【レビュー】ASUS ROG NUC 970:現行最高レベルにパワフルなのに意外と静かなゲーミングミニPC

レビュー

ASUS「ROG NUC 970」はCore Ultra 9 185HにGeForce RTX 4070 laptopを搭載した、現行世代では最高クラスといえるゲーミングミニPCです。

欲しい人は欲しい。ASUS「ROG NUC 970」はCore Ultra+RTX 4070な最強ミニPC
2024年8月9日、ASUSはCore Ultra 9 185HにGeForce RTX 4070を搭載したミニPC「ROG NUC 970」と、下位(Core Ultra 7 155H+RTX 4060)の「ROG NUC 760」を発売

今回はゲーミング要素を多めにベンチマークして、その実力を確認してみました。

当レビューはメーカーより機材提供を受けたものですが、内容自由で書かせてもらっています。
当ブログの方針として、悪い点も包み隠さず書いていきます。
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ASUS ROG NUC 970

■ ROG NUC 970 / 760
CPUCore Ultra 9 185H
Core Ultra 7 155H
GPUGeForce RTX 4070 laptop(8GB)
GeForce RTX 4060 laptop(8GB)
メモリ32/16GB DDR5-5600
ストレージ1TB/512GB M.2 Gen4 SSD
インターフェースUSB Type-C(TB4)×1
USB3.2 Gen2×4
USB2.0×2
HDMI 2.1×1
DisplayPort 1.4a×2
2.5GbE 有線LAN×2
SDXCカードリーダー
オーディオジャック
wi-fiWi-fi 6E+BT5.3
電源330W
サイズ270×180×50mm
重さ2.6kg

GoodPoint
モバイル最高クラスの性能
パワフルなのに意外と静音
トリプルM.2 SSD対応

BadPoint
モード切替の効果が感じられない
アイドル時の消費電力が高め

パッケージ

内容物
・本体
・電源アダプタ
・電源ケーブル
・スタンド
・安全に関する情報
・システムドキュメント
・入れ替え用天面パネル

「ROG NUC 970」のインターフェース

■前面
・SDカードリーダー
・USB3.2 Gen2×2
・オーディオジャック
・電源ボタン
■背面
・USB3.2 Gen2×2
・USB2.0×2
・2.5GbE 有線LAN
・Thunderbolt4
・HDMI 2.1
・DisplayPort 1.4a×2
・電源ジャック

「ROG NUC 970」の内部

ボードはかなり大きめで、M.2 SSDが3スロットもあります。ただし、内部スペース的にヒートシンクなしでの運用となります。
メモリはDDR5-5600で、最大64GB(32GB×2)まで対応。

「ROG NUC 970」のパフォーマンス

「ROG NUC 970」の搭載CPUはCore Ultra 9 185Hで16コア22スレッド、dGPUにGeForce RTX 4070 laptopを内蔵しています。

Desktop版とlaptop版は結構違っていて、性能的にはRTX 4060 Ti Desktopに近い仕様となっています。

Desktop版:メモリ12GB、5888CUDAコア、最大200W
laptop版:メモリ8GB、4608CUDAコア、最大115W

総合

CPUPassMark11 (CPU)
Core Ultra 9 185H341063984
Ryzen 9 7940HS310063942
Core i7-13700H284583979
Core i9-13900H258943720
Ryzen 7 7840U246513861
Ryzen 9 5900HX245423354
Core i9-12900H242263640
Ryzen 5 7640HS234643788
Ryzen 7 5800H220613169
Ryzen 7 6800U214203347
Core i5-1340P185053730
Core i5-1235U150453359
Ryzen 5 5500U148872534
Core i7-11390H121173376
Intel N10061222088

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

PassMarkは現行バージョン(v11)と、過去との比較用に旧バージョン(v9)の両方を掲載。

Core Ultra 9 185Hのスコアは、これまでレビューしてきたモバイル系CPUの中では圧倒的です。
単にスペックが高いというだけではなく、大容量電源アダプタによる余裕のある電力、大型の筐体による強力な冷却など、条件が揃った結果でしょう。

