2023年9月26日、LenovoはAMD Ryzen 7030Uシリーズを搭載した14インチノート「ThinkBook 14 Gen6(AMD)」、及び16インチノート「ThinkBook 16 Gen6(AMD)」を発表、発売しました。
スペック
■ ThinkBook 14/16 Gen6(AMD) | |
CPU | Ryzen 7 7730U Ryzen 5 7530U Ryzen 3 7330U |
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メモリ | 8~16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 256GB~1TB NVMe Gen4 SSD |
画面 | 14.0インチ IPS WUXGA/2.2K 16.0インチ IPS WUXGA/WQXGA |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×2 USB 3.0×2 HDMI SDXC 1GbE 有線LAN オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6E+BT5.2 |
バッテリー | 45WHr |
サイズ | 14″:313.5×224×16.9mm 16″:356×253.5×17.5mm |
重さ | 14″:1.39kg 16″:1.7kg |
特徴
ThinkBookはラインナップがやや変則的となっています。Gen5
以前の組み合わせは以下の通り。
Intel → 13.3インチ(薄型)、14.0インチ
AMD → 13.3インチ、14.0インチ、15.6インチ、16.0インチ(dGPU)
ここに今回、14.0インチと、15.6インチから大型化した16.0インチモデルが追加されたことになります。
記事執筆時点ではdGPU搭載の16.0インチ(ThinkBook 16p Gen 3 AMD)も併売されていますが、今後はどうなるんだろう…
なお、Intel版も14インチモデルが同時に発売されています。
CPU
「ThinkBook 14/16 Gen6(AMD)」のCPUは、Ryzen 7030UシリーズのRyzen 7 7730U、Ryzen 5 7530U、Ryzen 3 7330Uを搭載します。
これは「ThinkBook 14/15 Gen5(AMD)」から据え置きとなっています。
Ryzen 7030Uシリーズは型番こそ7000番台ですが、中身はZen3版Ryzen 5000リフレッシュシリーズ(Ryzen 7 5825UやRyzen 5 5625U)のリフレッシュ版です。
CPUアーキテクチャはそこそこ新しいものの、グラフィックアーキテクチャは2世代前のVegaとなり、現行のRDNA3からはかなり劣る性能となります。
Ryzen 7030Uシリーズは8コア、6コア、4コアと別れているので性能もばらけています。
最エントリーとなるRyzen 3 7330UでもCore i7-1165G7を上回る11,000オーバーのスコアを出しているあたり、Zen3の性能の良さが伺えます。
グラフィックについてはVegaアーキテクチャなので低め。
Ryzen 5 7530Uのデータが見当たらなかったので、Ryzen 5 5625Uを参考としています。Ryzen 3 7330Uもデータがなく、かつ前世代となる5000番台が存在しないため、表に入っていません。
とはいえグラフィックに関してはRyzen 7 7730Uが8EU、Ryzen 5 7530Uが7EU、Ryzen 3 7330Uが6EUのため、Ryzen 7 7730Uの4分の3、つまり3,000前後のスコアと予想されます。
Vegaアーキテクチャでも4K表示や、3Dや動画をやらない事務・ビジネスの範囲であれば十分とはいえ、ここは一つ世代を進めてRDNA2な7035Uシリーズがよかったなぁと思わなくもなかったり。
Intel版の「ThinkBook 14 Gen6(Intel)」がCPU据え置きだったので、それに合わせたのかもしれませんが。
メモリとストレージ
メモリは8GBまたは16GBのDDR4-3200。先代までオンボード+1スロットだったのが、2スロットに変更されました。
この変更によって、最大メモリが40GB(オンボード8GB+32GB)から64GB(32GB×2)に向上しました。
「ThinkBook 14 Gen6(Intel)」の記事でも書きましたが、コンシューマ向けメインストリームである「IdeaPad Slim」シリーズが2スロットスタイルからオンボードメモリとなったので、2スロットタイプに対する需要をThinkbookで吸収しようとしたのかなぁと。
ストレージは256GBから1TBのM.2 Gen4 SSD(TLC NAND)。
ただし、PSREFによると内部的にはデュアルM.2 Gen3 2280スロットとなっているので、Gen4 SSDなのは調達の都合上というだけで、恩恵は薄いようです。
なお、標準搭載のSSDは容量に関わらず2242サイズとなっています。
その他
無線LANはWi-fi 6E(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.2対応です。
有線LANは1GbE。半ビジネス機であるThinkbookはThinkPad同様に有線LANを搭載しています。
バッテリーは3セルの45Whr。海外では4セルの60WHr(14″)および71WHr(16″)というカスタマイズがあるようですが、国内モデルにはありません。
外観
「ThinkBook 14/16 Gen6(AMD)」は先代から筐体が一新されています。
正面です。
ディスプレイは今モデルからアスペクト比16:10となり、選択できるパネルは以下となります。
14.0インチ:
・WUXGA(1920×1200):45%NTSC, 300 nit, 60Hz
・2.2K(2240×1400):100%sRGB, 300 nit, 60Hz
16.0インチ:
WUXGA(1920×1200):45%NTSC, 300 nit, 60Hz
WQXGA(2560×1600):100%sRGB, 350 nit, 60Hz, ブルーライトカット
上でも書いたように、アスペクト比が16:9から16:10に変更されるにあたり、14.0・15.6インチの組み合わせが14.0・16.0インチに変更されています。
というのも、15.6インチFHD(1920×1080)は141DPI、16インチWUXGA(1920×1200)は142DPIで、見かけ上の細かさがほぼ変わらないためです(15.6インチWUXGAだと145DPIで少し細かくなる)。
Webカメラは1080pです。
2.USB 3.2 Gen1
3.イーサネット・コネクター(RJ-45)
4.セキュリティキーホール
6.USB 3.2 Gen1
7.HDMI
8.USB 3.2 Gen2 Type-C
9.マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
インターフェースは「ThinkBook 14 Gen6(Intel)」とほぼ同じで、違いはThuderbolt4がUSB 3.2 Gen2にダウングレードしているという点くらいです。
…ここも7035UシリーズならUSB4にできていたんだろうなぁ…
14インチも16インチも同じ構成なので、中のボードは同じものが使われているものと思われます。
キーボードも大きく変更。
キートップはIdeaPad系のままながら、キー配列がThinkPad系に変更。矢印キーが半段下がり、PgUP/PgDNキーが追加されました。
天面及び底面。
天面はThinkBook伝統のツートンカラー、底面は吸気口が広めに開けられています。
まとめ
「ThinkBook 14/16 Gen6(AMD)」の価格は両モデルとも73,700円から。
「ThinkBook 14 Gen6(Intel)」が83,600円スタートなので、約1万円安いスタート価格です。CPU・グラフィックの性能差と、Thundebolt4対応の有無を考えると妥当な価格差かなと。
…これたぶん、7035Uシリーズにしてたら価格帯が一緒になっていたんだろうなぁ…
Thundebolt4/USB4はないものの、2.2K/2.5KパネルやThinkPad系配列のキーボードなど、IdeaPadシリーズとの差を作ることに成功しているので、これはこれで有力な選択肢にはなりそうです。
でもやっぱりCPUが微妙なので、ThinkBookシリーズの製品サイクルの早さ(Gen5は2023年3月発売)を考えて、2024年3月頃にCPUを更新した新モデルが出ると予想して、それまで待つのも手かもしれません。
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