【レビュー】 Lenovo Legion Go:価格も納得。Lenovoらしいコントローラー着脱式ゲーミングUMPC

レビュー

Legion Go」はLenovo初のゲーミングUMPCです。
ASUSの「ROG Ally」に続くRyzen Z1 Extreme搭載機として、多彩なギミックを内蔵するUMPCとして注目されましたが、2.5万円という価格差からか「ROG Ally」ほど話題にはならず、市場の反応も薄めです。

価格が評価に困る。 Lenovo「Legion Go」は8.8インチ/144Hzで13.5万円なゲーミングUMPC

そんなちょっと不憫な立場の「Legion Go」、実機をお借りできたので、実際にはどうなのか見ていきましょう。

当レビューはメーカーより機材提供を受けたものですが、内容自由で書かせてもらっています。
当ブログの方針として、悪い点も包み隠さず書いていきます。
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Lenovo Legion Go

CPURyzen Z1 Extreme
メモリ16GB LPDDR5-7500
ストレージ512GB M.2 SSD
画面8.8インチ IPS WQXGA(144Hz)
インターフェースUSB Type-C(USB4)×2
microSDXC
オーディオジャック
wi-fi802.11ac+BT4.2
バッテリー49.2WHr
サイズ298×131×40.7mm
重さ854g

GoodPoint
高精細大画面
予想以上にパワフル
管理アプリが作りこまれている
タッチパッドが便利

BadPoint
分離時にゲームパッド化できない
コントローラにクセがある
手持ちだとちょっと大きい

パッケージ

内容物
・本体
・電源アダプタ
・コントローラスタンド
・マニュアル類

「Legion Go」のインターフェース

■天面
・電源ボタン
・オーディオジャック
・microSDXC
・USB4
・音量ボタン
■底面
・USB4

インターフェースは相当にシンプル。
外部端子はUSB4×2ポートのみと割り切ったもので、Type-AやHDMIなどの大きな端子は排除しています。

もともとスタンドアロンで動作させることが前提ですし、外付けデバイスとして求められるeGPU(外部GPU)はUSB4(Thunderbolt3/4)での接続なので、ゲーミングデバイスとしてはこれで足りていると言えなくもありません。

コントローラは着脱式
右コントローラはスタンド(コントローラードック)を使うことで、マウスとして機能します。

「Legion Go」のディスプレイ

「Legion Go」のディスプレイは8.8インチWQXGA(2560×1600)

モニター情報を見ると「Go Display(LEN0001)」とあり、パネルメーカーなどが謎。
公開されている仕様(97% DCI-P3、輝度500nits、リフレッシュレート144Hz)からすると、タブレットの「Legion Y700」(国内では「LAVIE Tab T9」)と同じパネルじゃないかなとは思っています。

比率カバー率
sRGB136.5%99.3%
AdobeRGB101.2%91.8%
NTSC96.7%90.5%
DCP-P3100.6%95.3%

色域はめっちゃ広いです。
公式では97% DCI-P3を謳っていますが、実測でもDCI-P3カバー率95.3%と、ほぼ仕様通りの数字となりました。

ガンマ補正グラフはちょっと乱れ気味。
これまでレビューしてきた経験から、青が乖離することはよくありますが、緑も乖離するのは珍しいですね。

明るさ輝度(nits)
100%366
90%290
80%236
70%195
60%160
50%129
47%120
40%98
30%72
20%50
10%30
0%15

仕様上の最大輝度は500nitsですが、明るさ100の時の輝度は366nitsでした。標準となる120nitsは、明るさ47です。
いわゆる全画面輝度での測定なので、部分的に明るくした場合のピーク輝度はもう少し高くなりそうですが、500nits出るのだろうか…?

「Legion Go」のパフォーマンス

「Legion Go」の搭載CPUはRyzen Z1 Extremeで8コア16スレッドです。
アーキテクチャはZen4+RDNA3で、ベース3.3GHz、ブースト最大5.1GHzはRyzen 7 7840Uと同じですが、Ryzen Z1 ExtremeではAIエンジン(NPU)であるXDNAが削除されています。
また、cTDPが9~30W(9W/15W/30W)と下側に広くなっています(Ryzen 7 7840Uは15~30W)。