とはいえ後述しますが、実はこれでも多少のサーマルスロットリングが発生しています
これだけの冷却機構で足りないとか、どれだけのポテンシャルを持っているんだ…

CPU

CPUCINEBENCH R15
Core Ultra 9 185H2928251
Core i7-13700H2613278
Ryzen 9 7940HS2521288
Ryzen 5 7640HS2071270
Ryzen 7 7840U2017265
Ryzen 7 6800U1624236
Core i5-11400H1524221
Ryzen 5 5600U1353223
Core i5-1235U1113223
Core i7-11390H948232
Core i7-1165G7859227
Ryzen 5 4500U858177
Core i7-11370H705188
Ryzen 3 4300U640161
Core i5-1135G7628160
Core i7-10510U502170
Core i7-8550U476163
Core i5-7200U324126
Ryzen 3 3200U309124

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CPUCINEBENCH R23
Core Ultra 9 185H192411743
Core i7-13700H169431925
Ryzen 9 7940HS161261820
Ryzen 5 7640HS128781704
Ryzen 7 7840U128151719
Ryzen 7 6800U105931500
Core i5-11400H99791474
Ryzen 5 5600U79301368
Core i5-1235U75111568
Core i7-11390H58561516
Core i7-1165G754451522
Ryzen 5 4500U53931163
Core i7-11370H45601279
Ryzen 3 4300U42231062
Core i5-1135G740391279
Core i7-10510U29641046
Core i5-7200U1862799
Ryzen 3 3200U1736773

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CINEBENCHの結果も他を圧倒。
しかし、シングルスレッド性能はいまいち伸びていません。

GPU

CPU3DMark Fire Strike (Graphic)
RTX 4060 Ti Desktop34187
RTX 4070 laptop32685
RTX 3080 laptop27534
RTX 3060 laptop10109
GTX 16509230
Ryzen 9 7940HS(16GB×2)8589
Ryzen 7 7840U(16GB×4)7621
Ryzen 5 7640HS(16GB×2)7158
Ryzen 7 6800U(16GB×2)6942
GTX 10506210
Core i9-13900H(16GB×2)5749
Core i7-13700H(16GB×2)5584
Core i7-1165G7(8GB×2)3883
Core i5-1135G7(8GB×2)3842

CPU3DMark Time Spy (Graphic)
RTX 4060 Ti Desktop13555
RTX 4070 laptop13071
RTX 3080 laptop11053
RTX 3060 laptop7520
Intel Arc3582
GTX 16503465
Ryzen 9 7940HS(16GB×2)2942
Ryzen 7 7840U(16GB×4)2776
Ryzen 5 7640HS(16GB×2)2592
Ryzen 7 6800U(16GB×2)2352
GTX 10501725
Core i7-13900H(16GB×2)1714
Core i7-13700H(16GB×2)1689
Core i7-1165G7(8GB×2)1236
Core i5-1135G7(8GB×2)1188

グラフィック性能はだいたいRTX 4060 Ti Desktop(Thunderbolt4接続)と同等。
上でも書きましたが、スコア上でもRTX 4060 Ti Desktopに近いことが示された形ですね。

また、前世代のワンランク上とも同程度ともいわれていますが、実際にはRTX 3080 laptopとは1割以上の差がついています。

ストレージ

「ROG NUC 970」のストレージはSAMSUNG PM9A1aシリーズの1TBモデル。
試用上はリード7000 MB/s、ライト5100 MB/sとされています。

