結局OCuLink廃止。GPD「WIN Mini 2024」はRyzen 8000シリーズ+120Hzディスプレイにアップデート

クラウドファンディング

2024年3月4日、UMPCメーカーのGPDは7インチUMPC「WIN Mini 2024」を発表、3月6日からクラウドファンディングサイトのIndiegogoでファンディングを募っています。

参考 GPD WIN Mini 2024:120Hz VRR Landscape Game Console:Indiegogo

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スペック

■ WIN Mini 2024
CPURyzen 7 8840U
Ryzen 5 8640U
メモリ16~64GB LPDDR5-6400
ストレージ512GB~2TB NVMe SSD(2230)
画面7.0インチ IPS FHD(120Hz)
インターフェースUSB Type-C(USB4)×1
USB Type-C(Gen2)×1
USB 3.2Gen2×1
microSDUC
オーディオジャック
wi-fiWi-fi 6+BT5.2
バッテリー44.24WHr
サイズ168×109×26mm
重さ520g

特徴

「WIN Mini 2024」は2023年に発売された「WIN Mini」のバージョンアップ機です。

がじぇっとりっぷは「WIN Mini」のときは「これ、どうなんだろうなぁ…」と紹介をしなかったのですが、世間では意外と高評価だったため、後継機は紹介することにした次第です。

CPU

「WIN Mini 2024」のCPUはRyzen 8000シリーズからRyzen 7 8840UまたはRyzen 5 8640Uを搭載します。
記事執筆時点では、選択できるのはRyzen 7 8840Uのみです。

アーキテクチャは据え置き。モバイル向けRyzen 8000シリーズはAI強化に舵切り。2年半ぶりのAPUも登場

Ryzen 8000シリーズは2023年12月に発表されたCPUですが、CPUおよびGPUアーキテクチャはRyzen 7040シリーズと同じZen4+RDNA3となっています。
Ryzen 7 8840Uは、内容的にはRyzen 7840Uとほぼ同じ。違いといえるのはNPU(XDNA)が強化された点だけです。

CPUPassMark(Multi)
Core i9-14900HX(24C/32T)45859
Core i9-13900HX(24C/32T)44672
Core i9-13900H(14C/20T)29399
Ryzen 7 7840HS(8C/16T)29056
Ryzen 7 8845HS(8C/16T)28412
Core i9-12900H(14C/20T)28344
Core i7-13700H(14C/20T)27600
Core i7-12700H(14C/20T)26850
Ryzen 7 7840U(8C/16T)25100
Ryzen 7 7735HS(8C/16T)24279
Core Ultra 7 155H(16C/22T)23544
Ryzen 7 6800H(8C/16T)23593
Core i9-11980HK(8C/16T)22894
Core i5-13500H(12C/16T)22840
Ryzen 9 5900HX(8C/16T)22635
Ryzen 5 7640U(8C/16T)21568
M2 Pro(10C/10T)21541
Ryzen 7 5800H(8C/16T)21110
Ryzen 7 6800U(8C/16T)20644
Core Ultra 5 125H(14C/18T)20298
Ryzen 7 7730U(8C/16T)18833
Ryzen 7 5825U(8C/16T)18423
Ryzen 5 6600U(6C/12T)16846
Ryzen 5 7530U(6C/12T)16419
Ryzen 5 5625U(6C/12T)15029
Core i3-1315U(6C/8T)12715
Core i7-11370H(4C/8T)11729
Core i3-1215U(6C/8T)10889
Core i7-1165G7(4C/8T)10327
Core i5-1135G7(4C/8T)9867
GPUFireStrike(Graphics)
RTX 3070 Mobile26845
RTX 4060 Mobile26304
Radeon RX 6600M23121
RTX 3060 Mobile20103
GTX 1660Ti Max-Q13346
RTX 3050 Mobile12437
GTX 1060 Max-Q10765
VR Readyの壁
Intel Arc(155H)8876
AMD 780M(8845HS)8500
AMD 780M(7940HS)8175
Intel Arc(125H)7917
GTX 1650 Max-Q7828
AMD 780M(7840U)7534
GTX 1050 Max-Q7285
AMD 680M(6800U)6890
GeForce MX5506199
Core i7-12700H5641
GeForce MX450(30.5W)5369
Core i7-1355U5200
Core i7-1165G75102
Ryzen 5 6600U4832
Core i7-1255U4383
Ryzen 7 5800U3933
Core i5-1135G73800
Core i5-1235U3745
Ryzen 5 5625U3453
Core i3-1215U3378
Core i3-1115G42340