「Legion Go」ではTDPを静音・バランス・パフォーマンスの3段階(+カスタム)で選択できるので、各モードがそれぞれTDP9W・15W・30Wに対応しているものと思われ、その前提で計測しています。
その他の設定として、OS側の設定はパフォーマンスモード、ファン速度はスマートモードとしています。

また、付属の電源アダプタは65Wですが、最大パフォーマンスを出すには心もとない電源容量のため、100WのUSB PD充電器に接続して計測しています。

なお、一部でZen4cコアと書かれていますが、Zen4cコアが使われているのは下位のZ1(Zen4×2コア+Zen4c×4コア)であり、Z1 ExtremeはZen4×8コアです。

参考 AMD Ryzen Z1:AMD

総合

CPUPassMark9 (CPU)
Z1 Extreme(30W)264573820
Core i7-13700H253624229
Z1 Extreme(15W)244163807
Ryzen 7 7840U236033796
Ryzen 7 6800U215913230
Z1 Extreme(9W)197372559
Ryzen 5 5600U168412875
Core i5-11400H164882700
Core i5-1235U140233618
Core i7-11390H134952914
Core i5-1165G7134102974
Ryzen 5 4500U131682730
Core i7-11370H109272497
Core i5-1135G7101512595
Core i7-10510U90582539

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

PassMarkは新バージョン(v11)では3Dベンチでエラーとなったため、旧バージョン(v9)のみ。

Z1 Extremeの性能は思った以上に優秀で、ほぼ同じはずのRyzen 7 7840U(AOKZOE A1 Pro、レビュー未掲載)をさっくり上回っています。これにはちょっとびっくりしました。
最高性能もさることながら、バランスモード(TDP15W)の性能低下が少なく、モード名の通り省エネと性能のバランスに優れています。

CPU

CPUCINEBENCH R15
Core i7-13700H2613278
Z1 Extreme(30W)2193277
Ryzen 7 7840U2017265
Z1 Extreme(15W)1860236
Ryzen 7 6800U1624236
Core i5-11400H1524221
Ryzen 5 5600U1353223
Z1 Extreme(9W)1272224
Core i5-1235U1113223
Core i7-11390H948232
Core i7-1165G7859227
Ryzen 5 4500U858177
Core i7-11370H705188
Ryzen 3 4300U640161
Core i5-1135G7628160
Core i7-10510U502170
Core i7-8550U476163
Core i5-7200U324126
Ryzen 3 3200U309124

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CPUCINEBENCH R23
Core i7-13700H169431925
Z1 Extreme(30W)140711770
Ryzen 7 7840U128151719
Z1 Extreme(15W)115691619
Ryzen 7 6800U105931500
Core i5-11400H99791474
Z1 Extreme(9W)80071579
Ryzen 5 5600U79301368
Core i5-1235U75111568
Core i7-11390H58561516
Core i7-1165G754451522
Ryzen 5 4500U53931163
Core i7-11370H45601279
Ryzen 3 4300U42231062
Core i5-1135G740391279
Core i7-10510U29641046
Core i5-7200U1862799
Ryzen 3 3200U1736773

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CINEBENCHだとPassMarkほどには差はないものの、こちらもRyzen 7 7840Uを上回る結果に。
Ryzen 7 7840UはCPU+GPU+NPUでの電力配分を考えるのに対し、Z1 ExtremeではCPU+GPUで考えればいいこと、あるいはLenovoらしくピーク性能に割り振ったチューニングがされている可能性などが考えられます(あくまで想像です)。

GPU

CPU3DMark Fire Strike (Graphic)
GTX 16509264
Z1 Extreme(4GB×4、30W)8497
Z1 Extreme(4GB×4、15W)7910
Ryzen 7 7840U(16GB×4)7523
Ryzen 7 6800U(16GB×2)6950
GTX 10506210
Z1 Extreme(4GB×4、9W)5927
Core i7-13700H(16GB×2)5617
Core i7-11370H4937
Core i7-11390H4216
Core i7-13700H(16GB×1)4028
Core i7-1165G7(8GB×2)3883
Core i5-1135G7(8GB×2)3842
Core i5-1235U(8GB×2)3581
Ryzen 5 5600U(8GB×2)3316
Ryzen 5 4500U(8GB×2)3247
Core i7-10510U(8GB×2)1285
Core i5-7200U(4GB×2)962