シングルパーティションなので、うっかりDドライブがスカスカなのにCドライブがいっぱいに、なんてこともありません。

CrystalDiskMarkではリード6,988 MB/s、ライト4,927 MB/s
ライトがやや足りていませんが、おおよそ仕様通りの速度と言えるでしょう。

外観

パッケージ

外箱はかなり大きめ。
この時点でワクワク感がありますね。

箱のラベル。

再掲ですがパッケージ内容。
電源アダプタが本体の1/3くらいと、かなり巨大です。

付属品

スタンド。
本体との接触部はかなり厚めで、万が一にも本体に傷がつくことはなさそう。

一応、方向は決まっています。

電源アダプタ。ケーブルはデスクトップPCなどでも使われる台形プラグです。
ミニPCなどに比べて大きな電力を流すため、ケーブルも太くなっています。

出力は最大330W。

紙類は2種類。

筐体

本体全景。

サイズ感としては、A4ノートから少しはみ出すくらい。

通常のミニPCと並べると、2台分とちょっとくらいの大きさ。

インターフェースは前後で、前面と側面前方から吸気、後方排気となっています。

天面にもちっちゃな吸気口。

底面はほとんど吸気口。少なくとも、エアフローで困ることはなさそう。

側面はくさび形をしていて、スタンドにフィットします。

スタンドにセットした状態。

電源を入れると、ROGロゴが浮かび上がります

重量

本体重量は2.5kg強。

スタンドだけでも441gあります。2.5kgをこけないように支えるにはこのくらい必要なのでしょう。

内部構造

「ROG NUC 970」の内部にアクセスするには、Type-C端子の上のスライダーと、下のねじを外します。

上のスライダーでは、天面パネルにアクセスできます。
パネルを交換することで、天面が光らなくなります(正しくは光を全部遮る)。

ねじを外すことで、天面パネル部分を外せます。

天面パネルはケーブルがつながっているので壊さないように注意。
というか、天面を光らせたくなかったら、パネル交換よりこれを引っこ抜いておけばよいのでは…?

内部ボードまでアクセスできました。
天面パネルボードには、M.2 SSD部分にカプトンテープ(絶縁テープ)が貼られています。

再掲ですがボード全景。

M.2 SSDはワンタッチ装着が可能。
この機構、すべてのPCに導入してほしい…

メインM.2 SSDはまた別のスタイル。
青いパーツをくるっと回すと外せます。

M.2 SSDの下にはWi-fiカード。このWi-fiカードがあるので、SSDを留める方式が違っていたわけです。

横から見ると、半分がヒートシンク。

システム

起動前

UEFIはグラフィカル。
セミファンレスのため、3枚目でCPUファン、dGPUファンが0RPMとなっています。

システム情報

意外なことにデスクトップは普通で、ゲーミング仕様にはなっていません。
まぁ、試用機だからってのもあるかも。

管理アプリ(Armoury Crate)はゲーミング仕様。
ワンタップでモード切替ができますが、レビュー時は特に違いを感じませんでした

上がターボモード、下がサイレントモードでのスコア。
誤差レベルですが、なぜかターボモードの方がちょっと低く出たという。

同じく上がターボモード、下がサイレントモードでのCPU設定。
特に制限がかかった様子もなく、全く同じです。

Armoury Crateはドライバの管理機能も内包しています。

バージョン情報。Windowsは23H2。

HWiNFOでのCPU情報。

ゲームベンチマーク

レビュー機のスペック

レビュー機のスペックは以下の通り。

CPUCore Ultra 9 185H
グラフィックGeForce RTX 4070 laptop
Intel Arc
メモリ32GB
ストレージ1TB

[中量級] Street Fighter VI

2023年6月に発売し、全世界で300万本(2024年1月時点)を売り上げたストリートファイター6。
FHDどころか2.5Kでも60fpsで動作します。さすがに4Kは厳しく、31fpsとなりました。

[中量級] FF XIV 暁月の終焉

設定スコアFPS評価
3960×2160 最高品質868659.41 fps快適
2560×1440 最高品質16689117.31 fps非常に快適
1920×1080 最高品質21027155.68 fps非常に快適
1920×1080 高品質23715177.79 fps非常に快適
1920×1080 標準25515190.1 fps非常に快適
1280×720 高品質24792186.22 fps非常に快適
1280×720 標準26126196.11 fps非常に快適
FF XIV 暁月の終焉
本機(4070 laptop)21027 / 非常に快適
RTX 3080 laptop18591 / 非常に快適
RTX 4060Ti Desktop18192 / 非常に快適
RTX 3060 laptop15592 / 非常に快適
GTX 16508090 / 快適
Ryzen 9 7940HS(16GB×2)5737 / 普通
Ryzen 7 6800U(16GB×2)5477 / 普通
Ryzen 5 7640HS(16GB×2)5365 / 普通
Ryzen 7 7840U(16GB×4)5104 / 普通
Core i9-13900H(16GB×2)4202 / 普通
Core i7-13700H(16GB×2)4017 / 普通
Ryzen 5 5800U(8GB×2)3723 / 設定変更
Core i5-1135G7(8GB×2)2846 / 設定変更

