2024年3月14日、MSIはCore Ultra Series 1を搭載した7インチゲーミングUMPC「Claw A1M」の予約を開始しました。
スペック
■ Claw A1M | |
CPU | Core Ultra 7 155H Core Ultra 5 135H |
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メモリ | 16GB LPDDR5 |
ストレージ | 512GB~1TB NVMe SSD |
画面 | 7.0インチ IPS FHD(120Hz) |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×1 microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 7+BT5.4 |
バッテリー | 53WHr |
サイズ | 294×117×21.2mm |
重さ | 675g |
特徴
「Claw A1M」はMSI初のゲーミングUMPCにして、Core Ultra Series 1を搭載したゲーミングUMPCでもあります。
Core Ultra Series 1搭載は他に10.95インチディスプレイなOne-Netbook「OneXPlayer X1」があります。
CPU
「Claw A1M」の搭載CPUはCore Ultra Series 1からCore Ultra 7 155HまたはCore Ultra 5 135Hを搭載します。
Core Ultra 5は125Hを採用する機種が多い中、135Hを採用してきました。
Core UltraはCPUコアを4nm相当のIntel 4、それ以外を5nm/6nmのTSMC N5/N6で製造する、タイル(チップレット)構造となっています。
ハイブリッドアーキテクチャはP+E+LP Eの3層になり、グラフィックアーキテクチャがIntel ArcベースのXe-LPGに、さらにNPUも内蔵しました。
Core Ultra 7 155H/Core Ultra 5 135HのTDPは28-64Wですが、TDP45Wの旧世代Hシリーズ(Core i7-12700H/Core i7-13700H)の9割程度のスコアを出しています。
あとなぜかCore Ultra 5 135Hのスコアがやたら高いです。サンプル数が少ないので、今後情報が増えればCore Ultra 5 125Hよりちょっといい程度に収まるものと思われます。
グラフィックスコアについてはCore Ultra 7 155Hが8Xeコア、Core Ultra 5 135Hが7Xeコアなので意外と差が小さく、Core Ultra 5 125H(135Hのデータがなかったので、125Hで代用)でもRyzen 7 7840Uと同等のスコアを叩き出しています。
Core Ultra 7 155Hに至ってはTDP45WのRyzen 7 8845HSをも上回っていて、CPU内蔵グラフィックの頂点の座をAMDから奪い返してしまいました。
とはいえ、圧倒的とまではいかないので、すでにRyzen 7 7840UやZ1 Extremeを搭載したゲーミングUMPCを所有しているのであれば、乗り換えるほどではなさそうです。
比較対象になりそうな、Ryzen Z1 Extreme搭載のLenovo「Legion Go」はレビューしているので、参考までに。
ちなみに、内臓グラフィックがIntel Arcを名乗れるのはメモリ16GB以上かつ、デュアルチャンネル以上の時で、条件を満たしていないとUHD Graphicになるそう。
「Claw A1M」はちゃんと条件を満たしていますね。
メモリとストレージ
Lenovo「Legion Go」やASUS「ROG Ally」と同じく、メモリは16GBのLPDDR5で固定。
内蔵グラフィックにもメモリを取られることを考えると、重量級タイトルでは結構かつかつでしょう。一応、手持ちの機材で計測した範囲では、重量級ゲームでもなんとか16GBの範囲には収まりますが…
ストレージはCore Ultra 5モデルが512GB、Core Ultra 7モデルが1TB。NVMe SSDとだけ書かれていて、Gen3かGen4かは不明です。多分Gen4だとは思いますが。
その他
無線LANはWi-fi 7(802.11be)に対応。当ブログでは初のWi-fi 7対応デバイスです。Bluetoothはv5.4。v5.4対応機器は…調べた範囲ではまだ存在しません。
Wi-Fi 7は変調方式が1024QAMから4096QAMに変更され、帯域幅も160MHzから320MHzに拡大したことで、ノートPC(2ストリーム)でも最大で5,764Mbps(Wi-fi 6は最大2,402Mbps)となります。
現在はアーリーアダプター期で、対応するWi-fiルーターもハイエンドモデルのみ。
「Claw A1M」も注意書きで「日本国内ではWi-Fi 6E/6/5/4のみ対応」と書かれていて、現状ではWi-fi 7は使用できません。
2023年12月20日の法改正で320MHz帯域幅を含むWi-fi 7が解禁されたので、今後のアップデートによる対応が待たれます。
参考 総務省告示第四百二十六号:総務省 ※PDF
管理ソフトは「MSI Center M」。
ただ見た感じ、TDP設定(静音モードやハイパフォーマンスモード)が見当たらないんですよね…
2024年4月16日追記:実機レビューによるときちんと設定はありました。AI制御モードなるものがパフォーマンスがいいようです。
バッテリーは6セルの53WHr。
駆動時間はゲームプレイ時最大2時間、4K動画の連続再生で最大7時間(JEITA 3.0)とされています。
電源アダプタは65W出力、充電時間は不明です。
外観
本体正面。
形状は「ROG Ally」に似た雰囲気です。ただし、「ROG Ally」が280×111.38mmに対し、「Claw A1M」は294×117mmと半回り大きい筐体となっています。
ディスプレイは7インチFHD(1920×1080)で、リフレッシュレートは120Hz。これは「ROG Ally」と同じですね。
というか、「Legion Go」は144Hzでしたし、今後は120Hz/144Hzが標準になってくるでしょう。
インターフェースはめちゃくちゃ割り切っていて、USB系はThunderbolt4が1ポートのみ。いやちょっと割り切り過ぎでしょ。
XG Mobile端子やOCuLinkとは言いませんが、せめて2ポートあっても良かったのでは…?ゲームプレイ以外の用途は考えないという、強い意志を感じる…
後背面はがっつり開いているので、吸気量は多そう。
内部イメージ。
CoolerBoost HyperFlowと名付けられた、デュアルパイプ・デュアルファンでの冷却です。
真ん中のでかいモジュールがバッテリーで、バッテリーの下、左右にあるのがおそらくスピーカーボックス。なので、バッテリーの左右にあるのが振動ユニットと思われます。
ちょっと気になるのが、MSI App Player。
Androidエミュレーターを手掛けるBlueStacksと提携したアプリで、スマホ向けアプリをWindows上でプレイできます。
まぁアプリなので、「Claw A1M」じゃなくても使えそうなのですが…
まとめ
「Claw A1M」の価格は、Core Ultra 5モデルが119,800円、Core Ultra 7モデルが139,800円です。
現在は予約段階で、発売は3月28日となります。
公式ストアのみ、専用ポーチセット(+2,800円)がありますが…本体のみで充電器とか入るスペースがなさそうなんですよね…すでにサードパーティーから充電器も入るポーチが出ているので、そっちの方が良さそう。
他にもスタンド付きカバーとかがサードパーティーから出ています。
Intel系ながらAMD系と同程度の価格で来るとは思いませんでした。
なんなら、記事執筆時点ではCore Ultra搭載PCとして最安レベルだったり。
外部端子がTB4×1ポートだけというのは気になりますが、さすがの大手ということで初代ながら完成度も高そうですし、Intel派ゲーマーの福音となりそうな気がします。
関連リンク
公式製品ページ:MSI
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