CPU3DMark Time Spy (Graphic)
GTX 16503495
Z1 Extreme(4GB×4、30W)3009
Z1 Extreme(4GB×4、15W)2802
Ryzen 7 7840U(16GB×4)2776
Ryzen 7 6800U(16GB×2)2352
Z1 Extreme(4GB×4、9W)2108
GTX 10501725
Core i7-13700H(16GB×2)1689
Core i7-11370H1542
Core i7-11390H1346
Core i7-13700H(16GB×1)1306
Core i7-1165G7(8GB×2)1236
Core i5-1135G7(8GB×2)1188
Core i5-1235U(8GB×2)1153
Ryzen 5 5600U(8GB×2)1047
Ryzen 5 4500U(8GB×2)940
Core i7-10510U(8GB×2)399
Core i5-7200U(4GB×2)321

グラフィック性能もRyzen 7 7840Uを上回っています。
あと一歩でGTX 1650(Max-Q)に届きそうですね。「Legion Go」はメモリ16GBで、内臓グラフィックへの割り当てが3GB弱なので、メモリが倍になれば届くかもしれません。

ストレージ

「Legion Go」のストレージはWD(Western Digital) SN740の512GBモデル。
この辺りはさすがLenovoというか、中華系のマイナーメーカーではなく、信頼性の高いWD製を採用しています。

CrystalDiskMarkでは、リード5,000MB/s、ライト4,000MB/s
2232サイズのSSDなのでチップの並列化ができず、5,000MB/sというのはほぼ限界(各社とも2232サイズは5,000MB/sで横並び)の数値です。

SDカード

SDカードはmicroSDに対応。

microSDカードリーダーの転送速度はリード95MB/s、ライト86MB/sと、早くもなく遅くもなくといったところ。
データのやり取りをするには十分ですね。

外観

パッケージ

外箱はかなり大きめ。
Legionシリーズは黒地に光沢ロゴでかっこいいんですよね。

本体は保護ケースに納められています。

保護ケース内にはコントローラードックも収納可能。
電源アダプタは入りません(これは他のメーカーも同じですね)。
セットで持ち歩くのであれば、電源アダプタも収納できた方がいいとは思うのですが…

本体はちょっと角ばった印象を受ける形状です。

付属品

マニュアル類はいつものLenovoと同じ。

電源アダプタはType-Cの65W出力。

筐体

ディスプレイは8.8インチと大型で、占有率も高めです。
また、最近のゲーミングUMPCの流行として、スティックも光ります

上部インターフェース。
左右のホールはスピーカーです。
ゲーミングUMPCでは左右パッドの下部にスピーカーを置くことが多いのですが、「Legion Go」はコントローラ着脱式のため、ここしかなかったのでしょう。

見づらいですが、ディスプレイ脇に環境光センサー。
カメラはありませんが、「Legion Go」は自動輝度調整に対応しています。

背面。
左上にファンが見えます。
下半分はスタンドです。

スタンドを最大に開いたところ。思った以上に開きました。

取り外したコントローラー。

接続部はこんな感じ。

実は左右でボタン配置が違っています。
慣れれば問題ないのでしょうが、がじぇっとりっぷは2週間の試用期間では慣れませんでした。

また、右コントローラーにはマウスモードで使うスクロールダイアルがあります。

右コントローラーの下部にはマウスと同じ発光部。
マウス機能は発光部横のスイッチでオンオフをします。

スタンド(コントローラードック)に差し込んだところ。
マグネットで接続されるので、簡単には外れません。

重量

本体重量はほぼ仕様通りの852g

タブレット部は639g、コントローラーは213gでした。

サイズが大きいから仕方ないとはいえ、850gの本体を持ってプレイするのは結構重たいです。
基本は机上でプレイするスタイルになるでしょう。

他のUMPCと比較

手持ちのUMPCと比較してみました。
まずは「GPD Win4」(6インチ)と。さすがにサイズ感が違いますね。

「AOKZOE A1 PRO」(8.0インチ)と比べるとこんな感じ。
0.8インチ差でもかなり画面サイズが違います。

立てて並べてみたり。

システム

起動前

UEFIはなんかすごくかっこいい。

詳細画面は他のLenovo製品と同じです。

システム情報

デスクトップ。壁紙はオリジナル。
タスクバーには見慣れない六角形のアイコン(Legionアプリ、詳細は後述)があります。

システム情報。
メモリは16GBで、GPUには3GB程度が割り当てられています。

ストレージはこんな感じ。パーティション分割はありません。

HWiNFOでのCPU情報。

TDPはなぜか45.0Wに。管理アプリでTDPを変更しても、個々の値は変わりませんでした。
あと、最大ジャンクション温度が85℃と低い点も注目ポイント

バッテリーの設計容量は仕様通り49.2WHrですが、完全充電容量は50.3WHrと2%強の余裕を持たせています。

独自アプリの「Legion Space」。
ASUSの「Armoury Crate SE」のように、Windows機であることを意識させず、ゲーム機としてふるまえるようになっています。