1920×1080(最高品質)での比較

中量級のFF14は全然余裕。4K/最高画質でもほぼ60fpsで、快適にプレイできます。

[中量級] FF XIV 黄金の遺産

設定スコアFPS評価
3960×2160 最高品質
DLSSあり
1008067.05 fps快適
3960×2160 最高品質
DLSSなし
579641.07 fps普通
2560×1440 最高品質
DLSSあり
1169084.07 fpsとても快適
2560×1440 最高品質
DLSSなし
1189885.39 fpsとても快適
1920×1080 最高品質
DLSSあり
15960117.62 fps非常に快適
1920×1080 高品質19556150.79 fps非常に快適
1920×1080 標準20219154.85 fps非常に快適
1280×720 高品質19969157.77 fps非常に快適
1280×720 標準20799162.98 fps非常に快適
FF XIV 黄金の遺産
本機(4070 laptop)15960 / 非常に快適
RTX 4060Ti Desktop15304 / 非常に快適
RTX 3080 laptop15208 / 非常に快適
Ryzen 5 7640HS(16GB×2)3522 / 普通

1920×1080(最高品質)での比較

FF XIVは最新バージョンの”黄金の遺産”でDLSSに対応しました。最近リリースされたので、蓄積データが不足しています。
デフォルトではDLSSは60fpsを下回るシーンでのみ適用となっているので、まともに適用されているのは4Kの場合くらいです。
DLSSが適用されるとスコアが1.7倍となり、大きな効果を得られます。

[重量級] FF XV Windowsエディション

設定スコア評価
3960×2160 高品質4941やや快適
2560×1440 高品質8822快適
1920×1080 高品質11791とても快適
1920×1080 標準品質15743非常に快適
1920×1080 軽量品質18360非常に快適
1280×720 標準品質18687非常に快適
1280×720 軽量品質20352非常に快適
FF XV
本機(4070 laptop)11791/ 非常に快適
RTX 4060Ti Desktop11516 / 非常に快適
RTX 3080 laptop10286 / 非常に快適
RTX 3060 laptop7685 / 快適
GTX 16503891 / 快適
Ryzen 9 7940HS(16GB×2)2959 / 普通
Ryzen 7 7840U(16GB×4)2898 / 普通
Ryzen 5 7640HS(16GB×2)2539 / 普通
Ryzen 7 6800U(16GB×2)2420 / 普通
Core i9-13900H(16GB×2)1776 / 普通
Core i7-13700H(16GB×2)1676 / 普通
Ryzen 5 5800U(8GB×2)1590 / 設定変更
Core i5-1135G7(8GB×2)1290 / 設定変更

1920×1080(高品質)での比較

重量級のFF15でも2.5Kまでは快適にプレイできます。
2016年リリースとなんだかんだ古いゲームなので、DLSSやフレーム生成などの最新の機能を使わない、素の性能が試されます。

[重量級] サイバーパンク2077

設定平均fps最低fps
3960×2160 ウルトラ
レイトレあり
21.95 fps14.98 fps
3960×2160 ウルトラ
レイトレなし
32.58 fps28.57 fps
2560×1440 ウルトラ
レイトレあり
53.87 fps47.69 fps
2560×1440 ウルトラ
レイトレなし
66.31 fps56.75 fps
1920×1080 ウルトラ
レイトレあり
66.68 fps57.54 fps
1920×1080 ウルトラ
レイトレなし
103.31 fps75.80 fps
サイバーパンク2077
本機(4070 laptop)103.31 fps
RTX 4060Ti Desktop95.00 fps
RTX 3080 laptop92.57 fps
RTX 3060 laptop41.5 fps
Ryzen 9 7940HS(16GB×2)28.48 fps