PassMark3DMarkの集計値に基づいています

Ryzen 7 8840U・Ryzen 5 8640Uともにデータが見当たらなかったので、Ryzen 7 7840U・Ryzen 5 7640Uで代用。性能はほぼ変わらないと思っていいです。
Ryzen 5 7640Uって何気にRyzen 9 5900HXに近い性能なんですね。

メモリとストレージ

メモリは16GBから64GBのLPDDR5-6400。16GBはRyzen 5 8645HSモデルで、Ryzen 7 8840Uモデルは32GBまたは64GBです。
記事執筆時点では32GBのみがラインナップされています。

ストレージは512GBまたは2TBのM.2 Gen4 SSD。2230サイズで5,000MB/sクラスとされています。
2230サイズは1チップになるので並列化できず、現状では5,000MB/s前後が上限です。

その他

無線LANはWi-fi 6(802.11ax)に対応。Bluetoothはv5.2です。
仕様では2.4G/5Gとされていて、6Gがないので、Wi-fi 6Eではなさそうです。

バッテリーは44.24WHrでセル数は不明。
駆動時間は高負荷時で3時間、低負荷時は14時間とされています。

電源アダプタは65W(Type-C)で、充電時間は記載がありません。
付属品ながら折り畳みプラグで、前世代の「WIN Mini (2023)」では2ポートのものが付属していたので、多分同じになると思われます。

汎用性があって、ちゃんと使われそうな充電器を付属させるのは素晴らしいですね。

外観

本体正面です。
ディスプレイは7インチFHD(1920×1080)。これまでのポートレート液晶からついにランドスケープ液晶に変更されました
リフレッシュレートは120Hzまでの可変リフレッシュレート(VRR)に対応。

表面はGorilla Victusに、高硬度・低反射・高透過なAF+ARコーティングを採用しています。

インターフェース。
全面と左右には何もなく、すべて背面に集約されています。
転送速度が63GbpsのOCuLinkは、Type-Aに置き換わりました。

持った時のサイズ感。
ちょっと見づらいですが、ジョイスティック・十字キーの下にL4/R4ボタンがあります。
ジョイスティックの押し込みにL3/R3が割り当てられています。

QWERTYキーボードのキーピッチは10.1mm。あくまで補助的なものと割り切った方が良さそうですが、グリップスタイルでも中央付近まで親指が届くので、意外と使い勝手は悪くないのかも(「Win Max」は中央まで親指が届かなくて、使いにくかったので…)。

後ろからだとこんな感じ。
マウス/ゲームパッドのモード切替スイッチも背面です。

見えていないですが、持ちやすさ向上のためのグリップがギフトとして付属(「WIN Mini (2023)」ではオプション扱いだった)します。

外付けGPUとなる「G1」とのセットもラインナップされています。
「G1」はRadeon RX 7600M XTを搭載、OCuLinkとUSB4のどちらの接続にも対応したGPU Boxです。

「WIN Mini 2024」はOCuLinkが廃止されたので、USB4接続となります。

まとめ

「WIN Mini 2024」の価格は、8840U/32GB/512GBの構成で879ドルから。記事執筆時レートだと、129,953円からとなります。
「WIN Mini (2023)」は7840U/32GB/512GBが919ドル、グリップ付きだと948ドルだったので、実は結構値下がりしているという。

OCuLinkは廃止されましたが、Thunderbolt5も見えてきた今では普及する気配はなさそうですし、汎用的なType-A端子に変更したのは悪くない判断かと。

性能も十分ですし、モバイルでも使えるミニPC的な扱いもできますし、さらに価格もこなれてと割といい感じに仕上がった「WIN Mini 2024」。
ファンディング終了は4月6日、発送は2024年4月です。

関連リンク

参考 GPD WIN Mini 2024:120Hz VRR Landscape Game Console:Indiegogo

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