2019年2月28日、SBC(シングルボードコンピューター)メーカーのKhadasは、2017年8月に発売した「VIM2」をアップデートした「VIM2 v1.4」を発表しました。
スペック
model | VIM2 v1.4 | VIM2 |
メーカー | Khadas | |
発売日 | 2019/03 | 2017/08 |
価格 | 99.9ドル(Basic) 119.9ドル(Pro) 139.9ドル(Max) | |
価格(日本円) | ||
CPU | Amlogic S912(8コア) (1.5GHz A53 x8) | |
GPU | Mali T820 MP3 | |
メモリー | 2GB DDR4(Basic) 3GB DDR4(Pro,Max) | |
サポートOS | Android 7.1 Google Fuchsia OS Ubuntu 16.04 LibreELEC 8.9 | |
有線LAN | 1GbE x 1 | |
Wi-fi | 802.11 ac(2×2) アンテナ付属 | |
Bluetooth | 4.1(Basic) 5.0(Pro,Max) | 4.1(Basic) 4.2(Pro,Max) |
チップ | AS6356S(Basic) AS6398S(Pro,Max) STM8S003 | AS6356S(Basic) AS6359SA(Pro,Max) STM8S003 |
ストレージ | 16GB eMMC(Basic) 32GB eMMC(Pro) 64GB eMMC(Max) microSD(〜128GB) | |
USB | 2.0 x 2 2.0 x 1(Type-C) | |
GPIO | 40pin x 1 20pin x 1(Pogo Pads) 7pin x 1(Pogo Pads) | |
映像 | HDMI(2.0a 4K/60Hz) | |
カメラ | ||
オーディオジャック | × | |
その他インターフェース | IR receiver RTC battery | |
消費電力 | ||
電源 | DC 5〜9V/3A(Type-C) | |
幅 | 82.0mm | |
奥行き | 57.5mm | |
高さ | 11.5mm | |
その他 |
特徴
「VIM2 v1.4」は、基本的なインターフェースは「VIM2 v1.2」と同じままですが、細かな改良点がいくつも加えられています。
これは「VIM2 v1.4」と「VIM2 v1.2」の表裏を並べたものですが、抵抗の数がかなり減っています。
GPIOもホールから表面実装に変わり、裏側へ突き抜けなくなりました。
コネクタの位置もいろいろ変わっています。
ファンの位置が逆になったことで、ファンのピンヘッダもまた逆位置となっています。
「TRANSFORMER」とあるの変圧チップ(後述)です。
矢印に隠れていますが、Wi-fiチップもアップデートされ、Bluetooth 5.0に対応しました(Pro/Maxのみ)。
また、「VIM2 v1.4」から「Khadas TST(Terry’s Smart Tweezers)」と名付けられた機能が用意されました。
これは電源ON後に右の3つのボタンの内真ん中のボタンを、2秒以内に3回押すことで、ブートローダーが壊れていてもアップグレードモードに入ることができる機能です。
ヒートシンクも変更されており、エアフローが改善されました。
ヒートシンクのシロッコファンの位置が逆となり、どん詰まりだった排気が外に抜けるようになりました。
ファンも吸気口が大型化した静音ファンとなり、さらに変圧チップが変わってPMW(Pulse Width Modulation、パルス信号のON幅を変えることでファンの回転速度を変える機能)に対応しました。
以上の点や他の変更点をまとめると、以下のようになります。
v1.4 | v1.2 | |
Wi-fi | AP6398S | AP6359SA |
Bluetooth | 5.0 | 4.2 |
ファン | 3705 | 3004 |
ファン制御 | PWM | IO |
変圧チップ | Pulse H5120NL | GST5009M |
SPI Flash | 16MB | 2MB |
Upgrade mode | TST | – |
XPWR PADS | ○ | × |
VIN PORT | × | ○ |
「VIM2 v1.2」から変更がないのは、CPU、メモリ、インターフェースなど基本的な部分です。
「VIM2 v1.4」のインターフェース図がないため「VIM2 v1.2」のものになりますが、上記変更点以外はだいたい同じです。
CPU(SoC)はAmlogic社の「S912」です。
8コアの1.5GHz Cortex-A53で構成され、「S922X」が登場するまでは2年以上に渡りAmlogicの最上位モデルに位置づけられていました。
(2018年にS9シリーズ第2世代となるS905X2が登場し、USB3.0対応などを果たしましたが、絶対性能ではS912に及びませんでした)

性能的にはAntutu 6.xで4万点前後(RK3399は8万点前後)、Geekbenchでは487/2485(シングル/マルチ、RK3399は1492/3662)で、RK3399の半分〜6割といったところです。
今となっては性能的に見劣りしてしまいますが、「VIM2」には他にはないオプションが用意されています。
それが「TONE BOARD」という、ハイレゾオーディオボードです。
ESSのスマホ用高級DAC「ES9038Q2M」を搭載しています。
GPIOを使用するため、「VIM2」専用というわけではなく,、またUSB DACとしても使えるようですが、それでも「VIM2」に合わせて設計されているため、見た目はバッチリです。
もうひとつ、こちらは「VIM2」専用となる「vTV Board」です。
接続がPogo Pinという押し当て型のピンで、かつ位置も固定のため、「VIM2」以外に合うボードはありません。
まとめ
あれこれと変更され、アップデートされた「VIM2 v1.4」ですが、価格は据え置きとなっています。
「VIM2」には3モデルあり、以下のようになっています。
BASIC:99.9ドル 2GB mem/16GB eMMC/BT4.1
PRO:119.9ドル 3GB mem/32GB eMMC/BT5.0
MAX:139.9ドル 3GB mem/64GB eMMC/BT5.0
初登場から1年半以上たち、ドキュメントも充実しているので、用途を絞って使うとかには良さそうです。
関連リンク
VIM2 – Khadas
VIM2 Beginners Guide – Khadas Docs
Khadas Shop – Pre Order Edge, Edge-V & New VIM2 v1.4 – Khadas Blog
コメント
興味本位でyoutube視聴用にシングルボードコンピュータを考えてるんですが、日本で手に入る物でおすすめとかあったりしますか?
コメントありがとうございます。
無線LAN接続ですと技適を取得しているSBC(ASUS「Tinkerboard S」)か、USB無線LANをつなぐかのどちらかとなります。
http://kisakitune.littlestar.jp/gadgetrip/2018/01/asus_tinkerboard_s/
「Tinkerboard S」はRK3288と性能は低めですが、youtube視聴くらいなら問題はないです。
USB無線LANを使うなら、NanoPi M4あたりがUSBも多く、使い勝手はいいかと思います。USB HDDを繋げばメディアプレーヤーにもなるかと。
http://kisakitune.littlestar.jp/gadgetrip/2018/08/friendlyelec_nanopi_m4/
海外からの輸入となりますが、購入手順は国内のショッピングサイトとそう変わりません(paypalを使うくらい)。
回答ありがとうございます。NanoPi M4にしようと思います。ラズパイは食わず嫌いしていたのですが、試してみます。
あ、ラズパイではないんですね笑