発表、発売しました。
スペック

■ Lenovo Tab P12 | |
CPU | MediaTek Dimensity 7050 |
---|---|
メモリ | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB UFS2.2 |
画面 | 12.7インチ IPS 2944×1840 |
インターフェース | USB Type-C(2.0)×1 microSD オーディオジャック |
カメラ | 前:1300万画素 後:800万画素 |
wi-fi | 802.11ax+BT5.1 |
4G/5G | 非対応 |
バッテリー | 10,200mAh |
サイズ | 293.4×190.8×6.9mm |
重さ | 615g |

特徴
Lenovoは以前にも12インチタブレット「Tab P12 Pro」(2022年1月)を発売していて、この時はSnapdragon 870に12.6インチ有機ELパネルを採用、その代わり10万円コースという高級ハイエンドモデルとなっていました。
「Tab P12」は1年半の間を置きながら性能は同等クラスに抑え、さらに有機ELから液晶パネルへ変更、ペン・キーボード・スタンドカバーを非同梱にすることで、半額以下の4万円台と手ごろな価格を実現しています。
SoC
「Tab P12」のSoCはMediaTek Dimensity 7050。
2023年5月に発表されたばかりのSoCですが、中身的にはDimensity 1080(2022年10月発表)と変わらず、市場では実質リネーム品として扱われています。
CPU構成はArm Cortex-A78(2.6GHz)×2+Cortex-A55(2.0GHz)×6の8コアで、GPUはMali-G68 MC4。TSMC 6nmプロセスで製造されます。
…実はこの仕様ってDimensity 920(2021年8月)からほぼ変わってなかったり。A78コアが2.5GHz→2.6GHzになったり、カメラが108MP→200MPになったりと細かい変更はありますが、アーキテクチャは変わっていません。
性能面ではDimensity 1080のスコアですが、AnTuTu(v9)スコアが総合51~52万点、GPUが13万点前後。ここから大きく変化はないでしょう。
総合スコアはSnapdragon 860(約58万点)よりやや低い程度ですが、GPUは同19万点に対し7割以下と、大きく引き離されています。
そのため、原神のような重量級ゲームをプレイするときは画質を落とす必要があるでしょう。
参考 MediaTek Dimensity 7050:MediaTek
参考 MediaTek Dimensity 1080:MediaTek
メモリとストレージ
メモリは8GB LPDDR4X。
ハイエンドモデルは高速だけどその分値の張るLPDDR5に移行していますが、コストを抑えたミドル製品なのでLPDDR4Xであるのは妥当です。
ストレージは128GB UFS2.2。
2020年に登場した規格で、規格上の最大転送速度は1,200MB/s。実測だとリード700~800MB/sくらい、ライトが150~200MB/sくらいでしょうか。
これがUFS3.1であればリード1.8GB/s、ライト600MB/s(Xperia 1 IVの場合)程度となり、アプリ・ゲームのローディングタイムの短縮などにつながったのでしょうが、コストとの兼ね合いが…
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)に対応。Bluetoothはv5.1です。
SoCの仕様を見る限りでは、SoC自体がWi-fi 6Eに非対応なようです。
大型タブレットだけあって、バッテリーは10200mAhと大容量。
ただしその分液晶の消費電力も大きいので、駆動時間は約10時間とされています。
電源アダプタは20Wで、満充電まで約3時間。本体的には最大30Wまでの入力に対応しているとのこと。
あとWidevineはL1なので、VODサービスはHD画質で視聴できます。
OSはAndroid 13。2回の主要なAndroid OSアップグレード、4年間のセキュリティ アップデートがサポートされています。
ちょっと残念なのが、インターフェースはUSB2.0である点。
調べたのですが、Dimensity 7050がUSB3.0に対応するかは不明。でもできればUSB3.0であってほしかった…
外観
本体です。
フロントカメラは1300万画素で、横置き時の上ベゼル内に位置しています。
画面はアスペクト比16:10の12.7インチ2944×1840。2.5K(2560×1600)より縦横ともに15%(画素数的には1.32倍)広くなっています。
周囲の明るさに合わせた環境光調整機能を内蔵しています。
10点マルチタッチ対応で、どうもスタイラスペンにも対応するようなのですが、製品ページではその辺りの言及がほとんどなく、サポートページで「Lenovo Tab Pen Plus」に対応している旨の記載がありました。まぁ、国内未発売なんですけど。
参考 Lenovo Tab P12 (TB370FU): よくある質問 (FAQ):Lenovoサポート
なお、リフレッシュレートは60Hz、タッチサンプリングは240Hzです。
スピーカーはJBLのクアッドスピーカーを左右に搭載。
2.スピーカー
3.microSDメディアカードリーダー
4.スマートコネクタガイド穴
5.スマートコネクタ
7.ボリュームボタン
8.マイクロフォン
9.スタイラスマグネット
インターフェースです。
キーボード用のPOGOピンもありますが、キーボードは国内未発売。ペン同様、NECが「Tab P12」のOEMモデルを出さない限り、国内では出てこないでしょう。
各部のアップ。
リアカメラは800万画素と控えめ。
個人的に最大のポイント。
Lenovoはミドル以上のタブレットにLenovo Freestyleソリューションというものを提供しています。
Windows PCとWi-fi経由で接続することでセカンドモニターとして使用したり、液晶ペンタブとして使用したり、ファイルの共有などができます。
まぁ、それだいたいspacedeskでできるのでは?と言われたらそれまでなのですが。
まとめ
「Tab P12」の価格は49,332円。価格的にはXiaomi「Pad 6」とほぼ同じです。

仕様的には「Pad 6」に負けているものの、12.7インチという絶対的なアドバンテージがあるので、どっちが上とは言えません。
グローバルを見ればAnTuTu(v9)総合100万点オーバーなMediaTek Dimensity 9000を搭載した14.5インチ(3000×1876)タブレット「Tab Extreme(中国市場ではLegion Y900)」なんて化け物もあって気になっているのですが、日本にはまず来ないんですよねぇ…
上位モデルである「Tab P12 Pro」はSnapdragon 870に8GBLPDDR5と256GB UFS3.1、120Hzの有機EL、USB3.2 Gen2ポートでペン・キーボード付きで価格2倍の約10万円。
各要素のコスト差を考えるとこの価格も納得ですが、発表が2022年1月で一年半経つので、いつ後継機が登場してもおかしくありません(今のところリーク情報も見当たりませんが)。
他の機種のことは置いておいて、これまでハイエンドモデルしかなかった大型タブレットにミドルクラスが登場したことは大きいです。
これで他社、特に格安中華タブレットに大型モデルが出るようになると嬉しいところですが…くるかなぁ…
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