2024年1月31日、ゲーミングUMPCメーカーのAYANEOはRyzen 5 4500Uを搭載したゲーミングUMPC「NEXT LITE」を発売しました。
スペック

■ NEXT LITE | |
CPU | Ryzen 7 4800U Ryzen 5 4500U |
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メモリ | 16GB LPDDR4x-4266 |
ストレージ | 128~512GB NVMe Gen3 SSD |
画面 | 7.0インチ IPS 800p |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×3 オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.0 |
バッテリー | 47WHr |
サイズ | 267×112×22m |
重さ | 720g |
特徴
「NEXT LITE」は昨今の高額化するゲーミングUMPCに対するアンチテーゼのごとく、旧世代CPUに構成もチープめ。その代わりとんでもなく安くなっています。
筐体は2020年に発売した「AYANEO NEXT」に近く、名称的にもこれをベースにしたようです。

CPU
「NEXT LITE」のCPUはRyzen 7 4800UまたはRyzen 5 4500U。
記事執筆現在はRyzen 5 4500Uモデルのみ販売されています。
Ryzen 7 4800Uは2021年発売の「AYANEO 2021 Pro」に、Ryzen 5 4500Uは「AYANEO 2021」に搭載されていました。
Ryzen 7 4800U/Ryzen 5 4500UはZen2アーキテクチャにグラフィックはVegaアーキテクチャと、現在のZen4+RDNA3からすれば2世代以上古い構成です。
ただ実のところ、今でもミニPCでよく採用されているRyzen 7 5700Uが、Ryzen 7 4800Uと同じZen2+Vega(ただしRyzen 7 5700Uは改良版Zen2のLucienne)なので、ほぼ現役アーキテクチャでもあったりします。
Ryzen 5 4500UはSMT(Intelにおけるハイパースレッディング)に非対応な6コア6スレッドで、対応するCPUはRyzen 5000シリーズにはありません(Ryzen 5 5500Uは6コア12スレッド)。
CPU性能は、Ryzen 5 4500Uでも最低限レベルは持っています。Ryzen 7 4800Uは意外と健闘していますね。
グラフィック性能はさすがに微妙で、Ryzen 7 4800Uは現行のRyzen 7 7840Uのちょうど半分くらいのスコアです。
逆に言えば旧世代の格安品でも最新世代の半分のスコアは出せるということです。
メモリとストレージ
メモリは16GB LPDDR4x-4266。
ストレージは512GB Gen3 SSD。
Ryzen 5 4500Uには128GBモデルも用意されていますが、記事執筆時点では512GBのみがラインナップされています。
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.2で、チップはIntel AX200です。
有線LANはありません。
バッテリーは47WHr。
最大60WのPD入力に対応します。
OSは当初はSteamOS互換の「HoloISO」でしたが、Windows 11 Homeに変更されました。
HoloISOもサポートしていて、イメージファイルを公式サイトで配布するとのこと。
外観
「NEXT LITE」の全体です。
筐体のデザインは「AYANEO NEXT」にそっくりで、外見的な差はUSBの端子数が違う程度です。
というか、商品ページの画像自体、「AYANEO NEXT」のオマージュになっています。
ディスプレイは7インチ1280×800。有機ELではなく、IPS液晶です。
Ryzen 7 4800U/Ryzen 5 4500Uのグラフィック性能だと、1920×1200にすると性能が足りなくなるので、あえて解像度を落とすのは正しい選択と言えます。
インターフェースはType-Cが3ポート。上部に2ポート、底部に1ポートです。上部にはオーディオジャックもあります。
Ryzen 4000世代はまだThunderbolt3の時代で、Thunderbolt3はIntelとApple主導の規格でAMDはCPU自体が非対応。
なので「NEXT LITE」のType-Cは全ポートUSB3.2 Gen2となっています。
あとさりげなくSD/microSDも非対応です。
また、格安だけあって筐体はチープ感というかプラスチッキーというか、おもちゃっぽい雰囲気を出しています。
カラーはStrarry Black、Sky White、Pastel Blueの3色です。
まとめ
「NEXT LITE」は記事執筆現在でRyzen 5 4500U+512GBモデルのみが発売されていて、価格は100台限定で299ドル(記事執筆時点で売り切れ)です。
事前の情報だと、定価は以下の通り。
Ryzen 5 4500U+128GB:299ドル (約43,800円)
Ryzen 5 4500U+512GB:349ドル (約51,100円)
Ryzen 7 4800U+512GB:399ドル (約58,500円)
Ryzen 7 4800U搭載の「AYANEO 2021 Pro」(2021年10月発売)は1215ドル(14万円弱)だったので、2年ちょっとで1/3になった計算です。
昨今のゲーミングUMPCは10万円超えが当たり前というか10万円以下がほとんどなく、旧世代構成とはいえ5万円前後というのは一種のブルーオーシャンです。
問題は、そこに需要があるとは限らないというところですね。
現にAYNはCeleron 7305/Athlon Gold 7220Uを搭載した「Loki Mini」および、Pentium 8505(Core i3-1215Uにアップグレード可能)を搭載した「Loki Mini Pro」を、最低注文数に届かなかったという理由で中止しています。注文してたのに…

「NEXT LITE」もはたして売れるのかどうか。今後低価格ゲーミングUMPCというジャンルが築かれるのか。
実は結構重要な、試金石的な機種になるのかもしれません。
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