1920×1080(ウルトラ)での比較

サイバーパンク2077
本機(4070 laptop)66.68 fps
RTX 4060Ti Desktop66.07 fps
RTX 3080 laptop57.16 fps
RTX 3060 laptop24.09 fps
Ryzen 9 7940HS(16GB×2)9.93 fps

1920×1080(レイトレーシング:ウルトラ)での比較

重量級タイトルの代名詞ともいえるサイバーパンク2077では、レイトレーシングなしなら2.5K解像度まで60fpsでプレイできます。
4Kはさすがに厳しそうです。

[重量級] 黒神話:悟空

設定平均 fps最低 fps
3960×2160 最高
フレーム生成あり
35 fps31 fps
3960×2160 最高
フレーム生成なし
24 fps20 fps
2560×1440 最高
フレーム生成あり
50 fps45 fps
2560×1440 最高
フレーム生成なし
35 fps30 fps
1920×1080 最高
フレーム生成あり
72 fps64 fps
1920×1080 最高
フレーム生成なし
42 fps36 fps
黒神話:悟空 (フレーム生成なし)
RTX 4060Ti Desktop43 fps
本機(4070 laptop)42 fps
RTX 3080 laptop28 fps
RTX 3060 laptop16 fps
Ryzen 9 7940HS(16GB×2)12 fps

1920×1080(最高)での比較

8月20日にリリース、SteamDBによると同時接続者数最大240万人を記録した、西遊記を題材とした「黒神話:悟空」がベンチマークツールを公開しているので、こちらでも測定。ゲームエンジンにはUnreal Engine 5を採用しています。
ベンチマークに当たり、DLSS/FSRスーパー解像度はすべて65%に設定しています。

さすがの最新重量級タイトルだけあって、RTX 4070 laptopでも最高画質だとフレーム生成機能も使ってFHD解像度がようやっとプレイできるレベル。
4Kなら低画質(上から5番目の画質)、2.5Kなら高画質(上から3番目の画質)が、プレイできるラインとなります。

Stable Diffusion

最近のGPUといえばのStable Diffusionも測定。
ちもろぐさんのグラボ別ベンチマークより「Toki SDXL Benchmark」と「Ayaka SDXL LoRA Benchmark」の設定をお借りして実施しました。

スコアは5枚の生成にかかった時間(秒)です。

CPUStable Diffusion(Toki)
RTX 3080 laptop(16GB)52.2s49.4s
本機(RTX 4070 laptop)68.8s48.0s
RTX 4060Ti Desktop(8GB)108.8s72.5s
RTX 3060 laptop(6GB)242.7s134.2s

上段:WebUI、下段:WebUI Forge

CPUStable Diffusion(綾香)
RTX 3080 laptop(16GB)67.4s73.7s
本機(RTX 4070 laptop)171.3s71.6s
RTX 4060Ti Desktop(8GB)263.0s91.3s
RTX 3060 laptop(6GB)途中で落ちた182.3s

上段:WebUI、下段:WebUI Forge

ざっくり説明すると、通常のWebUIではGPUメモリ不足ですね。SDXLは最低でもメモリ10GB以上は食い、LoRAを適用させたりするとさらに食うので、グラフィックメモリが8GBのRTX 4070 laptopではちょっと足りず、システムメモリの一部を共有メモリとして割り当てているので、その分遅くなっています。

一方で省メモリ化されたForge版では「Ayaka SDXL LoRA Benchmark」でも6.8GB程度しか食わず、GPUメモリ内に収まるので爆速化(というか本来の速度で動作)します。

消費電力・稼働時間・騒音・温度

消費電力

アイドル時16.3W
画面オフ時14.2W
スリープ時0.06~13.1W
CINEBENCH(S)67.6W
CINEBENCH(M)119W
最大240W

dGPUを持っているだけあって、最大消費電力は圧巻の240W
でも、CPUとGPUの両方に負荷をかけても240Wで済むのか…って気持ちの方が強かったり。電源アダプタは330Wなので、相当なマージンを確保していますね。

参考までにFF15(2.5K/最高品質)のベンチマーク中は185~200W、Stable Diffusion Forgeで生成時は160~180W程度の消費電力でした。

