2023年12月28日、ミニPCメーカーのMINISFORUMはCore i9-12900H/13900Hを搭載したミニワークステーション「MS-01」を発表、発売しました。
他メーカーが絶対に新機種を発表しないタイミングにぶっこんで来たのはいいですが仕事納め直撃で、記事書いた人は涙目だったんじゃなかろうか。
スペック
■ MS-01 | |
CPU | Core i9-13900H Core i9-12900H |
---|---|
メモリ | 0/32GB DDR5-4800/5200 |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD |
インターフェース | USB Type-C(USB4)×2 USB 3.2 Gen2×1 USB 3.2 Gen1×2 USB 2.0×2 HDMI 2.5GbE 有線LAN ×2 10Gbps SFP+ ×2 オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.2 |
サイズ | 196×189×48mm |
重さ | 1.42kg |
特徴
「MS-01」はミニワークステーションと銘打つだけあって、マニアックというか、一般ユーザーはついてこれない内容となっています。
CPU
「MS-01」のCPUはIntel第12世代のCore i9-12900Hまたは第13世代のCore i9-13900H。
どちらも14コア20スレッド(6P8E)のハイスペックCPUで、TDPが45Wという点も同じ。ターボ字の動作周波数がCore i9-13900Hの方が高く、ベンチマークでは数%~1割ほどスコアが向上しています。
グラフィックはどちらもIris Xe(96EU)で、最大動作周波数が0.05GHz異なる程度(1.45GHzと1.50GHz)。
むしろ、PC側の電力状況とかがスコアに影響するレベルの差です。
メモリとストレージ
「MS-01」は完成品とベアボーン(Core i9-13900Hのみ。メモリ・ストレージ・OSなし)とが用意されています。
完成品はメモリが32GBで、規格はCore i9-13900HモデルはDDR5-5200、Core i9-12900HモデルはDDR5-4800です。
ストレージは1TB Gen4 SSD。内部的にはトリプルM.2(Gen4 x4+Gen3 x4+Gen3 x2)となっていて、Gen4スロットはU.2 SSDにも対応(同梱の変換アダプタを使用)。
U.2コネクタはひとつのコネクタでSATA/PCIe/SASに対応でき、さらにはホットスワップにも対応。容量も61.44TBまで展開されています(さすがに一般販売はありませんが…)。
エンタープライズ向けの規格で、オールフラッシュストレージサーバーなどで使われていましたが、最近では新しいEDSFF規格(M.2の置き換えのE1.Sと、U.2の置き換えのE3.S)に置き換わりつつあります。
サイトでは合計最大24TBとされていますが、リリース文では15.36TB以上のU.2 SSDについても言及されています。
とすると、8TB+8TB+30.72TBなんてことも可能かも(30.72TBはeBayで入手可能)。
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)に対応。Bluetoothはv5.2です。
有線LANは2.5GbEが2ポート(I226-LM+1226-V)に、10Gbps対応のSFP+が2ポート。SFP+のコントローラはIntel X710です。
さらには内部にPCIeスロット(Gen4 x16形式、速度はx8。対応サイズはハーフハイトシングルスロット)を備えていて、グラフィックボードやネットワークボードを増設できます。
なお、ハーフハイト(ロープロファイル)でシングルスロットなグラフィックボードはRadeon RX 6400、NVIDIA T1000など。リリース文ではNVIDIA RTX A2000対応と書かれていますが、RTX A2000のシングルスロットは魔改造品しかないような…?
何ならストレージでもいいですね。
電源は19Vで、PD給電については不明です。
外観
外観はLenovo「ThinkCentre Tiny」シリーズや「HP Pro Mini」シリーズなど、大手メーカーの出すコンパクトデスクトップとそっくりで、サイズもほぼ同じ(196×189×48mm)です。
インターフェース。
PCIeスロットにトリプルM.2とかデュアルSFP+とかやってるのに、さらにデュアルUSB4までやってます。
Core i9-12900H/13900HはPCIeを計28レーン持っているので、PCIe(8レーン)、M.2(4+4+2の合計10レーン)、SFP+(2レーン?)、USB4(4レーン×2)で合計28レーン。一応足りている計算にはなります。Intel X710はちょっと怪しいですが。
…なんというか、よく使いきったなぁと。
ちなみに、USB4ポートの下に着脱スイッチがあり、カバーがスポッと脱げます。
内部イメージ。カバーが底面とコの字型に分かれていますが、実際は筒状です。
また、表示されていませんがSSD用の冷却ファン内蔵ヒートシンクもあります。
こちらの画像だとSSDファンが映っていますね。
メモリは冷却ファンの下に隠れています。
パッケージ内容。
U.2-M.2変換アダプタが同梱されています。
まとめ
「MS-01」の価格は以下の通り
・ベアボーン(Core i9-12900H):87,980円 (売り切れ)
・ベアボーン(Core i9-13900H):105,980円
・完成品(Core i9-12900H/32GB/1TB):114,980円
・完成品(Core i9-13900H/32GB/1TB):132,980円
Core i9-13900H搭載ミニPCってだけで11~12万すること、Intel X710ボードで3万円近くすることを考えれば、中身がぶっ飛んでるのにこの価格って結構安いのでは?
SFP+だってRJ45(10GBASE-T)アダプタを挟めば10GbEとして使えますし、何ならSFP+の方が消費電力も少ないので、スイッチを買い替えた方が早いかも。
自宅LANを10G化している逸般の誤家庭には良さそう。
なお、MINISFORUMから頂いた資料上ではCore i5-12450Hモデルもあるようなので、後日いつの間にか追加されていると思います。
関連リンク
製品ページ:MINISFORUM
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