2023年5月、”タフネススマホとタブレットのメーカー”を謳うBlackviewは、初のWiFi 6対応タブレット「Tab 8 Wifi」を発売しました。
しかしながらがじぇっとりっぷが注目したのはそこではなく、SoCにRockchip RK3566を搭載する点でして。
SBC(シングルボードコンピューター)でも採用されるSoCを搭載したタブレットなんて変わり種は試さねばということで、今回のレビューです。
機材を提供いただいたBlackview様には、この場をお借りして御礼申し上げます。
Blackview Tab 8 Wifi
SoC | Rockchip RK3566 |
---|---|
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64/128GB |
画面 | 10.1インチ IPS WXGA |
インターフェース | USB Type-C(2.0)×1 microSDXC オーディオジャック |
カメラ | 前:800万画素 後:1300万画素 |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.0 |
4G/5G | 非対応 |
バッテリー | 6,580mAh |
サイズ | 246.5×163×9.9mm |
重さ | 520g |
GoodPoint
✔ 安価だけど4GB+128GB
✔ 思ったほど低解像度感はない
✔ 耐久性のありそうな筐体
BadPoint
✖ 絶対性能は低い
✖ タッチの反応が遅い
✖ USB PD非対応?
上のリンクそれぞれで別のクーポンコードとなります。
ストレージ64GBモデル:ZXYYCGYU
ストレージ128GBモデル:Q3LQBYS6
クーポン期限:8月13日23時59分
パッケージ
・電源アダプタ
・USBケーブル
・マニュアル
技適もしっかり取得しています。
参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(210-205565):総務省
インターフェース
インターフェースは左側にType-CとmicroSD、右は何もなし。
ボタン類は横向き時の上辺に、スピーカーは下辺に位置しています。
パフォーマンス
「Tab 8 Wifi」のSoCはRockchip RK3566。
4コアのCortex-A55(1.8GHz駆動)に、GPUはMali-G52 2EE、さらにSoCとしては0.8TOPSのNPUも搭載していますが、「Tab 8 Wifi」搭載分にもNPUがあるのかは不明です。
AnTuTu(v9)のスコアは総合11.3万点、CPU 2.5万点、GPU 1.3万点。
予想以上に低いというか、UNISOC T606の半分もありません。
GeekBench5ではシングル 147点、マルチで 450点。
Atom x5-Z8350が、シングル170点、マルチ600点くらいなので、その3/4くらいです。
その他のベンチマークスコアは以下。
比較対象と比べると、相当に低いことが分かります。
メーカー | Alldocube | UAUU | Teclast | BMAX | |
---|---|---|---|---|---|
モデル名 | Tab 8 Wifi | P30 | P40HD | I11 | |
CPU | RK3566 | MT8183 | Unisoc T606 | Unisoc T618 | |
メモリ | 4GB | 4GB | 6GB | 8GB | |
ストレージ | 128GB eMMC | 64GB | 128GB UFS | 128GB eMMC | |
OS | Android 12 | Android 12 | Android 12 | Android 11 | |
AnTuTu (v9) | 総合 | 113141 | 182084 | 234677 | 223069 |
CPU | 25488 | 70038 | 62146 | 68995 | |
GPU | 13718 | 40002 | 35130 | 44818 | |
MEM | 34141 | 34000 | 72720 | 37250 | |
UX | 39794 | 38044 | 64681 | 72006 | |
AnTuTu (v10) | 総合 | 114839 | 185911 | 267365 | 262720 |
CPU | 30569 | 71932 | 82221 | 86894 | |
GPU | 17995 | 40329 | 28416 | 43285 | |
MEM | 40628 | 35236 | 99866 | 59525 | |
UX | 25647 | 38504 | 56862 | 73016 | |
GeekBench 4 | シングル | 752 | 1079 | 1469 | 1620 |
マルチ | 1938 | 4012 | 5006 | 4851 | |
Compute | 1663 | 4232 | 4159 | 4556 | |
GeekBench 5 | シングル | 147 | 251 | 308 | 371 |
マルチ | 150 | 1108 | 1326 | 1248 | |
Compute | 461 | 1180 | 517 | 821 | |
GeekBench 6 | シングル | 201 | 273 | 367 | 447 |
