2023年10月23日、SBCメーカーのRadxaはAmlogic A311Dを搭載したSBC「Zero 2 Pro」を発表、おそらく2024年3月28日に発売しました。
スペック
■ Zero 2 Pro | |
CPU | Amlogic A311D |
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メモリ | 4GB LPDDR4-3200 |
ストレージ | 0~64GB eMMC |
画面 | 14.0インチ IPS FHD |
インターフェース | USB Type-C(3.0)×1 USB Type-C(2.0)×1 microHDMI microSD |
wi-fi | Wi-fi 5+BT5.0 |
サイズ | 65×35mm |
特徴
「Zero 2 Pro」はもともと「Zero 2」として開発されていたもので、2021年12月に製品ページを公開、その後長らく音沙汰がなく、なんなら「Zero 3W」が先に登場する始末でした。
上の記事内でも言及していますが、フォーラム内での「Zero 3W」発表時に「Zero 2 Pro」についても簡単に発表、この時点では動画タイトルは「Zero 2」だったりと”Pro”が付いたり付かなかったりしています。
製品ページが「Zero 2 Pro」に変更されたのは2023年12月11日。以降は全面的に「Zero 2 Pro」の名称で扱われるようになりました。
なお、名称変更したことから分かるように、無印の「Zero 2」というものはありません。
SoC
「Zero 2 Pro」のSoC(System on Chip)はAmlogic A311D。
A311Dは2018年8月に発表されたSoCで、2コアのCortex-A73に4コアのCortex-A53、GPUはミドルクラスのMalli-G52 MP4(他でいうところのEU数が4に相当)と、SBC向けとしては結構強力です。
ここまでは実はAmlogic S922Xと同じだったりするのですが、大きな違いとしてA311DはAI(機械学習)用の、5.0TOPS@INT8のNPUを内蔵します。
NPUは800MHzで動作する4つのNPE(Neural Processing Engine)などで構成されています。
おおよその性能の位置づけとしては、Celeron J4125以上Celeron N5095以下。
そこそこ古いSoCにはなりますが、割とパワフルです。
メモリとストレージ
メモリは4GB LPDDR4-3200。販売ページでは8GBモデルが示唆されていますが、現状では4GBのみです。
ストレージはなし、または16~64GBのeMMC。これも現状では16GBのみが販売されています。
また、128GBまでのmicroSDにも対応します。
その他
無線LANはWi-fi 5(802.11ac)に対応。チップはAMPAK AP6256なので最大433Mbps、Bluetoothはv5.0対応です。
電源はType-C入力で5V/3A。GPIOまたはMIPI-DSI経由でのLCD接続時は5V/4Aが必要です。
OSはDebian、Ubuntu、Linux、Androidをサポート。
ダウンロードページではDebianとUbuntuが公開されています。
外観
インターフェースです。
何気に映像出力(microHDMI)を持っています。
サイズは65×35mm(ページによっては36mmと記載)なので、「Raspberry Pi Zero」(65×30)より約2割幅広です。
専用のファン付きヒートシンク(Heatsink 6510 for Radxa ZERO 2 Pro)も用意されています。
まとめ
「Zero 2 Pro」の価格は65ドル(ALLNET China)、または10,200円(Arace)。
ヒートシンクは1,200円です。
もともとAmlogic系は値段が高く、例えば同じA311Dを搭載するKhadas「VIM3」は20,800円、Banana Pi「BPI-M2S」は記事執筆時点のAliExpress価格が11,311円です。
なので、1万円オーバーと言っても決して高いわけではありません。
いわゆる”Zero”スタイルSBCの中ではパワフルな性能ですし、サイズ的な制約がある場合は検討の俎上に載りそうです。
サイズ的な制約がないなら…はるかにパワフルなRK3588S搭載ボード(例:Orange Pi 5)が1.2万円台からありますし、そっちを検討したほうがいいかと。
関連リンク
ZERO 2 Pro:Radxa
ZERO 2 Pro:Radxa docs
ZERO 2 Pro 販売ページ:Arace
ZERO 2 Pro 販売ページ:ALLNET China
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