ホーム画面はこんな感じで、コントローラ操作が前提のUIとなっています。もう見た目がかっこいい。
中央の「ライブラリ」では、インストール済みのゲーム一覧が表示されます。

他にも各ゲームプラットフォームにアクセスしたり

パフォーマンスからネットワークなど主要な設定もできるようになっています。

画面は左上のLEGIONマークのボタンで通常のWindows UIと行き来できます。

反対サイド、右上の設定ボタンを押すと――

画面右側に管理アプリが表示されます。

内容は「Legion Space」の設定と同じです。
階層構造に苦言を呈するレビューも見受けられますが、がじぇっとりっぷは気になりませんでした。

ゲームベンチマーク

レビュー機のスペック

レビュー機のスペックは以下の通り。

CPURyzen Z1 Extreme
グラフィックAMD 780M
メモリ16GB
ストレージ512GB

[中量級] Street Fighter VI

2023年6月に発売し、全世界で300万本(2024年1月時点)を売り上げたストリートファイター6をベンチマークに追加。

高画質設定は言うに及ばず、NORMAL/FHDでもプレイアブルには届きませんでしたが、LOW/FHDだと60FPSに届きました。
低画質とはいえFHD解像度でプレイできるとは思っていませんでした。

[中量級] FF XIV 暁月の終焉

設定メモリスコアFPS評価
1920×1080
最高品質
30W576340.07普通
15W583640.85普通
9W471532.98普通
1920×1080
高品質
30W720150.76やや快適
15W702949.78やや快適
9W594842.06普通
1920×1080
標準
30W839160.04快適
15W811058.33快適
9W714651.50やや快適
1280×720
高品質
30W1000372.98快適
15W923967.33快適
9W829360.50快適
1280×720
標準
30W1070379.24快適
15W981972.45快適
9W907866.89快適
FF XIV 暁月の終焉
GTX 16509368 / 快適
本機(4GB×4,15W)5836 / 普通
本機(4GB×4,30W)5763 / 普通
Ryzen 7 6800U(16GB×2)5477 / 普通
Ryzen 7 7840U(16GB×4)5104 / 普通
本機(4GB×4,9W)4715 / 普通
Core i7-13700H(16GB×2)4017 / 普通
Core i7-11370H(8GB×2)3646 / 普通
Ryzen 5 5700U(8GB×2)3206 / 設定変更
Core i7-11390H(8GB×2)3118 / 設定変更
Core i5-1135G7(8GB×2)2846 / 設定変更
Ryzen 5 5600U(8GB×2)2835 / 設定変更
Core i7-1165G7(8GB×2)2734 / 設定変更
Core i5-1235U(8GB×2)2693 / 設定変更
Core i3-1115G4(4GB×2)1946 / 設定変更
Core i5-7200U(4GB×2)940 / 動作困難
Core i5-8250U(8GB×1)850 / 動作困難

1920×1080(最高品質)での比較

実ゲームとなると、さすがにGTX 1650から大きく離されました。
特に「Legion Go」は内臓グラフィックと合わせてメモリ16GBしかないので、内臓グラフィックの占有メモリが3GB弱(上の画像では2,980MB)となるのがネックとなっています。