騒音

状況音量
電源オフ35.1dB
アイドル35.1dB
最大42.7dB
最大(背面)44.8dB

騒音レベル[dB]音の大きさのめやす自室内の聞き騒音
うるさい70掃除機
騒々しい街頭
非常にうるさい
60普通の会話・チャイム
時速40キロの自動車の内部
非常に大きく聞こえうるさい
声を大きくすれば会話ができる
普通50エアコンの室外機
静かな事務所
大きく聞こえる
通常の会話は可能
40深夜の市内
図書館
多少大きく聞こえる
通常の会話は十分に可能
静か30ささやき声
深夜の郊外
非常に小さく聞こえる
20ささやき
木の葉のふれあう音
ほとんど聞こえない

騒音については、ゆるい負荷だと無音(ファン停止)、ゲームなどを起動するとファンが回り始めます。
最大42.7dBとしていますが、長時間負荷をかけて動作が安定してくると40.2dB程度まで落ち着きます(背面は42.1dB)。

その際の音を表すと、2つ隣の部屋の掃除機って感じ。高周波成分がなく、生活音に紛れやすい音です。
実際、ベンチマークを回しながら他の作業をしていると、全く気になりませんでした。

温度

温度については、CPUは最大105℃、GPUは最大73℃。
CPU温度は上限に達していてサーマルスロットリングが発生しているはずなのですが、操作しているうえでは特に影響を感じませんでした。

まとめ

「ROG NUC 970」の価格は359,192円
なかなかのお値段ですが、現行のミニPCで最高クラスの性能であることを考えると、納得の価格でもあります。

パワフルゆえにそれなりの騒音を覚悟していたのに、それほどでもなかったのが予想外でした。
GPUがlaptop版なのはちょっと残念でしたが、電源アダプタではこの辺が限界でしょう。これを超えるとなると「NUC 13 Extreme kit」のような電源内蔵型にしないと電力が足りず、ミニPCの範疇を超えてしまいます。

ここまでするならゲーミングデスクトップを買った方がいい気がしますが…デスクトップ機にはないロマンが詰まっていて、個人的にはとても好きです。短期間とはいえ、触っていて楽しい機種でした。

関連リンク

付録

ベンチマーク結果一覧

メーカーASUS
モデル名ROG NUC 970
CPUCore Ultra 9 185H
GPURTX 4070 laptop
メモリ16GB×2
ストレージ2TB Gen4
PassMark 9Total7361.6
CPU Single3812
CPU Multi31775.7
2D897
3D24546.7
Memory2625.1
Disk37000.9
PassMark 11Total11193
CPU Single3984
CPU Multi34106.5
2D822.9
3D21723.4
Memory2825.1
Disk47306.2
3DMarkTimeSpy12544
Graphics13071
CPU10212
FireStrike27446
Graphics32685
Phisics27310
Combined12507
NightRaid61272
Grapihics147626
CPU14201
WildLife81454
Graphics487.75 fps
SteelNomad2826
Graphics28.26 fps
SteelNomadLight13465
Graphics99.75 fps
CINEBENCH R15OpenGL204.60 fps
CPU(M)2928 cb
CPU(S)251 cb
CINEBENCH R20CPU(M)7402 pts
CPU(S)663 pts
CINEBENCH R23CPU(M)19241 pts
CPU(S)1743 pts
CPU-ZSingle731.3
Multi8675.5
CrystalMarkMark1257313
ALU452187
FPU227074
MEM379622
HDD93242
GDI30767
D2D25191
OGL49230
CrystalMark RetroAll22368
CPU-Single10803
CPU-Multi145288
2D-text12345
2D-square20257
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すごく快適
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すごく快適
FF XIV(DX11)
暁月の終焉
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非常に快適
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非常に快適
177.79 fps
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非常に快適
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非常に快適
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非常に快適
196.11 fps
FF XIV(DX11)
黄金の遺産
1920・最高15960
非常に快適
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非常に快適
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非常に快適
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非常に快適
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非常に快適
162.98 fps
FF XV(DX11)1920・高10286
とても快適
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非常に快適
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非常に快適
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非常に快適
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非常に快適
MHF(DX10)
大討伐
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ベンチマーク結果画像

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