マルチ | 491 | 1061 | 1360 | 1304 | |
Compute | 455 | 1140 | 448 | 833 | |
GeekBench ML | CPU | 75 | 116 | 163 | 184 |
NPU | 53 | 88 | 111 | 131 | |
3DMark | Wild Life | 271 | 602 | 416 | 559 |
Wild Life Unlimited | 270 | 625 | 414 | 556 | |
Wild Life EX | 69 | 180 | 114 | 142 | |
Sling Shot | 767 | 1623 | 1417 | 1741 | |
Sling Shot Unlimited | 766 | 1725 | 1501 | 1756 | |
Sling Shot EX | 528 | 1120 | 952 | 1178 | |
IceStorm | Maxed out | 10497 | Maxed out | Maxed out | |
IceStorm EX | 7618 | 9456 | Maxed out | Maxed out | |
IceStorm Unlimited | 10926 | 16700 | 16488 | 20943 | |
PassMark | System | 1553 | 5590 | 6286 | 6045 |
CPU | 1152 | 2877 | 2977 | 2930 | |
Memory | 6394 | 9919 | 12065 | 14171 | |
Disk | 20269 | 19872 | 68125 | 14295 | |
2D | 6283 | 6976 | 14479 | 24330 | |
3D | 8632 | 16103 | 10585 | 18181 | |
ブラウザ | jetstream2 | 19.564 | 34.932 | 40.959 | 52.617 |
BaseMark | 77.86 | 157.81 | 215.73 | 258.39 | |
WebXPRT3 | 37 | 63 | 68 | 90 | |
WebXPRT4 | 23 | 39 | 44 | 59 | |
MotionMark | 24.99 | 3.27 | 51.81 | 114.6 | |
Octane | 4574 | 9534 | 11126 | 14590 | |
Speedometer | 12.8 | 24.2 | 32.59 | 37.1 | |
PCMark | Work 3.0 | 4695 | 5957 | 7249 | 7952 |
Battery (100%) | 4h23m | 4h19m | 4h29m | 5h20m | |
Battery (50%) | 6h26m | 5h37m | 7h48m | 10h6m |
ストレージ
「Tab 8 Wifi」のストレージは64GBまたは128GBのeMMC。
今回のレビュー機は128GBです。
microSDは剥き出しの装着です。
ストレージ速度の計測結果。
#1が内部ストレージ、#2がmicroSD(SanDisk Extreme Pro 128GB)です。
内部ストレージはリード88.2MB/s、ライト87.3MB/sで、いかにもeMMCって感じの速度ですね。
microSDはリード58.4MB/s、ライト34.0MB/sで、低コスト製品の割には頑張っていると言ったところでしょう。
使ってみた
ディスプレイ
「Tab 8 Wifi」のディスプレイは10.1インチ1280×800。
かなり低解像度で、先日レビューした「P40HD」(1920×1200)比で2/3、ハイエンドクラスのXiaomi「Pad 5」(2560×1600)比だと半分です。
しかし、思ったほど低解像度感はなく、30cmも離れれば文字は普通に読めるし、違和感は感じません。
まぁ、高精細感はないんですけど。
ベゼルは結構太めの14.0mm。
筐体も樹脂製で持った時にチープな感触を受けますが、玩具に通ずる頑丈感があって、ついつい雑に扱ってしまいます。
明るさごとの比較。
輝度0はかなり暗くできます。屋内なら輝度50~75くらいでちょうどいい感じです。
サウンド
スピーカーは、まぁ値段なりというか。
横置き時の下辺にあり、スタンドなどで立てると机面に反響して、音量マックスにするとリビング全体に響くくらいの音量になります。
とはいえマックスにすると音量は出るものの筐体がビビリ出してこもった音になるのですが。
音量ボタンでの操作は15段階で、10を下回ると囁き声みたいになる、なんともピーキーなスピーカーです。適量は13か14ですね。
というわけで、音量14に設定して鑑賞。
低音は・・・まぁ、出ていたら驚きですね。
中音と高音はチープ気味。ざらついた音というか、ラジオの音みたいな感じです。
ただ一番の問題は、ピーキーな仕様であること。音の抑揚の落差が激しく、サイレンのような強弱の波があるホワンホワンとした音になって耳がつらいです。
音量が大体一定となる話し声は比較的楽に聞けますが、抑揚の強い歌だときついですね。まぁ話し声も品質はスマホの通話音声よりちょっとまし程度なんですけど。
そういう特性なので、特にバイオリンをはじめとする弓で長く弾く弦楽器は苦手。一番まともに聞けるのが破裂音。なので全編破裂音と言ってもいいドラムソロとか和太鼓(ただし大太鼓の音は聞こえない)は比較的ホワンホワン感なく聞くことができます。