それでも最高設定で40FPS、高品質で50FPS出ているので、普通に遊ぶ分には何とか足りていると言えそうです。

[重量級] FF XV Windowsエディション

設定メモリスコア評価
1920×1080 高品質30W2851やや重い
15W2525やや重い
9W2321重い
1920×1080 標準品質30W3861普通
15W3559普通
9W2944やや重い
1920×1080 軽量品質30W5071やや快適
15W4722やや快適
9W3813普通
1280×720 標準品質30W6177快適
15W5633やや快適
9W4525やや快適
1280×720 軽量品質30W7850快適
15W6976快適
9W5604やや快適
FF XV
GTX 16508162 / 快適
本機(4GB×4,30W)6177 / 快適
Ryzen 7 7840U(16GB×4)5994 / やや快適
本機(4GB×4,15W)5633 / やや快適
Ryzen 7 6800U(16GB×2)5250 / やや快適
本機(4GB×4,9W)4525 / やや快適
Core i9-13900H(16GB×2)3757 / 普通
Core i7-13700H(16GB×2)3629 / 普通
Ryzen 5 5700U(8GB×2)3138 / 普通
Core i5-1135G7(8GB×2)2733 / やや重い
Core i7-1165G7(8GB×2)2702 / やや重い
Ryzen 5 5600U(8GB×2)2634 / やや重い
Ryzen 5 4500U(8GB×2)2606 / やや重い
Core i5-1235U(8GB×2)2591 / やや重い
Core i7-11390H(8GB×2)2585 / やや重い
Core i5-1135G7(8GB×1)2001 / 重い
Core i3-1115G4(4GB×2)1961 / 動作困難
Ryzen 3 4300U(4GB×2)1914 / 動作困難
Ryzen 5 3500U(4GB×2)1823 / 動作困難
Ryzen 5 4500U(8GB×1)1724 / 動作困難
Core i5-1035G7(8GB×2)1543 / 動作困難
Core i5-10210U(8GB×2)1012 / 動作困難
Ryzen 3 3200U(4GB×2)1011 / 動作困難
Core i5-8250U(8GB×1)890 / 動作困難
Core i5-7200U(4GB×2)867 / 動作困難

1280×720(標準品質)での比較

重量級のFF XVでは、FHD/高品質でも”やや重い”評価となり、軽量品質なら”やや快適”とプレイできるレベルになりました。
流石に本来の解像度である2.5Kは無理ですが、FHD解像度でもプレイに耐えるというのは凄いとしか言えません。

消費電力・稼働時間・騒音・温度

消費電力

アイドル時15.4W
画面オフ時10.6W
スリープ時0.08-0.19W
充電(アイドル)44.2W/101W
充電(電源オフ)101W
CINEBENCH(S)32.7W
CINEBENCH(M)59.7W
最大63.5W
最大(充電中)101W

消費電力(TDP30W)は、結構高め。
一応、満充電状態であれば65W充電器でもぎりぎり収まる範囲ですが、充電も加わると100W充電器が必要になります。

充電(アイドル)の数字が二つあるのは、画像のように44Wと101Wを交互に繰り返していたためです。挙動としては謎。

稼働時間

キー入力のみ22909秒(6.36時間)
動画再生19953秒(5.54時間)
フルロード4971秒(1.38時間)

稼働時間はフルロード(CPU-ZによるCPU負荷+FF XVループによるグラフィック負荷)で83分弱。ここは他のゲーミングUMPCと大きくは変わりません。
実際のゲームでは2時間弱くらいが目安となるでしょう。

TDP9Wで計測しておけばよかったなぁと後悔。

騒音

状況音量聞こえ方
電源オフ34.9dB
アイドル34.9dB
サイレントモード36.7dB
バランスモード39.6dB
パフォーマンス44.7dB耳につく音
最大50.1dBかなりうるさい

騒音レベル[dB]音の大きさのめやす自室内の聞き騒音
うるさい70掃除機
騒々しい街頭
非常にうるさい
60普通の会話・チャイム
時速40キロの自動車の内部
非常に大きく聞こえうるさい
声を大きくすれば会話ができる
普通50エアコンの室外機
静かな事務所
大きく聞こえる
通常の会話は可能
40深夜の市内
図書館
多少大きく聞こえる
通常の会話は十分に可能
静か30ささやき声
深夜の郊外
非常に小さく聞こえる
20ささやき
木の葉のふれあう音
ほとんど聞こえない

「Legion Go」の騒音は、最大値だと他のUMPCと変わりません。
大きいとは言えない筐体空間内で冷却を行うのですから、そこはどうしてもトレードオフとなります。

しかし「Legion Go」ではファン速度を含めたパフォーマンス設定ができるので、比較的騒音を抑えることもできます。

前方30cmの位置で、サイレントモード時は最大3600RPMで36.7dB。音としては大きくありませんが、ちょっと高めの音なので少し耳につきます。ゲームプレイ時は小さくBGMを流せば気にならなくなる程度です。
バランスモードは最大4500RPM。ファンの音はそれなりですが高周波成分が少なく、高負荷時には一番バランスがいいなと感じました。
パフォーマンスモードでは最大5300RPMで44.7dB。ゲームプレイ時でもはっきり音がしますが、ファンの風切り音は一定の音なので意識からは排除しやすいです。一方で高周波成分がはっきりと混ざってくるので、そっちは気になります。

おそらく普段は設定しないであろうフルスピード(最大7500RPM)は、小さな掃除機みたいな感じ。排気量はかなりありますが、これでプレイしようとはならないですね…

温度

CPU温度は最大で77.4℃
上の方で見た最大ジャンクション温度85℃を大きく下回っています。

まとめ

「Legion Go」はゲーミングUMPCとしては後発組ですが、その分FPSモードのようなギミックが仕込まれていたり、独自アプリの「Legion Space」の作り込みがしっかりしていて、ゲーム機としてふるまえる点は好印象です。

個人的にいいなと思ったのが、バランスモード。
ゲームプレイ上は9割以上の性能を保ちつつ、ファン騒音が40dB以下に抑えられているので、ファン騒音を気にすることなく遊べたのが好印象でした。がっつりチューニングは後発ならではですね。

そんな「Legion Go」の価格は134,860円
同じZ1 Extremeを搭載する「ROG Ally」が109,800円で2.5万円も差があるのでかなり不利ではありますが、ディスプレイの差やギミックの差を考えると、価格差も納得の範囲です。
特にコントローラの分離は「ROG Ally」にはできない芸当ですし、個人的にはタッチパッドが+1万円くらいの価値があります。

あとは左右コントローラを接続してゲームパッド化できるマウンタが出れば完璧なのですが…

関連リンク

付録

ベンチマーク結果一覧

メーカーLenovo
モデル名Legion Go(30W)
CPUZ1 Extreme
GPURDNA3
メモリ4GB×4
ストレージ512GB Gen4
PassMark 9Total5501
CPU Single3820
CPU Multi26457.9
2D697.7
3D7289.6
Memory1970.9
Disk30542.9
3DMarkTimeSpy3322
Graphics3009
CPU8115
FireStrike7876
Graphics8497
Phisics19341
Combined3233
NightRaid27686
Grapihics33807
CPU13666
CINEBENCH R15OpenGL172.78fps
CPU(M)2193cb
CPU(S)277cb
CINEBENCH R20CPU(M)5315pts
CPU(S)688pts
CINEBENCH R23CPU(M)14071pts
CPU(S)1770pts
CPU-ZSingle469.9
Multi5271.1
CrystalMarkMark935205
ALU398208
FPU185036
MEM201505
HDD168889
GDI16404
D2D4165
OGL22998
GeekBench4Single7827
Multi41183
OpenCL117807
OpenCL(dGPU)
GeekBench5Single1852
Multi9721
OpenCL38466
OpenCL(dGPU)
GeekBench6Single2501
Multi11050
OpenCL31501
OpenCL(dGPU)
PCMarkALL7031
Essensial10587
Productivity10337
DigitalContent8620
VR Mark3452
DQ(DX9)1920・最高11180
すごく快適
1280・標準15567
すごく快適
FF XIV(DX11)
紅蓮
1920・最高5596
とても快適
1920・高7182
非常に快適
1920・標準8649
非常に快適
1280・高10390
非常に快適
1280・標準11338
非常に快適
FF XIV(DX11)
漆黒の反逆者
1920・最高5512
とても快適
1920・高6811
とても快適
1920・標準7970
非常に快適
1280・高9629
非常に快適
1280・標準10335
非常に快適
FF XIV(DX11)
暁月の終焉
1920・最高5763
普通
40.07
1920・高7201
やや快適
50.76
1920・標準8391
快適
60.04
1280・高10003
快適
72.98
1280・標準10703
快適
79.24
FF XV(DX11)1920・高2851
やや重い
1920・標準3861
普通
1920・軽量5071
やや快適
1280・標準6177
快適
1280・軽量7850
快適
MHF(DX10)
大討伐
192015811
128027544
Blue Protocol
(DX12・1920)
最高画質4669
設定変更
中画質7266
やや快適
低画質13104
極めて快適
ブラウザjetstream2320.263
BaseMark1871.79
WebXPRT4311
MotionMark1677.11
SpeedMeter2.0285
octane89519

ベンチマーク結果画像

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