あくまでもレビュー者の個人的感想である点にご注意ください。
動画
「Tab 8 Wifi」のWidevineはL3。というか、1280×800でL1だとしても、そもそもFHD解像度の再生はできないので恩恵は薄いのですが…
ゲーム
PUBG
画質設定は意外なことに、HDの高まで選択可能。
しかしタッチの反応が悪く、0.3~0.5秒くらいラグが出るので操作感は非常に悪いです。
原神
原神でまずてこずったのが、ログイン時のスマート認証。タッチの反応が遅すぎて、3回失敗するという予想外のスタートに。
さらにデータDL完了状態で起動からプレイ可能になるまで3分以上かかるという。
設定と負荷。
これだけ見るとプレイできそうな雰囲気ですが、実際はタッチラグがひどくてプレイできないし、カメラをぐるりと回すだけでも描画が追い付かないしで、プレイは無理ですね。
せいぜいができて、キャラクターの移動程度でしょう。
カメラ
「Tab 8 Wifi」のカメラはフロントが800万画素(3264×2448)、リアが1300万画素(4160×3120)です。
が、画像の通り、動画は480pまでしか対応していません。地味に罠だなぁ…
リアカメラは、かなり黄色がかった映りです。
フォーカスは悪くありません。
フロントカメラはかなり明るいというか、白いですね。
自撮りでは顔が暗くなりがちなので、その対策でしょう。
※上2枚の画像は、幅800に縮小した以外の加工はしていません。
等倍で見ると油絵かな?って感じで、写真としてはかなりの低画質と言えます。
バッテリー
バッテリーは明るさ100%で4時間23分、明るさ50%で6時間26分でした。
明るさ50%時はちょっと短めです。
消費電力
消費電力は、最大12.5W。スリープ状態だろうが、原神を起動してようが、12.1~12.5Wです。
あとどうもUSB PD非対応なようで、Type-A to Type-Cケーブルでないと充電できないという。
外観
外箱はシンプル寄りで、すっきりしたデザイン。
パッケージ全体です。
同梱物
サンプル機なので、電源アダプタは中国系に多いCタイプ。国内販売分はちゃんとAタイプ(日本のコンセント)になっています。
また、最近主流のC to Cではなく、A to Cです。
マニュアルには日本語ページあり。
フォントはしっかり日本語フォントが使われています。
が、機械翻訳なのか、言葉としてはかなりおかしいですね。
本体
本体はぱっと見でもベゼルが太めです。
試しにTECLAST「P40HD」と比較(左上を合わせた状態)すると、半回りほど大きいことが分かります。
再掲ですが、インターフェース。
電源と音量、ヘッドホン端子は上辺に、スピーカーは下辺に位置しています。。
カメラの見た目は最近のカメラっぽい感じ。
出っ張りが少なく、置いたときの安定性が比較的いいです。
…いつも思いますがタブレットのカメラって性能が求められていないので、無理にいいカメラを入れず、フラット仕様にした方がウケると思うんですよね…
フロントカメラ。
画面には最初から保護フィルムが張られていることも分かります。
背面はロゴ(真ん中にある)はあまり目立ちません。
ラベルにもきちんと技適番号が書かれています。
スペック上では重さは520gでしたが、実測では533gとやや重い結果に。
システム
起動画面。
ホーム画面は素のAndroidに近いように見えて、アイコンなどがカスタマイズされています。
OSはAndroid 12ベースのDoke OS Go v3.0。
最終アップデートは2022年12月でした。
アップデート頻度からも、そこまで力を入れているモデルじゃないということが伝わってきます。
ストレージは128GB。
Android 12から追加されたメモリ拡張機能(ストレージの一部をメモリとして扱う)では、最大3GBまでの拡張に対応しています。
メニュー一覧にAndroid Autoがあるのに非対応でした。これはさすがに放置はダメなのでは…?
アプリ一覧ではYT Kidsやゲームなど、子供向けコンテンツが追加されています。
まとめ
「Tab 8」は、当初の予想よりは使えそうな感じですが、びっくりするほどではないというのが感想です。
タフネススマホを手掛けるBlackviewらしく、MILスペックでもないのに筐体がやたら頑丈なので、乱暴に扱いがちな幼児向けにはいいかもしれません。
まぁ、YT Kidsやゲームがいくつかデフォルトで入っているあたり、子供向けを意識しているというイメージは間違ってはいないでしょう。
価格もセール時には1万円前後なので、玩具のカテゴリに入れてもいいくらいです。
ただやはり、大人が使うには物足りないし、タッチの反応は遅いし、低解像度だしで、価格だけ見て買うと、安物買いのなんとやらになるでしょう。本格的に使うタブレットを探しているのであれば、価格は2倍になりますが「Tab 12 Pro」や「Tab 15 Pro」をおすすめします。
上のリンクそれぞれで別のクーポンコードとなります。
ストレージ64GBモデル:ZXYYCGYU
ストレージ128GBモデル:Q3LQBYS6
クーポン期限:8月13日23時59分
関連リンク
Blackview Tab 8 WiFi:Blackview
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